ウルトラマンZ(ゼット)【ネタバレ感想】第22話「それぞれの明日」
以下、ネタバレありです、独自解釈による偏見の酷いものとなっております(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
キャスト
⚪︎ナツカワハルキ/ウルトラマンZ 平野 宏周(ひらの こうしゅう)/畠中 祐(はたなか たすく)
⚪︎ヘビクラショウタ 青柳 尊哉(あおやぎ たかや)
⚪︎ナカシマヨウコ 松田 リマ
⚪︎オオタユカ 黒木 ひかり
⚪︎イナバコジロー*バコさん 橋爪 淳
⚪︎クリヤマ長官 小倉 久寛(おぐら ひさひろ)
⚪︎カブラギシンヤ 野田 理人(のだ りひと)
⚪︎ウルトラマンゼロ 宮野 真守(みやの まもる)
⚪︎朝倉リク/ウルトラマンジード 濱田 龍臣(はまだ たつおみ)
⚪︎ベリアロク 小野 友樹(おの ゆうき)
*青字は声優さん。キャストの振り仮名は、ここで書いている人が一瞬でも読むのに悩んだ俳優さんに振らせていただきました。
それぞれの明日
バロッサと、バコさん
第20話「想い、その先に」は、バコさんと生化学者になった実娘の微妙な間柄が窺い知れる好編でした。
ウルトラマンZで好編ではない回を探すほうが難しいくらいですが、ともかく良いエピソードでした。
これによって、バコさんのお役目は、ほほ御免。ほんのちょっぴり脇を締めるくらいだろう。だからバコさんとして抜擢される契機となった映画『ゴジラVSスペースゴジラ』における若き日の活躍ついて、ブログにしました。
日付にして昨日、ではなく一昨日に仕上げた記事であります。第20話の翌週ではなく、翌々週にアップという事実が当ブログの緩さを感じさせます(笑)。
バコさんが新城の名でロマンスもある主役を張ってから、早26年が経ちました。
今やすっかり整備服が似合うリーダーとして、皆を導く役柄でひっそり終えていく。だから、バコさんを初めて知った作品をウルトラマンZでほぼ主役状態だった第20話の際に、急いで紹介しよう!と思った次第です。
結局は翌々週とした不徳を身に包みつつ、これでバコさんの活躍をだいたい?書いたぞ!くらいの気持ちでおりました。
ところがバコさん、今回もまたイイ役どころではありませんか。

バコさん、広報部でピエロ役をやっております。
ストレイジ解散によって、次の辞令を待つ間にお茶目な格好してます。上記のカットでは分かり難いと思いますが、そこは観てください(笑)。
代わりに、ユカであります。

バンダイさんは、玩具メーカーですよね!
ユカの被り物にされているセブンガーは商品化するべきだと思います。
ただ、この「被り物セブンガー」は、おっさんからすれば忘年会の出し物にでもしなければ使用する機会がありません。しかも今年はコロナ禍によって、多人数揃う酒席は自粛ときています。
ですから代わりに、ユカの後方で旗めく「のぼり」の商品化を検討していただきたい。
「ありがとう、セブンガー。」の文字が、そのまま自分の気持ちを表しています。壁に飾れたら、生涯に渡ってセブンガーへ感謝する気持ちを忘れないでしょう。
もしくは、のぼりに書いてある通りに「セブンガー展示祭」を、実際に開催していただいても構わない。
昨日というか一昨日の記事で、Mobile Operation Godzilla Expert Robot Aero-type 通称モゲラとセブンガーは合わせ鏡のように対で愛すべきキャラクターと宣言した手前、やっていただけたら必ず行きます。余程コロナのような他人に移したらやばい状況にでもならない限り「雨天決行」だそうなので、土砂降りでも行きます。
それで、のぼりに明記された「入場無料」だと有り難いです。けれど多少の有料は受け入れます。
やんないかなぁ〜「セブンガー展示会」案内役の女性に限らず、スタッフ男性も含めて、セブンガーの被り物をしていたら、盛り上がってしょうがなくなりそうです。
妄想はさておき、こんな楽しそうな展示会で、まったりしているハルキを含めた4人の元へ、いきなり登場する宇宙人は敵であります。

ウルトラマンZといえば、この方!となりそうなほど登場を重ねるバロッサ星人。
兄と弟の仇を討つ、としてやってきた3回目の登場となったバロッサ星人は「三代目ではない」と自己申告しておりますが、表記は堂々の「三代目」本人の意向は無視であります。
今回も当然ながら倒されるわけで、残りは9,997匹となりました。まだまだ登場できる設定となっていますが、ウルトラマンZが次回を含めて3回しかありません。
つまり後のニュージェネ新作で出演し続けられる可能性を秘めているということです。
壮大な設定に助けられて、ずっと出番がある資格を得た星人とも言えます。
ただ本人は否定しようとも、便宜上呼ぶしかない三代目。
最初に登場の兄は不気味さを兼ね備え、弟とする2回目は圧倒的に押す展開も見せました。2匹とも強敵と呼ぶに相応しかったです。
ところが、この三代目。バコさんの伸され役を背負わされたばかりでなく、セブンガーの引き立て役で終わります。

