魔進戦隊キラメイジャー【ネタバレ感想】エピソード40「痛む人」
以下、ネタバレありです、独自解釈による偏見の酷いものとなっております(笑)どうか、ご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
いいところ、さらってます
クランチュラも大変です。
今回は、前回に奪った「カナエマストーン・イリュージョア」これを利用して、人間を邪面獣へ変える恐るべき計略を立てます。実行まで担います。
やっていることは、ろくでもありません。
しかしながら敵味方という視点や人間を傷つけるといった道徳観点を抜きに考えるとです。
クランチュラの仕事ぶりは、あっぱれ!ではないか。
得たものを的確に分析し、そこから導き出された結果を元に利用して、最善策を練る。相手の状況を把握したうえで、弱点となりそうな部分を突く要素を入れ、実行に必要な選定は確実を期します。
目的が悪いだけの話しであって、実務能力としては素晴らしい。
しかもクランチュラが気の毒なのが、いっつも文句を言われていることです。
確かになしこもといヨドンナは、皇帝の一人格。ふんぞり返っていても仕方がない、と思います。
しかし実践の場へ出てくるならば、もう少し考えて欲しい気はします。口を出すだけで現場が見えない上役など、面倒なものはありません。
ガルザも疑義を呈すばかりです。
カッコいい仮面も脱げば、おっさん顔の石人間は思い付きみたいな作戦ばっかりです。アイディア頼りな面が否めません。
しかもクランチュラより提案の数は劣ります。
ビジネスにおける有効な1つのやり方である「PDCA」計画して実行し、チェックをして次へ活かせるよう検討する。
これに近いことをしているのは、クランチュラだけのような気がしてなりません。
そして同情を寄せずにいられないのは、きちんと立案している者ほど文句を言われる、行動する者ほど叩かれる。
けれども自分のポジションを理解してか、緊張感が走りやすい場所において緩衝材の役目も引き受けている。
もしかして、クランチュラ。悪いことをしないヤツだったら、尊敬に値すべき人物なのではないか!
そう、少なくとも仕事仲間とするならば、クランチュラが良い!
けれども実際は、人のやることにいちいちケチを付けるくせに、後始末は平気で押し付ける、非情な性格のガルザに近い者たちばかりがはびこる現世です。
しかも不首尾に終わり破壊されそうになった、大事な「カナエマストーン・イリュージョア」を回収したのは、ヨドンナです。
これで重要なアイテムを守ったとして、ヨドンナの功績は上がります。
いいところをさらっていきました。
そしてクランチュラに残ったのは、今回も「失敗」の二文字だけ。貧乏くじを引く中間管理職のようであれば、敵ながら同情を寄せずにはいられません。
充瑠の将来
クライマックスが近づくと、個人的な贔屓で、もっと充瑠の活躍が見たかった気になります。
正直真っ道ながら、どこかヲタ気質を秘めているせいか、思わぬ方向から説得できるだけの意見が述べてくる。
いるようでいなかったレッド像が見られるのではないか、もうガンガン来い、とする期待が大きすぎたかもしれません。
けれども見たかった充瑠は、瑞希とのエピソードで集約されています。『あぶないペア』の回にこだわるのは、単に出来が良かっただけではなく、これぞ充瑠の感性!が大きくフィーチャーされていたからなのです。
充瑠は、他のキラメイ・メンバーより伸びしろがあります。裏を返せば、まだ何も掴んでいない、得意とするものが現実へ繋がる可能性が最も遠い立場に位置しています。
絵を描いていたい。けれども今後の生活へ繋がる目処は、他のメンバーと比べれば、未知数もいいところ。むしろ希望を叶えられないただ1人になるかもしれない。
充瑠が出会った今回のゲストに当たる人物は、絵が上手く、描いた漫画も凄くて、ゲームだって良い腕も持っている。だいぶ年上でも、すっかり打ち解けられるほど気が合います。
けれども充瑠が憧れさえ含んで見た相手は、いい歳ながら引きこもりだった真実。しかも応募作が誹謗中傷を受けたことで、あろうことか敵の狙いである邪面獣化までしてしまう。
キラメイジャーの活躍で事なきへ収まったものの、後日、当の相手を訪ねれば、更地になっている。
家ごと消されていたことが、消失感を際立たせます。
それでも充瑠は見つけたポスターに、漫画家としてデビューしたと確信します。けれど確実な事実として提示までさせなかったところに、ストーリーの上手さを感じます。
今回の中年になっても家に引きこもるばかりの姿は、ある意味において充瑠が辿るかもしれない道です。
絵を描く事が好きな高校生男子ならば、他人事ではない未来の1つです。
けれども充瑠が憧れさえ抱いた中年は、引きこもりながらも絵は描き続けました。誹謗中傷を受けての落選に、事件まで巻き込まれて、姿を消すにまで至ります。
それでも失意のなかで環境を変える行動を起こし、絵を描くという肝心ことは「変えなかった」姿は、今後の充瑠へ大きな示唆を与えたでしょう。
充瑠をフィーチャーするに相応しい今回のエピソードでした。
【次回】ありのままでいたい
今回のハリガネ邪面は、誰にでも化られる能力を持っています。
キラメイジャーのメンバー間において、誰かに化けて紛れ込んでいるんじゃないか、となるのは当然であります。
それを見破る方法が、くすぐり・・・なんて、かわいい方法だと思ったのも束の間です。
もうくすぐりの対象が宝路の時は笑えたけれど、小夜さんに向かうと大人の男性には刺激的シチュエーションとなります。
すっかり汚れた視聴者であることを自覚させられます(笑)。
ちなみに姫、我らのシーナちゃん(マブシーナのこと)も、地球人と同じくすぐりポイントを持つようです。
でもそれを知ったからといって、くすぐられるシーナちゃんに何かを感じることはないです。やっぱり自分はクリスタリア人とは違う地球人の感性を改めて認識し直すのです(笑)。
次回は、エピソード41「ありのままでいたい」。
どうやら苦闘の中間管理職クランチュラが、いつも以上に奮闘するエピソードになりそうであれば、今度こそ最後か、と身構えております。