仮面ライダーセイバー【ネタバレ感想】第15章「覚悟を超えた、その先に。」#『劇場短編 不死鳥の剣士と破滅の本』も含めてます
以下、ネタバレありの感想となります。独自解釈による偏見もございます。どうか、ご了承のほどを宜しくお願い致します。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
キャスト
◇仮面ライダーセイバー:神山 飛羽真(かみやま とうま)
◇須藤 芽依(すどう めい)
◇仮面ライダーブレイズ:新堂 倫太郎(しんどう りんたろう)
◇仮面ライダーバスター:尾上 亮(おがみ りょう)
◇仮面ライダーエスパーダ:富加宮 賢人(ふかみや けんと)
◇仮面ライダー剣斬:緋道 蓮(あかみち れん)*令和の蓮場合あり
◇仮面ライダースラッシュ:大秦寺 哲雄(だいしんじ てつお)
◇謎の男→仮面ライダー最光:ユーリ
◆元謎の衛兵改めマスターロゴス
◆仮面ライダーサーベラ:神代玲花
◆仮面ライダーデュランダル:神代凌牙(しんだい・りょうが)
□タッセル
□仮面ライダーカリバー&先代炎の剣士上條大地
●ストリウス
●レジエル
●ズオス
上條を惜しむ
へんんしん!と、低く気が入った上條の声に痺れておりました。
なぜして上條がツボに入っていたのか。
なにせ『ウルトラマンZ』最終回に、『劇場版 仮面ライダー ゼロワンREAL×TIME』の或人とイズに感情ほとばしるままなブログが続いております。
ここらで少し冷静になって、というより盛り上がりすぎて疲れた(笑)。コーヒーはブラックでしか飲まなくなるほど大人?になれば、体力など続きません。
砂糖を入れなければコーヒーなんぞ飲めなかった頃ならば、特段ハマることはなかったであろう上條です。
容姿は、カッコいいではありません。
無骨な、どちらかといえば怖そうな感じです。主役で輝くというより、脇で渋く光るが似合います。
年齢を重ねたことと、感性が歪んだことで、本道から外れた部分へ目がいくようになっております。
他人とは違うところへ目を付けるんだ、でも気持ちを一緒にする人は多い方が嬉しいんだ、とするヲタ特有のふやけ方をしっかり持っています(笑)。
仮面ライダーではあるけれど、カリバーという悪役に相応しい面構えが上條でした。
プロレスを見れば、ヒール側ばかりに目がいくようにもなっています。
プロレスに限らなくなってきたような気もします。
舞台の良し悪しは悪役にあり、と考えたりもします。
ヒールとして連れてきた役者としては、見た目も演技も相応しい。いいキャスティングではないか。
けれども、おかげで賢人の父であり、当初においては仮面ライダーカリバーの正体と思われていた富加宮隼人を演じる唐橋充の出番がなくなってしまいました。
唐橋充が「変身!」するところを見たいとする想いが叶えられそうもなく残念に感じておりました。
今回、叶えられました。
少々拍子抜けするほど、あっさり感が無きにしもあらずです。
きっとそれは唐橋充がオルフェノクへ「変身」とした声と変わらずに感じたせいかもしれません。『仮面ライダー555』から持つ独特の雰囲気は時代を経ても変わらない。
心待ちにするまでもなく、もう叶えられていたことであり、変身後が仮面ライダーかどうかだけの話しだったようです。
変身という形態は異形の者を為す、当たり前ながら普段はあまりに自然と受け入れすぎていることを再認識させられます。
唐橋充を引っ張ってきてくれたおかげで、個人的に確認できることがあり良かったです。
そしてかつて仲間であり、親友であった上條と隼人。
現在は行方不明のソフィアを囲んで、3人で並ぶ写真を上條が胸元から取り出します。
上條が肌身離さず持っていた3人の写真。
ここでヒール役が一転します。続く回想で、かつて炎の剣士=セイバーであった頃ときます。
世界と友を救うため、というセリフはまさしくヒーローそのものです。
けれども上條は、ここまで歩んできた道が平坦ではない。
親友に裏切られただけでも、きつい。
けれども裏切られたからといって、自らの手をくださなければならなかったなど残酷な運命であります。
そして、浮かんでくる本当の味方とは誰か?とする疑念。
これまでの自分と世界へ真実を求めることが、上條なりの贖罪であったかもしれない。
こう考えていくと、上條は本当に賢人を倒したのか?
