魔進戦隊キラメイジャー【ネタバレ感想】エピソード44「友よ、静かに眠れ」
以下、ネタバレありです、独自解釈による偏見の酷いものとなっております(笑)どうか、ご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
悲劇のヒロイン
ヨドンナ役の、当ブログでは「なしこ、なしこ」と呼び捨てですが、正式名称は桃月 なしこ(ももつき なしこ)。
2020年度の特撮ヒロインとして、最も躍進を見せた女優さんであります。
柿原さんであり、ここでは瑞希と呼ぶ西葉瑞希(さいば みずき)と共にです。
2人を選んだら「最も」という言葉が当てはまらないし、ただの個人的趣味じゃないか、と言われそうですが、そうです。
最終回を前にしましたから、正直に申します。
やはり『魔進戦隊キラメイジャー』においてです。
ヨドンナと瑞希であり、別枠で(笑)姫ことシーナちゃん(マブシーナのこと)が、自分にとってのヒロインです。
小夜さんと瀬名お嬢には悪いと思いつつ、キラメイジャーについて教えてくれという友人には、上記の3人をヒロインとして紹介したい。
ペチャット化でゾンビ演技の瑞希が一瞬の登場にも関わらず、目がいきます。
今日も健気な姫しているシーナちゃんには、地球人には越えられないルックスに自分の不明を恥じます(笑)。
そして、なしこもといヨドンナです。
ガルザの消滅に気をかけた素振りを見せます。
無論ヨドンナのクールな性格から、割り切りが早いです。ヨドン皇帝に気を留めてもらえればいい、といった具合です。
冷たき美しさが、魅力のヨドンナ。むしろガルザのことを気にかけたこと自体、特別だったのかもしれません。
けれども為くんが立案した作戦は、圧倒的すぎるヨドン皇帝を討つためヨドンナだった過去の状態へ戻す。
この作戦が功を奏しそうになったため、ヨドン皇帝はヨドンナ抹殺という手段に出ます。
思いもかけなかったという感じで、凶刃に倒れるヨドンナです。
悔しさからなのか、悲しみからなのか。
涙をこぼす寸前にあるヨドンナの表情が哀れでなりません。
この女性幹部は、根っからの悪というより、純粋に慕っていたゆえの行動でありました。
実務レベルでは優秀だが、肝心の従う人物を見誤ってしまった悲しさです。見る目がない、とすれば簡単ですが、とても難しいことです。
為くんに「笑い」という行為の存在を教えられました。
裏切られ死にゆく際に、ヨドン皇帝がここは笑うところだと投げつてきます。
しかも抹殺される契機は、為くんの作戦からでありました。
消えゆくヨドンナには報せられない因縁深さです。
ヨドンナの最期は、かなりハードな終わり方だったです。
ところで個人的な話しになりますが、なしこを知ったのは『GARO –VERSUS ROAD-』です。
ここでなしこが演じたのは、感情を一切排した役柄です。
キラメイジャーにおいても、職務に忠実なクールビューティーです。
なので、消えゆく最後に見せた「感情露わ」とする演技は、初めて見た感じです。
悲しい気持ちが伝わってくる、とても良いシーンでした。
桃月なしこが、これから女優として活躍できることを祈らずにはいられません。
愛しの悪人たち
ガルザの最期が、はっきり描かれた今回でした。
才能豊かな画才は、充瑠と繋がるところが大いにあります。
今となってですが、クリエイター気質のクランチュラと気が合ったのも納得です。
ヨドン皇帝に目を付けられなければ、といった、まさしく不運な人生でした。
充瑠を助けただけでなく、後を託すとする想いが泣けます。
今度、生まれ変わる時は仲の良い兄弟でいたい、といった言葉には・・・う〜ん、どうだろう?(笑)
セリフはいいんです、ガルザ自体に疑問を呈しているわけではありません。
仲良くありたかったとする父ちゃん(オラディン王のこと)について、考えればです。
