ウルトラマンZ(ゼット)【ネタバレ感想】第15話「戦士の使命」
以下、ネタバレありです、独自解釈による偏見の酷いものとなっております(笑)どうか、ご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
キャスト表
⚪︎ナツカワハルキ/ウルトラマンZ 平野 宏周(ひらの こうしゅう)/畠中 祐(はたなか たすく)
⚪︎ヘビクラショウタ 青柳 尊哉(あおやぎ たかや)
⚪︎ナカシマヨウコ 松田 リマ
⚪︎オオタユカ 黒木 ひかり
⚪︎イナバコジロー*バコさん 橋爪 淳
⚪︎クリヤマ長官 小倉 久寛(おぐら ひさひろ)
⚪︎カブラギシンヤ 野田 理人(のだ りひと)
⚪︎ウルトラマンゼロ 宮野 真守(みやの まもる)
⚪︎朝倉リク/ウルトラマンジード 濱田 龍臣(はまだ たつおみ)
⚪︎ベリアロク 小野 友樹(おの ゆうき)
*青字は声優さん。キャストの振り仮名は、ここで書いている人が一瞬でも読むのに悩んだ俳優さんに振らせていただきました。
戦士の使命
強敵、デス
予算の都合で(笑)、過去の怪獣がたびたび再登場にしておりますが、今回は別格!と申し挙げさせていただきます。
田口清隆監督が初めてメイン監督を務めた『ウルトラマンX』におけるラスボス「虚空怪獣グリーザ」が、登場です。

このグリーザは、なかなかヤバい。
瞬間移動を果たし、放つ光線も強力。奇妙な笑い声を立てながら、身体を奇妙にくねらせる姿は、この世の生物とは思えない。
虚無へ還すただそれだけを行うために、意思を持たずひたすら殺戮と同等の行動を取る怪獣です。
最強の怪獣は?の問われれば、破壊力ばかりではなく、不気味さを湛えながらの存在感から、まず浮かぶ怪獣がグリーザです。
ニュージェネにおける「宇宙恐竜 ゼットン」に当たる存在ではないか、と持論を述べる瞬間が個人的には幸せだったりします(笑)。
ウルトラマンXを観ていた視聴者なら、登場しただけでヤバいの来た!となります。
しかしながらウルトラマンXも、既に5年前の作品です。遠いといえば、遠い過去となってしまいました。
それに『ウルトラマンZ』から観出したという方も多いかと思います。
今回がグリーザの初めてという視聴者にも、充分な脅威を伝える場面が早々から展開します。
正体はジャグラーさんであるヘビクラ隊長が、グリーザの脅威を伝えることに最も貢献しておりました。
相変わらずなストレイジ作戦室のほのぼのした日常から、グリーザの登場で空気は一変します。
質量もエネルギーも、全てが「0」の虚空怪獣 グリーザ。
キングジョーは修復中なため、ウィンダムで出撃するというヨウコにです。
「よせ!」と、初めてと言っていいヘビクラ隊長の激しい声です。聞いたユカとヨウコの2人の女性隊員が驚く顔に、普段では考えられない状況を報せてきます。
ヘビクラ隊長はダークゼットライザーを使用し「超合体怪獣ファイブキング」となって、ゼットさんとジードの助けに入るだけではありません。ジャグラーとなって、積極的に解決へ乗り出します。
やらなければ、ヤバい!を伝えてくる活動的なジャグラーさんでした。
ちなみに、このグリーザ。きっとタイガの劇場版が最後とは思えない悪のウルトラマンであるトレギアでさえ、投げ出す怪獣です。
もしかして宇宙警備隊にとって、最重要視すべき怪獣へなっているかもしれません。
ウルトラマンXの際は、今回見せた第2形態においては無敵でした。第3形態へなったことで、むしろ実体化という弱点が生まれ倒せた相手です。
今回は、その最強といえる第2形態を崩さぬままです。
だからこそゼットさんが最強バージョン(たぶん)を得るに相応しい相手となったとしておきます。
侮っていた、魔剣
グリーザ来襲により、応援に駆けつけたウルトラマンジードこと朝倉リク。
ハルキとリクが揃って、ウルトラマンへ。
リクは、本人その人が、もう一つの姿であるウルトラマンへ変ります。
ハルキは、融合しているもう1人であるウルトラマンへ身体を変えます。
意味合いは異なれど「ダブル変身」が、面倒な解釈にこだわるヲタの心を痺れさせます(笑)。