さっさと真実を話してしまえば、むしろ立場上としては賢人は楽になった気がします。
どこか親友を貶めたくない気持ちが働いて、話さなければならない事態が訪れるまでは、あえて自ら述べる気にはなれなかったか。
上條の心境は、決して一通りでは捉えられません。
結局、飛羽真との激闘は、先代が後継者を鍛えると同様な意味を持ちました。
他の剣士と違い、師を持たず剣士になった飛羽真にとって、これ以上にない鍛錬となりました。
技量だけでなく精神的にも師匠越えを果たして見せたのは、かつて自分が命懸けで守った少年。
上條は道半ばで倒れることとなりましたが、心残りなく終えられたように思います。
地面に落ちた上條の写真を拾い上げるが、後を託した飛羽真であるところが想いまで拾った感じがします。
炎の剣士の師弟エピソードは、本当に良かったです。
【次回】世界を救う、一筋の光。
ひっくり返してくるか
上條話しの続きになりますが、結局は味方は誰なのか?
突き詰めていけば、正義はどこにあるのか?
信じて所属していた「ソードオブロゴス」番組当初から「組織」とする表現は「悪」を思わせる響きも感じていました。
これはここで書いている者が昔からの特撮ヲタゆえに感じてしまうだけで、現代なら組織を悪に連想するなんて古い感覚のせいと流しておりました。
もしかして、初めから悪とまでいかなくても怪しげなニュアンスを含ませて言わせているセリフがあったら?
凄い、となります。
その可能性はあり得ます。
仲間仲間と連呼していたことが、次回の予告を観る限りでは引っ張るだけ引っ張る伏線みたいになっています。
本当のところはどこにあるか、不明な点はこれから増えていくかもしれません。
そうした中で飛羽真と賢人、そして倫太郎の3人が剣を合わせて誓った友情が、これから重きを為すようになるのかもしれません。
劇場版を踏まえれば
『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』は短編ゆえの真っ直ぐな内容と、凝った映像演出が際立っておりました。
ゼロワン目当てですから鑑賞前は、失礼な言い方をすれば、出来どうこうは気にも止めていなかったです。
けれども実際に観たら、タイトな時間なりの精一杯の創りが窺えます。好編です。期待していなかった分だけ、得した気分になる完成度でした。
劇場版に出てきた敵は、不死の剣士ハバトが変身する仮面ライダーファルシオン。
『仮面ライダーアマゾンズ』で見せた凄惨さが、描写がなくても存在感だけで滲ませられる谷口 賢志です。悪いはずがありません。
また来るぞー、といった最後?なので、本放送にも出番があるかもしれません。楽しみにしたいところです。
ゲストの少年が勇気を出せるようになるストーリーと、バトルアクションが埋め尽くしています。
短い尺という都合もあり単純明快と言える展開の一方で、本編に繋がる謎は残されます。
世界の終わりは決まっている。
ファルシオンが残した謎の言葉を知って、今回の第15章を観るとまた感慨が違います。
本当の意味では裏切っていなかった上條。
賢人の父である隼人もまた、真実の意味では裏切っていなかった可能性も大きくなってきています。
世界を守る、しかしそこへ至る道のりで犠牲が強いられるかもしれない。その覚悟を飛羽真へ、上條は残しています。
なにが、正しいのか。真実を見極めるまでの困難が盛り上げてくれそうだ、と視聴者は楽しみにするわけです(笑)。
サイコウらしい
傷ついた倫太郎の身体を支える芽依です。
やはりこの2人はいい感じにしていくのか、と思いきや、飛羽真が本の世界から戻ってくる瞬間に、あっさり放っておかれます。
マイペースな芽依の性格ゆえか。
それとも倫太郎のキャラ性ゆえか。
けれどもハードな展開で、ちょい笑いを誘ってくれるはここしかない!といった場面です。
倫太郎は、最高のキャラへ至れるのか。
そこへ飛び込んでくる次回の第16章「世界を救う、一筋の光。」で登場する、新ライダーの情報が!
謎の男が仮面ライダーとなって動きだす。
その男の名は、光の剣士ことユウリ。
仮面ライダーの名称は、最光(さいこう)。
シャレが効き過ぎて、上手いと思いつつも、ちょっと笑ってしまったネーミングです。
さいこう!なんて良い響き。
こんなノンビリした気持ちも現在だけかもしれません。
仮面ライダーセイバーの本番は、これからだという期待が高まっています。
仮面ライダー最光が登場してから、サイコーになった!と冗談で言えるくらいの展開を期待しています。