ウルトラマンZ(ゼット)【ネタバレ感想】第20話「想い、その先に」

以下、ネタバレありです、回を重ねるごとに独自解釈による偏見も酷くなっております(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

キャスト

⚪︎ナツカワハルキ/ウルトラマンZ 平野 宏周(ひらの こうしゅう)/畠中 祐(はたなか たすく)
⚪︎ヘビクラショウタ 青柳 尊哉(あおやぎ たかや)
⚪︎ナカシマヨウコ 松田 リマ
⚪︎オオタユカ 黒木 ひかり
⚪︎イナバコジロー*バコさん 橋爪 淳
⚪︎クリヤマ長官 小倉 久寛(おぐら ひさひろ)
⚪︎カブラギシンヤ 野田 理人(のだ りひと)
⚪︎ウルトラマンゼロ 宮野 真守(みやの まもる)
⚪︎朝倉リク/ウルトラマンジード 濱田 龍臣(はまだ たつおみ)
⚪︎ベリアロク 小野 友樹(おの ゆうき)
青字声優さん。キャストの振り仮名は、ここで書いている人が一瞬でも読むのに悩んだ俳優さんに振らせていただきました。

想い、その先に

違い

ウルトラマンZのメイン監督であり、ニュージェネの立役者である田口清隆が『魔進戦隊キラメイジャー』の演出担当をしたという話しを知ってから、東映と円谷の違いを意識するようになった気がします。

ヲタですからね〜、本編と関係ない的外れな考察が好きなわけです(笑)

東映円谷の違い、というか東映と他作品との違いに置き換えていいと思う事柄に、現場製作の陣容があります。

東映は、現場製作の人員を抱えている。
他の製作会社は作品ごとに契約していくスタイル。その場限りで集めていく、契約社員といった感じでしょうか。けれど映像作品のクリエイターは、それが当然であります。

東映こそ稀有でありますが、それでも丸抱えには程遠い状況でもあります。むしろ外部の血を取り入れをすることは、田口監督の起用からも窺えます。

現場製作スタッフの流動性は多かれ少なかれといった調子です。

東映円谷の違うところは、他にどんなところにあるか?現代における特撮ヲタの興味が向かうところであります(笑)

『百獣戦隊ガオレンジャー』という2001年度放送のスーパー戦隊があります。現在はネットばかりでなくイベントなどで、当時を振り返る話しが聞けるイイ時代です。イイ時代すぎて、情報を追いきれないという玉に瑕がありますが、それは個人的問題であり、やはりイイ時代であります。

ガオレンジャーのキャストが振り返るで興味深かったのが、もう現在だったら採用されなかっただろう、といったところです。
当作品が、小さな事務所でもキャスティングされる可能性があった最後くらいではなかったか、といった事柄を話しております。

確かに、仮面ライダーで大手事務所の意向は強く感じ取れます。ニチアサ枠で、すでにそうした状況であったとは思っていませんでした。
スーパー戦隊はゼロ年代後半くらいからくらいに思っていたため、実はその当初からもう、がっちり事務所のパワーバランスが来ていたとは!まだまだ認識を改めてくれる事実は多いです。

ただ東映の場合は、プロデューサーの目にかかれば出演可能となりそうです。
監督からの強い要望もあるかもしれません。ただ滅多になさそうです。

円谷の方というか、ニュージェネでは監督が連れてきたということをよく聞きます。ウルトラマンの他に演劇をやっていれば、そこから連れてきた。舞台から平気で引っ張ってこられる監督権限がありそうな気がします。

あくまで東映とだけ比較すれば、現場スタッフの意向が働きやすそうなウルトラマンです。しかし製作現場の条件は東映より悪いんだろうなぁ〜、と邪推していますが、あくまで個人的妄想です。真実も悪意もないことを申し上げさせていただきます(笑)

今回は、ストレイジ整備班リーダーであるダンディなバコさん(イナバコジロー)の家族エピソードです。

ストレイジが誇るマッドな科学者であるユカが憧れるほど凄い生物学者であり、バコさんの娘「イナバ ルリ」がゲストです。
演じる女優さんは、蜂谷 晏海(はちや あみ)もともと芸能人には詳しくない自分なので、まったくこの方を存じ上げておりません。ならば検索しかございません。

けっこう良い年齢(失礼かな)でありますが、これまで目立ったキャリアはなさそうです。CMやドラマに舞台といった感じで、地道にやってきているようです。

今回のルリは、その雰囲気からして、ぴったりな感じがします。
なにか微妙なものを感じずにはいられないバコさんの親子関係。それを描くに当たり、娘役は役者としての力量はなければならなかったです。