この2大ウルトラマンに、ジャグラーさんのファイブキングも加わるものの、まったく敵わずです。ジードの捨て身の行動により、一時停止をさせるが精一杯です。
ストレイジに戻ったボロボロの顔をしたヘビクラ隊長が、失礼かもしれませんが、超カッコいいと思いました。
そして毎度いきなりハルキを呼び込むゼットさん。いい加減にハルキも慣れろよ、と思いますが、強敵グリードについてシリアスに語らい合います。
「理屈を超えたパワーが必要だ」そう説くゼットさんは、いつにない真剣な口調です。
力の源となるウルトラメダルを揃えなければいけない。
「ゼロ師匠」と「ジード先輩」、そして「ウルトラヤバい父親」のメダルが必要だそうです。
「ウルトラヤバい父親」ちょっと笑ってしまいました。人間の父親にも例えられる表現が、笑えない冗談に思えて却って笑ってしまいました。
カブラギシンヤに寄生したセレブロは、愉快犯の素養ある宇宙生物です。ある意味において、現在のジャグラーさんと繋がる部分があります。
これから楽しむためには、舞台が根こそぎ破壊されては困る。趣味みたいなもんで作製していたメダルが、本来ないはずのベリアル・メダルを生み出していた。
今回の伏線として機能していたセレブロの暗躍でした。
理屈を超えたパワーを得る条件が揃ったウルトラマンZに得られた新しい姿。それは、デルタライズクロー!

事前告知で初めて目にした際は、微妙に見えたゼットさんの究極っぽい(笑)バージョンでしたが、実際に登場すれば、なんだカッコいいじゃん!です。
そう思わせるだけの、初お披露目に至る黄金の嵐から姿を現す演出にはやられました。決まりすぎです。
しかしながら、本番はこれからです。
事前告知で最初、デルタライズクロー以上に不安を覚えた、剣になっちゃったベリアルさん。個人的には杖と思っておりましたが、登場すれば短剣の趣きです。
そして実にカッコよく、またイイ味を出してくる。
「幻界魔剣 ベリアロク」宇宙の虚空を縫う針としてとして、グリーザがベリアル因子を持ったジードを取り込んだ結果、生んでしまった強力な武器です。
ジードの配役した必要性が解明されました。
『ウルトラマンZ』という作品は、よく練られています。少なくともどんな出来事にも意味を持たせています。最後を観終わった時に、凄い作品となる可能性が大きくなっていく様子に、今から落ち着きません。
しかも、このベリアロクはベリアルさんその者ではないにしろ、特徴を色濃く引き継いでいるようで、簡単に言うことを聞いてくれません。
悪いヤツというより、ちょっと面倒なヒネクレモノっぽいです。
これからのやりとりが楽しそうで、期待大な魔剣です(笑)。
ゼットさんはベリアロクを手に、グリーザと最後の決戦です。その時に前のエンディングである『Connect the Truth』を流すところに、監督のセンスを感じます。熱くさせてくれました。
【次回】獅子の声
今回も監督は田口清隆なので、特撮も豪奢です。
ミニチュアワークもさることながら、今回は合成カットを際立たせたきたように感じます。
いちいちこれが凄いぞ、と挙げるより、動くところを観なければいつも以上に伝わらない今回かと思われます。
それでも、ヲタとしては一点だけ、こういうのが好きなんだというシーンを挙げさせていただきます。

画面の片隅に映る「株式会社 田口組」「Z歯科医院」と書かれた看板を認めれば、宝物でも見つけたような気分になります。
抑えきれない性(サガ)でございます(笑)。
今回、ハルキとゼットさんが協力するシーンには、さらに関係性を深めていったように思われます。
人間とウルトラマンの関係が、今までにない親和性を見せています。これが今後どう繋がっていくか。
個人的な事情として、コロナ禍が収まったわけでなくても周囲には反動がきているようで、これから放送曜日には付き合いが増しそうです。だからといって逃せるはずもないウルトラマンZであります。