映画大好きカーナちゃん【ポンポさんシリーズを含め】ネタバレ感想です

2020年10月18日

以下、ネタバレありです、独自解釈による偏見もございます(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

映画化されてます、公開待ちです

映画大好きポンポさん』意外に知られていなくて、悶絶した先日です。濃度やジャンルはさまざまなれど、いちおう世間的にヲタとされるメンツの会合(単なる呑み会です)だったので、ショックです。

おまえら、周囲に大きな声で言えない趣味しているだろ!そんなヤツらが、なぜマニア的なこの作品を全く知らないんだ!といった具合です。

それとも仲間内でも隠しているのだろうか?可能性はあります。
なにせ、ここで書いている人もブログにツイッターをやっていることは、誰にも知らせていません。やっているヤツいる?の問いかけに、やってない!と断言しているくらいです。

女は嘘を吐く、といった発言が問題になっておりました。
男も平気で嘘を吐く例が、ここにあります。性別関係ない人間の性であることを深く認知できず、口にしてしまったことが残念な結果を生んでしまいました。

それはさておき、少々マイナー感は否めないポンポさんです。
しかしながら映画化されます。2020年内予定が延期になったものの、来年3月には劇場公開です。

幸福は創造の敵!とするキーフレーズが示す通り、ポンポさんシリーズ作品は、クリエーター向きとなっています。業界で働きたい、とする向きとは違います。

映画はヒットしてなんぼ、けれど製作側にどんな形であれ創造の意欲に重きを置かなければ未来はない。

ポンポさんシリーズ第4弾である、今回取り上げるカーナちゃんで、ようやく理解したここで書いている人です(笑)

作品を生み出すことを目指している方々にこそ、読んで欲しいシリーズです。

今回の映画化で少しでも認知度が増し、クリエーターを目指す方々へ励ましへなる本となればいい、と思っております。

ポンポさんの、新人女優の歴史

フランちゃんを、まず

『映画大好きカーナちゃん』は、シリーズ第4弾。そして初のシリーズ書き下ろし作品となります。

今作は、前作の『映画大好きフランちゃん』を押さえてからの方が良さそうです。両作とも主人公が女優として大成していくお話しです。

前作と今作は、結末は同じくです。。
前作と今作の主人公は対極にある人物像をおいて、アプローチを変えてきています。

前作フランちゃんを知ることで、今作カーナちゃんへ深い理解への助けになります。

理解などと大仰に構えすぎかもしれません。
『映画大好きフランちゃん』において、既に重要なキャラであったカーナちゃんです。ちょっと斜め上からの意見が、相手の本心へ刺さる「切れ者」といった調子です。

素直すぎるほどの主人公であるフランちゃんに対し、太刀打ち出来ないほど対応が回るキャラがカーナちゃんでした。

作者の杉谷庄吾【人間プラモ】の作風は、その画風と共にほんわりしています。例え厳しいことを言っても、あくまで前へ向くためです。

だから、ここで書いている人としては、何回か読ま込まなければ気づけません。

もしかしてフランちゃんの成功は、世間に対する皮肉を多分に含んでいるかもしれない。
決して悪意はないが他人の失敗を楽しそうに眺めて論じるカーナちゃんの姿は、SNSでよく見かける人々(自分も含めて)の態度それではないか。
けれども笑って論評するだけでは、ドジでもめげず行動する人物には敵わない。土俵の外で騒いでいるだけなのだから、当然な帰結です。

「必要な努力だけして、最短距離で掴める夢なんて、たいした事ない夢だ」
「そんな大切な事を、他人へ丸投げするように質問するの?」

令和における価値観だから、とする擁護に安堵して普段をやり過ごす者にとっては、受容しきれないセリフが所々に挟み込まれています。

コミカルな奮闘で夢を勝ち取るサクセスストーリーでありますが、クリエーターになるならば覚悟すべき厳しさがベースになっています。

ただ、そうは言ってもです。

かわいいフランちゃんの奮闘ぶりと、主人公の周囲を取り巻く個性豊かなキャラたち。それら織りなす単純なやりとりだけでも、充分に魅了されます。

深いテーマを感じ取らなければ、としながら、そう気張る必要はないかもしれない。
これこそ現代の感覚で作る側じゃない自分は、これこそ令和の価値観だ、として甘受するわけであります(笑)

