仮面ライダーセイバー【ネタバレ感想】第27章「哀しみを、笑顔に変えて。」#さらば、レジエル#コロナの影響
以下、ネタバレありの感想となります。独自解釈による偏見もございます。どうか、ご了承のほどを宜しくお願い致します。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
キャスト
◇仮面ライダーセイバー:神山 飛羽真(かみやま とうま)
◇須藤 芽依(すどう めい)
◇仮面ライダーブレイズ:新堂 倫太郎(しんどう りんたろう)
◇仮面ライダーバスター:尾上 亮(おがみ りょう)
◇仮面ライダーエスパーダ:富加宮 賢人(ふかみや けんと)
◇仮面ライダー剣斬:緋道 蓮(あかみち れん)*令和の蓮場合あり
◇仮面ライダースラッシュ:大秦寺 哲雄(だいしんじ てつお)
◇謎の男→仮面ライダー最光:ユーリ
◆元謎の衛兵改めマスターロゴス
◆仮面ライダーサーベラ:神代玲花
◆仮面ライダーデュランダル:神代凌牙(しんだい・りょうが)
□タッセル
□仮面ライダーカリバー&先代炎の剣士上條大地
●ストリウス
●レジエル
●ズオス
お別れで、考えたこと
いつも冒頭を飾っていた、タッセル。
仮面ライダーセイバーという物語りの進行役みたいな登場を重ねてきましたが、劇中の一角に実在するキャラであることを確認させる今回の出だしです。
ストーリーテラー、もしくは狂言回しの役割りと見せかけての、世界の調和を願う、見た目が変なおじさんです(笑)。
前回でシンケンゴールドもといマスターロゴスによって、文字通り「消された」タッセルです。
今回いなくて当然なのですが、ああ、いないんだ!という気分になりました。
特に求めているキャラでないにしても(笑)、毎回ずっと観てきていていなくなると、なんだか寂しい。
人は当たり前に冷たい、という格言を地でいく感じです。
やはりキャラはイイ人悪い人より、インパクトなんだなとつくづく思います。
そんなタッセルを消した報いか、マスターロゴスに今回は出番がありません。
それに釣られたわけでもないでしょうか、「粛清します」お姉さんの玲花も出番なしです。
ただでさえキャラが多いから、出しきれなかったとする部分はあるでしょう。
ちょっと早い意見かもしれませんが『仮面ライダーセイバー』は、これまでにない製作体制を取っています。
ニチアサ枠のスーパーヒーロー作品は、メインライター制を取ってきています。この人と決めた脚本家が作品を推し進め、時折加わる他の脚本家はサポートか、ちょっとした彩りをもたらす役目です。
仮面ライダーセイバーは、1人ではなく3人が交互に担当していく、メインライターが3人いる感じの体制に見えます。
今までなかった、複数の脚本家が中心となって、ストーリーを回していく。
その今までになかったスタイルが、以前を越えるほどの成果へ結びついていない気がします。
1話ごとは怒涛の展開ながら、全体にまで波及しきれていない。
1話だけ取り出せば、かなりな盛り上がりを、通して観ていく中には今ひとつ反映しきれていない。
作品として頑張っているが、これまで右肩上がりだったシリーズがそろそろ下り坂へかかる流れに押し潰されてしまっている感もあります。
個人的にも正直に申せば、前作の『仮面ライダーゼロワン』からちっとも離れられません。
『仮面ライダーセイバー』は、最初から苦難の道を歩まざる得ない作品だったのかもしれません。
そして平成以後の作品の特徴に、放送当時より後で見返したらずっと楽しめたパターンが多々あります。
だから特撮に分類される作品を追いかける大きな要因となっています。
今回は、メギドの3幹部と呼んでいたうちの1人「レジエル」の最後となりました。新しい力を得たと思ったら、結局はその場で倒されております。
レジエル役の高野 海琉(たかの かいる)が花束を受け取っている舞台裏を見れば、取り敢えずの退場ではなさそうです。
放送開始して少ししてからこの高野が『牙狼〈GARO〉-魔戒烈伝-』にゲスト出演していたことを知りました。第7話の元野球少年(本当は高校生)かぁ〜、となれば少しでも多くの活躍を、と思っていました。
真っ先の退場となってしまいました。自分が応援するとよろしくない結果をもたらす感じがして申し訳ない気分です(笑)。
そういった個人的な思い入れのほかにも、ワンダーランドへ辿り着いた際の姿を見るとです。