今回のルリ役は、とても良いキャスティングがなされました。

武居節

ニュージェネシリーズをここまで振り返った時に、田口清隆坂本浩一がメインを張ってきた感がありますが、そこへ割り込むよう武居正能がメインを務めた時もありました。

なにやら異色作となりつつあるような『ウルトラマンR/B』他のウルトラマンの客演が一切なかった唯一の作品となっています。

今回の演出は、武居がメインを張ったR/B(ルーブ)を思い出させます。
笑いへ飛ばしながら、シリアスは根っこへ張り巡らせておく。

今回の登場怪獣は、愛嬌があると取るか不気味と取るか、人それぞれの感性に委ねられる「M1号」もちろん売る側は愛嬌でいくは当然かと思われます。

ウルトラマンZの放送に合わせたM1号のソフビは、なんてかわいい!

それで、劇中のM1号は、こんな感じです。

『ウルトラマンZ』第20話「想い、その先に」公式配信

やはり人それぞれに委ねられる感じは致します(笑)。リアルホビーならば、万人に受け入れられるかどうかの微妙さは確実に存在するかと思われます。

こいつ(M1号)は、武居演出に打って付けの怪獣かもしれません。
なんともユーモラスな風貌と仕草と取りながらも、人口生命体としてのシュールさで結着した初出時の『ウルトラQ』そこには生命を生み出す行為の危うさと、それを行う人間の傲慢さに対するカリカチュアではないか?

こじらせヲタは、こんなことを考えております(笑)

でもM1号再登場となった『ウルトラマンX』第19話では、同じように感じていたスタッフがいたことを発見する想いでした。嬉しかったです(笑)

そしてウルトラマンZでは、ついに巨大化ときます。
しかも軽快なアクションまで披露してくるから、侮れません。

『ウルトラマンZ』第20話「想い、その先に」公式配信

まさかジャンプして、ウインダムへ両足キックするなど、お宝になりそうなシーンです。まだまだ過去の怪獣も、バリエーションの追求してくれたら楽しそうです。

楽しいと言えば、ヘビクラ隊長。正体が、あのジャグラスジャグラーなんだ、と思いつつ観ると、本当に可笑しい。
もし『ウルトラマンオーブ』は未鑑賞という方がいるならば、ウルトラマンZをさらに楽しく観るために勧めたい。あのジャグラーさんは、すっかり盆栽いじりが板に付き、作戦実行において上からと部下の板挟みになる中間管理職の苦闘を見せてくるなんて、笑うしかないです。

しかも今回は、武居が得意とする悪ノリ(笑)が久々に発揮です。

巨大化したM1号の進行を止める作戦が、
1.バナナだよ!捕獲作戦
2.ラグビーダブルタックル!作戦
3.負けるな!綱引き捕獲作戦
4.叩いて!踊って!ドン作戦

4.の作戦に至っては、上半身裸の漢たち(ストレイジの隊員です)が太鼓を叩きます。

粋なジョークではなく、ややスベり気味とも言えるギャグを公然と放つ!R/Bにおいて、不満を持つ視聴者から格好の攻撃対象になった演出であってもやめたりはしません。
これぞ監督の鑑!としたいです、個人的に(笑)

ただし、この武居監督。感動といいますか、ウェットに富んだストーリー演出は随一だと思っています。製作側もその点は分かっていて起用しているような気がします。

M1号を生み出しただけでなく愛情も注いでいる、生物学者のルリ

3年ぶりに会う娘であるとはいえ、バコさんはスーツにネクタイ姿ときます。気合いまで入れています。待つ姿に緊張感を窺わせます。

いくら久々とはいえ、自分の娘です。
個人的感触としては、バコさん。順調な親子関係ではなかったのではないか、と考えます。

ヨウコバコさんに家族がいたことは知らずにいたのは、普段からとても家族持ちに思えない生活を送っていたせいもあるでしょう。

カナダから3年ぶりに帰ってきて会う一人娘に、バコさんは母親が共にこなかったかを訊く。母はたまには父と娘だけで、といった配慮で来ていません。

ルリと歩きだしたバコさんは、ハンカチで汗を拭うほど。しかも普段からは想像できないほど、緊張の面持ちでありぎこちなく見えます。

どこへ行く?といった話しになれば、ルリからリクエストがくる。
娘の頼みを飲んで向かった先は、ストレイジのロボット格納庫。けれどもせっかくの機会にも関わらず、娘を放ったらかしでバコさんは仕事を始めてしまいます。