そして、カーナちゃん

前作『映画大好きフランちゃん』においては、小悪魔的なキャラであったカーナちゃんです。
主人公となった今作『映画大好きカーナちゃん』においては、一見では分からない内面を吐き出した描写が続きます。

『映画大好きカーナちゃん』において注目していた点は、書き下ろし。連載の形を取っ払ったら、いきなり喰い込んでくるような展開が、Web連載の前作と構成を異とします。

小馬鹿な態度でありながらも内心ではとても慕っていたフランちゃんが、いきなり手の届かない女優になってしまった。突如として突きつけられた現実に、カーナちゃんの心境に変化が起こっています。

そこへ知り合った脚本家志望の青年であるデュラント。今時まったく売れないであろう「SF映画」の製作を志しておりました。

この企画を、映画プロデューサーのポンポさん(ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット)に持ち込みます。この映画のヒロインにして欲しいと申し出ます。

まだ売れずにいたフランちゃんにじゃれついていた頃からは考えられないカーナちゃんの変貌ぶりです。

人生初めての特別な仲間で、同志で、親友で、そしてスターになってしまったフランちゃんと同じ立ち位置へ就かなければ、とする理由です。

動機も女優志望というより、楽しかった関係を取り戻したいとする、これまでのシリーズにはないパターンです。純粋ではない考えからが出発点です。

そんなカーナちゃんが映画製作を通して、新たな人間関係を築いていく。周囲との関わり合いの中で精神的成長を果たしていきます。

けれども、そうトントン拍子にはいきません。

カーナちゃん自身が、女優として行き詰まります。映画の出来に対して、足を引っ張る立場へ追い込まれていく。

ここでフランちゃんが女優として、いかに優れていた資質を持っていたか、改めて気づかされます。
追い付きたい相手が、自分とは反対の姿ときます。

それでもカーナちゃんは絶望ではなく、真逆の方法を選択します。

「大切なのは、心を込めた演技」誰もが納得する、昔から言われている常識と言える俳優の心得。これを真っ向から否定した演技プランで臨んでいきます。

徹底的に形だけで演じていく。
執念と呼ぶに相応しい計算に計算を重ねた完璧な演技プラン。それをどんな展開でも対応できるよう幾通りも用意する姿は鬼気迫ります。

カーナちゃん本人だけが気づかないうちに、気持ちが入っていたわけです。

確かに頭の回転はいいゆえに自意識が高く行動が取れない。それがとかく自身を説き伏せ必死にやることで、本人が無意識のうちに凄いことをやってのけていた!

ポンポさんシリーズは、頑張る人を応援するという点が一貫しております。ただ今回はこれまでにない、ヒネくれた主人公の女優さんでした。
だからこそ親近感が湧くかもしれません。少なくともここで書いている人は、そうでした(笑)

ところでカーナちゃんをヒロイン抜擢し製作されたとする映画『プロスロギオン』劇中作ですが、これがおもしろい!ほんの数ページしかないのが残念くらいの、SF超大作です。

これだけで別に、まるまる一冊の単行本化して欲しいくらいです。

さすが『猫村博士の宇宙旅行』の作者であり、半端ではない壮大なスケール感です。

不謹慎なことを述べさせていただければ、映像化においては『猫村博士の宇宙旅行』を望んでおります。ポンポさんシリーズは、じっくり読むものという要素が強いように感じております。

どちらがどうということではなく、単純に映像として観たいが『猫村博士の宇宙旅行』であるということはご承知ください。

杉谷庄吾【人間プラモ】の単行本は全て購入する者の、あくまで個人的な希望です。

そして、そんな趣向を持つ者は、です。
映画化された『映画大好きポンポさん』のヒットして、『猫村博士の宇宙旅行』に限らず『映画大好きカーナちゃん』における劇中作とも言える『プロスロギオン』まで映像化されないか、と野望を抱いております。

正確には野望というより、やってくんないかなぁ〜、とするお願いにすぎないのですが(笑)