誰もが、良い笑顔しています。
タッセルが見た目は変だけど、感情を備えた良いヤツであることが分かります。
何より、メギドになる前のレジエル・ズオス・ストリウスが良い笑顔が、後にどういった経緯で禁断の書に手を出し、支配などを目論むようになったか。落ちていく様がどのようなものであったか。
もうちょっと出番を与えて欲しかったかな? レジエルにまで及ぶセイバーという作品です。
想像を刺激して止まない、罪な作品です(笑)。
小説家の力
主人公の暴走は、心躍ります。
昨今では鉄板ネタと化しつつありますが、鉄板となるだけの魅力があります。なにせ周囲の人物や、状況設定において、ネタは一緒でも展開上のバリエーションが多様に渡ります。
暴走は力なりみたいな、とんでもない強さを秘めている「プリミティブドラゴン」しかも飛羽真が変身するたびに発生してしまう厄介さです。
そう、変身するたびに「プリミティブドラゴン」へ促す、尋常でない執拗さ。
まるでストーカーみたいなワンダーライドブックだ、と考えていた時期もありました。
強大な力を秘めたドラゴンは、かつて仲間を失った幼き日のままで時間を止めていました。
飛羽真へ執拗に取り付くのも、寂しさの裏返し。仲間を欲する気持ちが溢れ出た結果でした。
ここで飛羽真は、少年の姿で現れたドラゴンに美しい世界があることを物語りにして伝える。
主人公を小説家に設定した意味があるエピソードとなります。
それから友達になろうが、胸にすとんと落ちます。
ちょっと辛口になりますが、事前の流れもなく、ただ「友達だ」「仲間だ」の言葉一つで心許すような展開はきついです。
言葉一つで引っ繰り返せるのは「好き」といった男女関係か、男女限らずの恋愛関係くらいかと考えます。
もっともこれはここで書いている者が荒んでいる証しかもしれません。純粋に「友達」「仲間」の言葉をもらえたら、素直に喜ぶべきかもしれません。
取り敢えず、です。
飛羽真の暴走から解放されるくだりが良かったです。
これなら周囲の人物たちが、飛羽真を認めていく気持ちが分かります。
そして、ドラゴンの少年と話していて身動きならないセイバーに襲いかかるレジエルへ、立ち塞がったのは水の剣士!決意をした倫太郎が変身した仮面ライダーブレイズ!
なんて熱くなるシチュエーションでしょう。
なんだかんだ言っても、やはり見逃せない番組です。
【次回】記す過去、描く未来。
タッセルは、いざという時のための案内役として設定されたキャラではないか、とする憶測があります。
「いざ」それはコロナ禍による撮影の中断です。
いつ何時、過去の映像を編集した特別編を流す事態へ陥るか分からない。その時にスムーズな案内役としてタッセルを用意したか、といった話しです。
真偽は定かではありませんが、中断を常に想定しての製作が『仮面ライダーセイバー』なのかもしれません。
そう考えれば、全体の流れより単独エピソードで完結するように心がけているかもしれません。
あくまでも、ここで書いている者の想像です。あまり信じないほうが身のためです(笑)。
ところで『仮面ライダーセイバー』の特徴として、配信用としてスピンオフが量産されました。
個人的にはソフト化されたら観る気ですが、そんなスピンオフの流れがディスク化においても及ぶみたいです。
確かにゼロワンでありました。
だからセイバーでも驚くには値しない・・・と思ったら、なんと富加宮隼人の裏切りを追う15年前のエピソードときます。
つまり隼人役の唐橋充が活躍しそう、ということです。
それよりもっと大注目している点は、上條が活躍するのか!!!
誤解を招く言い方で魅力を訴えさせていただければ、流れるような棒読み口調ながら最後のキメで叫ぶ「変身!」で一気に感情が爆発するような気合いが、素晴らしい。思い切りツボにきてます。
他にも先代の剣士が居並ぶ模様。ボウケンブルーも出演するだろうし、新たな剣士には女性もいる。令和の蓮くんの先代は、毅然とした女性ライダーっぽいです。
スピンオフであるボーナスディスク・・・別売りしてくれないかな。
そのスピンオフと同時に、現エピソードの撮影もこなしている坂本浩一監督は、次回の第28章「記す過去、描く未来。」も担当です。
マスターロゴスも本格的に動き出すような気配で、蓮くんも苦悩する事態へ直面か。
例年三月最後の放送回は、なにかしらのターニングポイントをもたらすことが多いことも、期待の滑車をかけています。