父ちゃんって、わはは系なので、細かい事柄には気を留めません。能力はもの凄く高い人にありがちな、マイペース型です。
実際、義理の息子と実の娘にいらぬ心配をかけるが得意です。
ガルザの行動に不審は抱いていたでしょう。しかしながら「仲が悪かった」まで考えていたか、甚だ疑問であります。
クリスタリア滅亡のきっかけとなった裏切りを明確に突きつけられるまで、普段のままと捉えていた節があります。
王といった職務のせいで、気が回らなかったとしていいものか。もう少し周囲に対する気遣いがあれば、と少々非難めいた指摘をしてしまいます。
今回ばかりは、ガルザを惜しんで庇ってあげたい。
ただ父ちゃんの最大の魅力は、わはは系にあります。その性格だから、穏やかな治世となったのでしょう。
やらない者が行動する者を非難する、という有名な歌もあります。
父ちゃんも頑張っていた。
ただ忍び寄る悪意ほど手に負えないものはない。
悲劇なクリタリア王家の兄弟でした。
ただ、このガルザ。
ヨドン地球侵攻軍の幹部として、血も涙もない情け容赦なしなタイプでした。
味方であろうが、自分の邪魔をするヤツは抹殺です。
ロボット恐竜型怪獣というたまらないデザインのスモッグジョーキーが、邪面獣を倒すシーンには心躍りました。
今だから告白できることに、キラメイのマシンではなく、毎回スモッグジョーキーで倒せばいいのに、と思っていたくらいです。
キングエクスプレスなんて、ジャマだ!な心境にありました。
そして今だから思えば容赦のないガルザは、結果的にです。
地球を守っていた!!!と言えます。
地球侵攻の戦力を削り取っていたのが、ガルザの行為です。
戦意喪失ならともかく、まだまだやれる巨大獣をやっつけてしまうなど、どう考えても敵に利する行為です。
敵に利する行為とは、キラメイジャーや伴にあるクリタリア人にとって助けへなっているということです。
ガルザは受ける印象ほど、地球侵攻の行動は激しくなかった気がします。
また同僚というべき、クランチュラの性格も大きかったです。
ガルザが横暴ばかりでなかったのは、実は穏やかなクランチュラに助けられていたように思えます。
敵ながら、最も愛せそうな性格のクランチュラです。
関係性を円滑にさせる人柄は、目立ちませんが集団の中で最も望まれる性格です。
とはいえ、何事もなぁなぁで済ませるわけでもなく、時には自分の地位や立場を失っても信じることを貫き通します。
惚けた普段も、いざという時にはやることをやる。状況に応じて立ち回っているようでも、ここぞという場面では我が身の危険を顧みず行動を起こす。
クランチュラは、最も尊敬したいキャラとなりました。
だからガルザが野望ゆえとしていましたが、信頼もあったからこそクランチュラを助けたのでしょう。
そしてヨドン皇帝を倒す鍵となるは、やはりこの人=怪人しかいない、と思わせるほど絶大な信頼を寄せて然るべき現在のクランチュラであります。
それにしても姫(シーナちゃんのこと)といい、宇宙規模で世界が広がると、見た目における判断がどれほど難しいか、思い知らされます(笑)。
【次回】「君たちがいて輝いた」
ついに次回は、最終回です。
エピソードFINAL「君たちがいて輝いた」です。
気になる点は、最終決戦よりその後へ向いてます。
充瑠と瑞希のお約束はもちろんのこと、宝路は秋保とどうなのか?といった恋路に対する下世話な興味を持つは当然であります(笑)。
けれども本当に注目は、ヨドン側。
皇帝亡き後は、どんな感じになるのか。
ヨドンナは?ガルザは?クランチュラは無事だよね?
気持ちはすっかり悪の3幹部へ移っております。
そして次作『機界戦隊ゼンカイジャー』が決定していることから、取り敢えず『魔進戦隊キラメイジャー』の放送は終わりますが、最期ではない。
そう考えて寂寥感を少し慰めつつ、最終回を待っています。