原点は、ナタリー

杉谷庄吾【人間プラモ】のSF発想にすっかりやられているここで書いている人ですが、出発点は『映画大好きポンポさん』です。

何度もの読み返せる数多くの作品(笑)のうちの一つです。

『映画大好きポンポさん』において見出された新人女優は、ナタリー・ウッドワード。呼び方としては、ナタリーといった具合に呼び捨てが似合うような感覚です。

タイトルにもなった「フランちゃん」「カーナちゃん」と明らかに違う点として、成功の仕方です。田舎で笑われても女優の夢を目指し、上京してきます。けれども生活に追われて、まったく演技の勉強どころではない。

映画プロデューサーのポンポさんの、鶴の一声で女優としての階段を昇り始めます。

徐々に業界人から学ぶ、といった体裁ではなく、見出されての起用です。

あくまでナタリーは、主役のポンポさんを引き立てるためのキャラとして登場してきます。
けれども『映画大好きポンポさん2』で、ナタリーの掌編が掲載されているように「映画って、女優を魅力的に撮ることが出来れば、OK」と作中にあるセリフを地でいく扱いはされています。

『映画大好きポンポさん』の1と2に登場するナタリーと、もう既に成功しているミスティアといった女優2人と比較して、ウランちゃんカーナちゃんを読んでみれば、また違った味わいが感じられるのではないかと思います。

要は、杉谷庄吾【人間プラモ】ならば全部読んでみてもいいんじゃない、と推しているだわけです。
ポンポさんシリーズの映像化のみならず、猫村博士といったSF作品にまで及ぶほどヒットして欲しいとする野望が見え隠れしいるところを感じて取っていただければ幸いです。

こんなことを書いている時点で、ちっとも隠れていませんが(笑)カーナちゃんが出演した『プロスロギオン』には熱を上げた、ここで書いている者なのです。

映画公開と共に高まる続編

ここまで「ポンポさんシリーズ」と勝手な命名で呼んでおりましたが、冷静にタイトルを倣えば「映画大好きシリーズ」とすべきでした。

今さらなので、このままネタとして放置させていただきます(笑)

けれど、それだけにポンポさん。映画プロデューサーとして、何より大事とされる「人を見極める目」を持っており、辣腕ぶりを示す数々の言葉が、当作の最大の魅力であります。

主役をフランちゃんカーナちゃんとしても、ポンポさんの存在感あってこそで成り立っています。

こう考えていくと「ポンポさんシリーズ」としたことも、あながち間違いではなかった、としたいところでもあります(笑)

そんな無敵とも言えるポンポさんですが、1人だけ振り回す人物がいます。
当初はアシスタントですが、見出され監督にまでなるジーン・フィニ。光りのない目している青年は、もう1人の主人公と言える存在で、映画化される『映画大好きポンポさん』では、現場クリエイターとしての生き様を見せてくれるはずです。

映画の内容が『映画大好きポンポさん2』まで含んでいたら、ジーン君ポンポさんを振り回す展開が観られます。
含まなかったら・・・フランちゃんカーナちゃん同様、ポンポさんに見出された1人で終始となります。

『映画大好きポンポさん2』だけが、ポンポさん自身に喰い込んでいく内容だったためかもしれません。

そんな『2』を最後に、女優のサクセスストーリーが2作続いております。
最新刊『映画大好きカーナちゃん』において、本筋が終了した時点で『2』以来、久々にジーン君の出番がありました。続刊を匂わせる登場の仕方でした。

『映画大好きポンポさん』映画公開は、当初2020年内に予定していましたが、延期となって2021年3月19日へなりました。

映画公開に合わせて、コミック『映画大好きポンポさん3』が出版されるのでは?と踏んでいます。
もし年内公開であったら『映画大好きカーナちゃん』もしくは前倒しで『映画大好きポンポさん3』の出版になっていたかもしれません。

もしかして公開延期にならなければ『映画大好きカーナちゃん』辺りの制作はなかったかもしれない。
そう思うことで、公開延期もやむなしと、自分を納得させる今日のこの頃です。

座右の銘となりそうな言葉が詰まったポンポさんシリーズ。映画化に、きっとあると信じる新作コミック(笑)の出版を含め、これから幅広く展開されていくことを期待しております。