魔進戦隊キラメイジャー【ネタバレ感想】エピソード43「汚れた英雄」
以下、ネタバレありです、独自解釈による偏見の酷いものとなっております(笑)どうか、ご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
顔に出る
ツラに性格は出る。
自分の友人が、よく口にする言葉です。
容姿の作りではなく、性根が顔を象るようになる、といった感じでしょうか。
やはり悪いヤツの顔は、それ相応になっていくものだ、と。
権威や名声に取り憑かれた連中の顔を見ろ、との後に、上司の例えへ雪崩込みます。つまり勤め人の辛さや、出世したと思ったら中間管理職の悲哀をもろに喰らってしまった苦しみを訴えてくるわけです。
酒の肴としては、サイコーだ!という逸話です(笑)。
けれども全部が全部とまではいかなくても、頷ける部分は多い。
社会的地位や名声を得ることは、他人を蹴落としていく面があります。自分へ利益をもたらす者ばかりを相手にし、切り捨てを前提とした利用関係を構築する者こそが、世間へ出られるほどになるのかもしれません。
悪い顔。それは人それぞれの感じ取り方があるかもしれませんが、確かにあるような気がしています。
もっとも腹の中に収めて善良そうな姿を見せられる方も数多くいらっしゃいます。人間性を覆い隠す術を知っている、もしくは本気で自分の行動が正しいと信じて疑わない。
一見では、むしろ善人に見えるほうが危険な場合もあります。
容姿においた判断は、軽はずみに出来ません。
クランチュラを見ればです。
毒々しい色合いのきみ悪い姿。特に剥き出しみたいな人間っぽい口が、ホラーです。
けれどもここに至って、クランチュラを「バケモノ!」などと、確かにそうではあるものの、罵るように投げつける気など到底なれません。
クリエイターとしての気概は、種族を越えます。まさしく偏見を持たない方なのです。
ただ生きてきたなかで、侵攻部隊の一角に名を連ねただけのようです。
なにせ、あっさり離脱です。
組織の目からすれば、使えないにも程があります。けれども出世など投げた芸術家気質が、充瑠に、それに連なるキラメイジャーの面々に、敵の本拠へ突入できる道を開きました。
創作以外のことに我れ関せずのクランチュラは、登場人物のなかで充瑠と並ぶ正直者であったように感じます。
とっつきやすい良いヤツでした。
身近にいたら、その異様な容姿を受け入れられれば、1番に仲間にしたいヤツでありました。
あと残り2話で、登場があるのか。あったら、どんな風になのか。変に気になります(笑)。
顔といえば、ガルザへの指摘も外せません。
ヨドン皇帝に反旗を翻し、その座に収まった姿は「ロードガルザ」カッコいいです。
鬼将軍とする、普段の幹部姿も素敵です。
だからでしょうか。
ロードガルザの姿が解けた時に、鬼将軍の仮面を脱いだ時、あまりに凡庸な顔立ちと映ります。
ただの「おっさん」じゃねーか、となります。
以前ならギャップに、ど突くところでした。
ただ過去が判明すれば、ガルザの顔つきもです。
気質や才能は、兄の父ちゃん(オラディン王のこと)だけでなく、充瑠に、そして強いてはクランチュラに通じます。
ガルザもまた、真摯に絵へ取り組む芸術家であったのです。
不幸だったのは、ヨドン皇帝に目を付けられ、憎悪感情を増幅されてしまったこと。
そして兄が、わっっはっはーな気質なため異変に気づいてもらえなかったこと。
確かに父ちゃん(オラディン王です)は、とんでもないマイペースぶりが大きな魅力ではあるものの、弟の尋常でない変貌ぶりを気にかけられていたらクリスタリアの滅亡もなかったのでは、と思わずにいられません。
けれども国の頂点に立つ者なれば、気づけないこともあるかもしれない。
それに今回、巨大怪物ハスラの食べられそうになったものの、バカ力で口に止まる身体能力です。常日頃から鍛えているのかもしれない、怪力です。
父ちゃん(オラディン王)は、最高位にありながらも、その気質は肉体派に根ざしていたのかもしれません。
画才は、血筋として伴っただけの能力な可能性もあります。
純粋な画才は、もしかしてガルザの方にあったかもしれない。
だからこそ、充瑠が強い共鳴を感じたのではないか。
仮面の下にある素顔が、ガルザが本来非道から遠いことを物語っています。
結局は、クランチュラを助ける格好となり、なしこもといヨドンナを始末することもなかったガルザ。
顔つきが、ただの人の良いおっちゃんなのも納得です。
【最終回直前】友よ、静かに眠れ
クランチュラはヨドンヘイムの何処かへ姿を眩まし、ガルザは散ってしまいました。
そしてキラメイレッドとして充瑠が大活躍した回でありますが、最後は安否が不明となってしまいました。
自らの罪を認めて自暴自棄気味のガルザを説得できるキャラは、やはり充瑠しかいません。
絵を描くという好きなことに熱中しすぎるゆえに、ヘタレっぽくなってしまった充瑠は、歴代の中でも好きなレッドでした。
だから、もうちょっと活躍させてあげたかったかな、と思うこと、しばしばです。
父ちゃん(王様)を助けるためヨドンヘイムへ乗り込むという、いくらキラメイジャーとは言え危険に満ちてます。現にメンバーは尻込みする気配を漂わせます。
ここで鼓舞する充瑠に、リーダーとなった姿を見ます。
メンバーの中で、ただ1人だけ冴えない感じの位置にいた充瑠が説得するのです。
しかも説得の仕方がいい。
瑞希(柿原さんのこと)と遊園地へ行く約束をしているから、とチケットを見せての説得です。
いつもの明るい声でほのぼのとした理由を語る姿に、キラメイメンバーの表情が緩みます。
悲壮感を、一気に身近な話題へ落とし込んでリラックスさせます。
充瑠の内心において本当のところは、元気な口調ほどではないかもしれません。
ガルザの幼き姿から得た通じ合えるという希望的確信と、瑞希を救い出さなければならないとする気持ちが、他のメンバーより高い気概を生んでいたような気がします。
地球がどうこうという大きな使命感よりも、好きな娘のために何が何でもといった理由が、突き動かす力になった!
そういうわけで、やはりヒロインは柿原瑞希で決まり!ということを、改めて言いたかっただけかもしれません(笑)。
そういえばヒロインの座は、シーナちゃん(マブシーナのこと)なんて時期もありました。
悪どいことから無縁な育ちの良さがそのまま人柄になったようなシーナちゃんの容姿です。
ただ、やはり石人間としての美醜が地球人には越えられなかった。
残念ながら人間性を問う顔つきの良さはまた別な「男女関係」であります。
善い人だから惚れられるわけではない!その悲哀はたっぷり味わってきた個人的経験から(笑えない)、ここは恨みをぶつけるようにシーナちゃんをヒロインの座から突き落とすわけであります(笑)。
次回は、エピソード44「友よ、静かに眠れ」。
最終回より、最終回直前の回が泣けたりすることが、けっこうあります。『魔進戦隊キラメイジャー』という作品は、どういった感じになるか。
レッドがほとんど不在でありそうな感じでも、心待ちであります。