確かにストレイジのエースパイロット「ヨウコ」の腕と機転が冴えていたとはいえ、博物館行きとなっていたプロトタイプというべき一号機にやられて大爆発!
たぶんシリーズ最後のセブンガー大活躍を見せる回とはいえ、引き立て役が板に付きすぎではないか。
今後、ずっと登場できる設定を与えられたバロッサ星人ですが、出て来てもなんだか碌な目に遭わなそう〜、と思うは杞憂だろうか。
初めの頃は強かったんだよ〜、といったキャラへ落ちるのか、バロッサ星人。でも個人的にはそれはそれで構わないです。むしろ落ちぶれキャラになって欲しいような気がしないでもありません。
まだ「9,997匹」も残っていれば、出てくるための役どころは、誰かを引き立てるヤラレ役しかない。
その先鞭を付けたのが今回だったとなれば、それはそれで思い出深いものがあります。
バロッサ星人、長い付き合いになるかもしれなければ、今後は笑える悲惨さを見せてつけてくれれば、と願わずにはいられません(笑)。
真面目に悲しいのは、バコさんです。
育てた整備士の中には、子供が生まれたばかりの者がいます。生活のために新たな環境へ身を投じるしかなくなります。
それはバコさんをお払い箱としても、別段構わないとする扱いに見えます。
特空機と呼ばれるロボットたちを見上げるバコさん。去りゆくその背中に、後は頼むと言い残しておりましたが、ここぞ!という時に出番がやってくる、と信じて待ち構えたいです。
ウルトラシリーズのテーマ
情報は得ていたものの、初めて見せた姿は撮影の上手さを相まってインパクトがあります。

ここに来て新たな特空機が登場です。
第4号は「ウルトロイドゼロ」の呼称からして、モデルを遂にウルトラマンにまで求めるか、といったところまで来ました。
しかも異次元兵器「D4」制御のため、ウルトラマンZのゼスティウム光線のデータを欲しがるさまには、暴走の気配が漂っています。
今ひとつ何を意図しているか不明なヘビクラ隊長ことジャグラーさんの助けによって、データを得ることに成功します。
放たれたゼスティウム光線を、特空機3号キングジョー ストレイジカスタムに受けた際に、搭乗員の生命の心配よりもデータという行動を取る地球防衛軍です。
防衛の名の下に、なにをしても許されるのか?という命題は、ウルトラシリーズ第1作から扱われるテーマです。
片側からの正義は、単なる殺戮にすぎないことがある。
ウルトラシリーズが大人になっても耐え得るエピソードは、答えがない問題を扱うところにあります。
ただ敵がいて、倒すことだけではない。倒さなければいけないけれど、倒すことだけしか考えない思考を止めた行為ほど危険なものはない。
時にはウルトラマンの存在すら揺るがすほどのテーマを内包するシリーズです。
ウルトラマンZは、最終回から逆算で練られていったストーリーでもあります。
第1回に登場した怪獣ゲネガークに紛れて飛来した寄生生物セレブロに踊らされた結果とはいえ、ウルトラマンを模したロボットに有りとあらゆる破壊データを詰め込んで製作したのは、紛れもなく人類。
ほんの僅かな作用で、滅びをもたらす兵器を作ってしまえるところは、誰かのせいに出来ても愚かであることには変わりはない。
「見返してやれよ。エラソーな能書きだけで、人の生き方を否定してくる奴らをな」
底知れないジャグラーさんがヘビクラ隊長として、これまでを否定されたようで悔しいとするハルキへ送った言葉です。
現代においてこそ突き刺さるセリフが、今後どれほど意味のあるものへなっていくか。ヒリヒリするような展開が待ち受けている、そう思います。
【次回】悪夢へのプレリュード
最終回直前に、坂本浩一を持ってくるなんて、贅沢としか言えない布陣です。
個人的暴論を述べさせていただければ、現在坂本浩一が最も真価を発揮するのはウルトラシリーズである!
もちろん今後において、最も真価を発揮するのは仮面ライダーシリーズである、という可能性は充分にあることをご承知ください(笑)。
ミニチュアワークも見事にやる一方で、合成撮影が主の配信用『ウルトラギャラクシーファイト』もやりきる衰え知らずの監督であります。
それにしても、今回のミニチュアワークですが・・・。

こうした屋内からのカット割り。田口だけでなく、辻本に武居もやってなかったっけ?といった気がします。後半を担当した監督たちは、まるで示し合わせたかのような同じようなカットで撮っています。
もしかして上記のうち1人はやっていないかも・・・まぁ、いいや(笑)。
なんにしろシチュエーションと変えて同じカット割りにしよう、といった遊び心であったならば、むしろ当作品に凄みを感じてしまいます。
上記に比べれば、「坂本急送」の看板などかわいい限りです。

次回は、第23話『悪夢へのプレリュード』脚本は、当作品を残してくれた吹原 幸太(ふきはら こうた)ここから最終回まで担当していることは間違いないと思われます。
最終エピソードは、3部作といった形でしょう。
タイトル通り前奏曲(プレリュード)を奏でるは、坂本浩一。それを受け継ぎ最終楽章を響かせるは、田口清隆です。
少々キザな喩えとなってしまいましたが、それでも「名曲が奏でられる」と、てらいなく表明できます。
次回放送が、待ち遠しくて仕方がありません。