きっとバコさんは昔から姿勢を変えていません。娘のルリには、ずっと同じような態度であったと思われます。

けれどもルリは、そんな父親の姿に横へいるハルキたちへ言います。

「今日は、本当に来て良かった」

単純ではない笑顔を浮かべていれば、大人になってようやく分かったといった表情が読み取れます。
きっと、父と娘。誤解や見解の相違などで生じていた複雑な関係性にあったように考えています。

ここにきて、ようやく絡まった父娘の関係性が解消へ向かい出したように思われます。

最後まで明言はされなかったため、個人的な深読みでありますが、なにかあったと思わせる演出で止めるところは、とても子供向けで収まりません。今観た子供が、大きくなった際に見返した時に誇れる演出がなされています。

ストーリーにおいて、まだ冒頭であったためか、つい軽く見てしまいそうです。ここで書いている者もブログのため見返すくせがなければ、軽く流しておりました。

「これ以上、娘を悲しませんるんじゃねー」

巨大化したM1号を元へ戻す薬品を、自ら乗り込んで撃ち込む時に叫ぶバコさんの言葉は、自らにも向けていたのかもしれない。

「やっぱりお父さんは昔から変わらない」「わたしの憧れのひと」「お父さん、ありがとう」

最後にルリから告げられる言葉が、決して世間的に理想とする親子関係ではなかったことを窺わせています。
バコさんが、帽子のつばを抑えてうつむくところが、イイです。

ルリのすぐ後ろにいるM1号が、絵的にとても良いアクセントとなっています。このシーンでは、まさしく愛嬌のM1号であり、かわいいくらいです。

武居監督は、裏にある設定がシリアスであれば、表はコミカルに演出してくることがあります。
今回は、そんな武居節が全開だった気がします。

ウルトラマンはいなくても

親子関係以外に目を向ければ、怪獣細胞を巡っての事件発生でありの、怪獣の口へ向けての薬剤を仕込んだ弾薬を撃ち込むなど。
これはまさしく平成ゴジラのノリが満載です。さすが田口監督と同年代の武居監督といった平成ゴジラ世代を活かすストーリーです。

柔らかく言えば『ゴジラVSビオランテ』をリスペクト度が激しい作品であります(笑)。個人的にはどストライクなので、どんどんやってください!です。

今回は、正直なところウルトラマンはいなくても良い話しでした。
人類側が作戦を立て、実行できるだけの装備があります。
タイトル名にもなっているヒーロー出さないわけにはいかない、という理由で登場できるゼットさんであります(笑)

役割り的にもウィンダムより善戦できる程度くらいの扱いか。

しかしながらベリアロクとコンビで、存在意義が出た感じです。
M1号を拘束できたのは、全てベリアロクさんのおかげです。幻界魔剣の称号はダテでありません。

それにしても、このベリアロク。けっこうイイ奴であります。
俺が斬りたいものを斬るだけだ、と宣言している魔剣ですが、あっさりハルキの拘束したいお願いを聞いていたりします。

ねんどくせーなー、といって実践する姿は単なるツンデレ系としか思えません。

とても凶悪なウルトラマンベリアルの因子を含んでいるなんて、思えないほどです。
ハルキゼットさんとつるんでいる内に、性格が丸くなったか。それとも元々ベリアルにあった資質だったのか。

ベリアルとくれば、ウルトラマン自身にスポットライトが当てられるのが配信用の作品です。
もうすぐの新作として配信される『ウルトラマンギャラクシーファイト 大いなる陰謀』ベリアルは、どうくるか。けれどベリアル抜きでも楽しみな限りです(笑)

【次回】D4

ウルトラマンZがイイ作品だ、と感じるところは、今回だけで済まないストーリー展開です。

「生命を守るために戦っている」

矛盾する想いを抱えて戦いへ臨むハルキ。だからこそ好き嫌いや偏見といった感情に捉われることのない冷静な視点を宿せるのではないか。放棄する理由づけの「現実」は持ち出さないでしょう。

バコさんもまた特空機を開発した想いは、ハルキと同一です。

生命を守るために作り出された特空機3号で、禁断とも言える破壊力ある新兵器の使用について問う次回です。

はっきりした答えなど出せるはずもない問題を扱えるのは、SF的要素を含んだ特撮作品こそ、と思っています。
クライマックスへ加速するような緊迫感で迫ってくるような次回になるかもしれません。少し寂しさを感じつつも、次回はちゃんとその日に家で観られる幸せに浸りたいと思います(笑)