スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021【ネタバレ感想】キラメイジャー・リュウソウジャー・ゼンカイジャー
以下、ネタバレありです、独自解釈による偏見の酷いものとなっております(笑)どうか、ご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
重ねて申し上げさせていただきますが、未見の方はネタバレ「百も承知」の姿勢でお進みください。
ここで書いている者は、なるべく情報を入れないで臨んだ今回の映画ゆえに、ぽろりをしている感想です。
ビー・バップ・ドリーム
3本立てとして公開された『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』のトップを切ったのは、
『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』
海に打ち上げられた充瑠と為くんが冒頭を飾ります。もう狙っているとしか思えない男子コンビで、右往左往していきます。
今回も?クリスタリアの姫シーナちゃん(マブシーナのこと)が大活躍します。
なにせ壇蜜が演じるミンジョという魔女みたいな怪人は、ヌマージョの妹君ということ。確かに強敵に違いない、といった相手です。
このミンジョは、ヨドン軍のクリスタリア侵攻時におけるドサクサで「ドリームストーン」を奪い、悪用しています。
悪夢を作り出し、その中へ閉じ込める消し去ることが出来るようです。
取り込まれたのは、充瑠と為くん。
どうやら姫シーナちゃんの力があれば夢へ入り込めるようです。なんか理由を述べておりましたが、正確に覚えていないので、記しません(笑)。
救いにいくためシーナちゃんと、残るキラメイメンバーの時雨・小夜さん・瀬名お嬢が、夢の世界へ入っていきます。
ちなみに宝路は、ミンジョの襲撃を受け、回復待ちの状態であり不参加です。
夢の世界で、何が見どころと言えば、花嫁姿でしょう。
文句なしに瀬名お嬢のウェディング姿は素晴らしい。
そしてもう1人は、プリンセスです。
今回は何がありがたいと言えば、シーナちゃんのどあっぷが大画面で観られたことです。生々しいほど石人間を認識させられたうえでのウェディング姿に、それはもう・・・(自粛)です。
しかも現れた父ちゃん(オラディン王のこと)はテンションが高めです。いつもの父ちゃんだと感じましたが、娘のシーナちゃんには、こんなのはお父様ではないそうです。
身贔屓が目を曇らせる実例が展開させていました。
さすがに父ちゃんが偽者と分かるのが、娘の相手にラグビー邪面を連れてきたことです。
もっとも個人的には、確かにラグビー邪面はワンチーム・ワンチームが口癖のうるさいヤツですが、もらってくれるだけいいじゃないか、と思います。
ただこの後にミンジョが連れる怪人の襲撃を受けて、あろうことかシーナちゃん消滅!のシーンがあります。
夢の中の出来事とはいえ、なかなかショッキングなことであります。
仮にも別枠とはいえ、ヒロインです。
小夜さんや瀬名お嬢が敵の手に捉えらて、粉々に消されたらショックです。
もしこれが瑞希だったとしたら立ち直れなくなりそうですし、ヨドンナだって悪の幹部とはいえ無惨な最後には心を痛めます。
そう考えていくと、やっぱり消し飛ぶなら、シーナちゃん以外に考えられません。
扱いが酷くないか、と思ってましたが、むしろシーナちゃんしか出来ないシチュエーションでした。
さすが別枠のヒロインです(笑)。
悪夢の場として、利用されたのはガルザでした。
ミンジョはヨドン軍で最高の地位を得たいために、裏切っていたのです。抹殺したい相手は、キラメイジャーではなく身内の邪魔者だったわけです。
けれども充瑠のヒラメキに屈します。
ザビューンがヌマージョに対する怨念を妹のミンジョで晴らすべくやってきます。とても正義側にあるとは思えない心持ちで勇躍します(笑)。
クランチュラも最後に、ちょこっと出番があります。ミンジョに闇エナジーを送るだけです。でも、出番がキターと喜んでおりましたから結果オーライです。
メモリー・オブ・ソウルメイツ
次に来たのは『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』。
まるでインターバルの役目みたいな短さです。
変身するのは、コウだけ。つまりレッドだけの変身であったため、カタルシスからは遠い。
悪意ある言い方をすれば、過去作を取り上げるお約束のラインナップとして付け加えただけ。こうした扱いは、一歩間違えばリュウソウジャーファンからすれば激怒を買いかねない。
どうやら一歩は間違えなかったようです。
監督が坂本浩一であり、リュウソウジャー後半において、出演者自身がアクションを鍛えられています。
むしろレッドだけ変身なんて、リュウソウジャーらしいとも言えます。
そして何より、心に残るエピソードとなりました。
せっかくガイゾーグの憎悪から解き放たれた後、
突然!!!
なぜ、ナダが旅に出ると言い出したか?
なぜ、ああも早くナダは逝かねばならない事態へ陥ったのか?
答えが、ここにあります。
ナダが逝った第33話「新たなる刺客」に、ぐっときていました。
けれどこの映画を観た後では、涙なしでは観られません。
リュウソウジャーの6人が敵の内に呑み込まれ、1人残ったナダの奮闘が、いかに不屈な精神の元にあったか。
このエピソードによって『騎士竜戦隊リュウソウジャー』が完成したとしたいくらいです。
この第33話の冒頭に繋がる卓球場へ行くチケットをゲットできたところでラストシーンになります。
アスナが言う「ういちゃんも誘おう」に、すっかり涙もろくなった自分を自覚させられます。
映画冒頭の、うい役を演じた金城 茉奈(きんじょう まな)に対するテロップが、また忘れられないものにしてきます。
赤い戦い!オール戦隊大集会!!
ラストを飾るのは期待の新番組『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!』。
内容というより、これから始まる番組の雰囲気を伝えてくるような作りです。
主人公の五色田 介人(ごしきだ かいと)を演じる駒木根葵汰(こまぎね きいた)は、演技はすでに出来ている感じです。これからはいかに魅力を発揮できるかが勝負となりそうです。
他のメンバーはロボット形態を解いて、着ぐるみ形態(笑)というべき姿へなるようです。
ロボメカ状態で、ずっといくと考えていたので意表を突かれた想いです。
作りもののキャラから、ロボへチェンジしていく。
けっこうな博打を打ってきたな、と感じます。どうか吉を出ますように、と願うばかりです。
明るさ全開で進む作風で、ちょいちょいギャグを挟んできます。
このギャグがウケるか、スベるかが作品の成功に関わってくるような気がします。
ゼンカイジャーが期待と共に不安もまた大きいことは覚悟していたことです。
ただもうアカレンジャーに「赤じゃないのか」と言わせなければならないほど、スーパー戦隊が切迫していることは確かです。
実際、アカレンジャーのこのセリフには笑いました。笑えたのも、築かれてきた歴史があるからです。
最後にアカレンジャーこと海城 剛(かいじょう つよし)が登場します。ここに来てまた演じてくれた誠 直也(まこと なおや)を見れば、やはりどんな形でも「スーパー戦隊」と名が付くシリーズを終わらせたくないと思いました。
総括
観賞後、映画の時間配分を調べました。
・『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』約39分
・騎士竜戦隊リュウソウジャー 特 別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』約15分
・『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!』約27分
上映時間が「81分」と聞いて、均等分けはないだろうなと感じておりました。
もし「90分」だったら、テレビ1本分の長さで3本と考えますが、変則は予期していました。
キラメイジャーは、まさしく夏の映画用として準備していた作品をそのまま持ってきたようです。人気者となったヨドンナを食い込ませないところに、登場前の世界観とした点が窺えます。
またミンジョがヌマージョの助太刀としてエピソード21に登場しています。放送は8月30日でしたが、もしコロナ禍による中断がなければ、ちょうど映画公開に合致したタイミングの7月放送に当たったと思われます。
ただし冬の公開になったことで、上映時間が延ばせたような気がします。もし例年通り夏の公開として『仮面ライダーゼロワン』の併映としたら「30分以下」であったはずです。
今回は40分近くまで伸びたことは、不幸中の幸いとしたいところです。
作品の完成度という点で見れば、良かったのかもしれません。
リュウソウジャーに関しては、ワリを喰わされた感があります。けれどもファンにとっては、これほどたまらない作りはない、と言える内容です。
ナダの株を爆上がりさせただけ、とも言えなくもないですが(笑)。
でも、おかげで第33話が、いやリュウソウジャーを見返す日々へ陥りそうです。
しかしそうなると、騎士竜たちを封印させたままでいいのか、という気分が巻き起こってきそうでコワい。いつまでも後を引きずりそうで、これはこれで困ります(笑)。
ゼンカイジャーは、顔見せです。敵がきて倒すまでに終始した、踏み込むことはあえて避けているような作りです。
映画のトリはお祭りだ、といった感じです。
ただヒロインを演じる榊原郁恵は出てこないことに、残念と感じる方は多いかもしれません。
個人的には、ヒロインとされる登場人物が追加されて欲しいかな、と正直に告白しておきます。
ゼンカイジャーに至っては、追加戦士もどうなるのだろう?なんて考えることも楽しいことです。
2021年度、最初に観た映画の感想でした。