ウルトラマンZ(ゼット)【ネタバレ感想】第10話 宇宙海賊登場!
以下、取り上げる作品のネタバレありです、独自解釈による偏見もございます(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
キャスト
⚪︎ナツカワハルキ/ウルトラマンZ 平野 宏周(ひらの こうしゅう)/畠中 祐(はたなか たすく)
⚪︎ヘビクラショウタ 青柳 尊哉(あおやぎ たかや)
⚪︎ナカシマヨウコ 松田 リマ
⚪︎オオタユカ 黒木 ひかり
⚪︎イナバコジロー*バコさん 橋爪 淳
⚪︎クリヤマ長官 小倉 久寛(おぐら ひさひろ)
⚪︎カブラギシンヤ 野田 理人(のだ りひと)
⚪︎ウルトラマンゼロ 宮野 真守(みやの まもる)
⚪︎朝倉リク/ウルトラマンジード 濱田 龍臣(はまだ たつおみ)
⚪︎ベリアロク 小野 友樹(おの ゆうき)
*青字は声優さん。キャストの振り仮名は、ここで書いている人が一瞬でも読むのに悩んだ俳優さんに振らせていただきました。
宇宙海賊登場
前回からの流れを冒頭で説明した今回。
ストレイジの整備ドッグへ運び込まれた分離状態のキングジョーが、日頃スポットが当たらないメンバーに出番を与えます。
平成ゴジラVS世代の中でも評判の悪かった『ゴジラVSスペースゴジラ』けれども好きなんだ、という人間がいて個人的には嬉しくなったここで書いている人です。
作品の出来が特に良いとは思えないにも関わらず、気に入ってしまうほど厄介なものはありません。論理でなく感情からなので、欠点も痘痕に笑くぼです。見返せば見返すほど、何が欠点だかわからなくなる始末です。
スペゴジ好きという意気投合の田口監督の肝煎りでキャスティングされた橋爪淳が演じるイナバコジロー。その下で働く若手整備員に、当然ながらやってくるユカさんです。
やるき満々のユカと若手に対し、コジローは未知の力を扱うことに警鐘を鳴らします。年長者たる者こうでなければいけません。しかもコジローのいいところは、聞き入れずとして若手を押さえ込む真似をしないところです。
さすがのスペゴジで主役を張っただけのことはあります(笑)もっとも整備班リーダーとして、不安を抱えながらもやるしかない立場ではありますから、強く出ても仕方がないという側面はあったかもしれません。
格納されたキングジョーを取り返すために「海賊宇宙人 バロッサ星人」がストレイジへ侵入してくるが、主なストーリーです。
バロッサ星人のストレイジの隊員を操って侵入と、それに立ち向かう等身大のウルトラマンZ。ちょっと怖いくらいのサスペンス性が持ち味だったウルトラセブンを意識したような演出が見られます。

けれども、そこはウルトラマンZ(以下、ゼットさん)。
「ウルトラやばい海賊宇宙人だ」
ゼットさんの真骨頂といえるセリフ回しが、シリアスだけで染まることは許さない、といった感じです。キャラがしっかりすぎるくらい出来ているおかげで、ハードに決めるということはなさそうです(笑)。
案の定、いつもの相手に来い来いといった余裕のポーズを見せるものの、バロッサ星人が透明マントを使用したことで取り逃します。ヨウコも連れ去られるという大失態です。
まだまだゼットさん、三分の一人前です。
さらに侵入を果たすバロッサ星人は、ついに作戦室まで。滞在しているのは、変わり者の女性科学者だけです。いちおう前回において道場で何かしら鍛えているっぽい場面がありましたが、もっとも戦闘とは程遠いユカです。
相手は、海賊。人気コミックの主人公のように義侠心に篤いはずもなく、実体は容赦ない行為を繰り返すが本質です。
大ピンチのユカ。けれども、この場には、ヘビクラ隊長はいない。
つまりオーブからのファンにすれば、あの方が活躍する大チャンス到来です。

間一髪のところを救うは、ジャグラーさん。
バロッサ星人には「人の縄張りを荒らすんじゃねーよ」
貴方は?と問うユカには「誰だっていい、さっさと逃げろ」
カッコ良すぎるぜ、ジャグラーさんです。
当然ながら、助けてもらったユカは惚れずにいられない・・・と、納得したいところですが、ジャグラーさんはハルキに「トゲトゲ星人」と呼ばれるような容姿です。
ヨウコがゼットさんを男性として好意を持つ姿に当てられたか。ストレイジの両女性隊員の感性は鷹揚としか言いようがありません。
と、思ったらユカさん。素敵な宇宙人さまだから「解剖したい」ときました。さすがのユカさんです(笑)。
これではジャグラーさんがいくらヒールぶっても形なしなところが、当作品のおもしろさを表しているようです。
ゼットさんは、今回も新たなレジェンドウルトラマンのメダルを得ました。敵が落として、拾ったヨウコが届けるという、まさに棚ぼたです。
地球人女性に好かれるとした人柄とラッキーによって、斬撃の能力を獲得したわけです。

ソードを手にすれば、斬り捨てるかと思いきや、トドメは連続の光線技。斬撃の必殺技として八つ裂き光輪系を繰り出すセンスには、独り不気味に、ニヤリとしてしまいました(笑)。
【次回は特別編】特空機シークレットファイル
キングジョーが起動したら、格納庫にいる整備班が危ない。古参のリーダーであるコジローと若き整備班隊員のやりとりが熱かったです。ストレイジの裏方へスポットを当てた好編でした。
キングジョー絡みで来た前後編。珍しく本編と特撮の2班体制で撮影されています。当作品で昇格させた監督ゆえに、本編だけに集中させて、特撮はベテランに任せたという流れでしょうか。
割り当てられた予算も少々低めだったのでは、と邪推しています(笑)。
ただ特撮という技術は、演出家の個性が反映されやすい側面を持っています。
ニュージェネを作り上げた田口清隆と坂本浩一、ニュージェネから出てきた辻本貴則に武居正能といった辺りは、未だ驚かせてくるシーンを見せてきます。
それを実感したキングジョー登場と海賊宇宙人の前後篇でした。
ニュージェネは凄いスタッフを輩出しております。
今回のタイトルが『宇宙海賊登場!』倒したバロッサ星人には、弟が9999人いた!兄の仇を打つため弟たちが立ち上がったら、バロッサ星人サーガが始まりそうな数です。
けれども次回は「特別編」例年のニュージェネならば、25話中ど真ん中の13話で総集編に近い内容で折り返しますが、今回は早々に第11回にきます。
これもコロナ禍におけるスケジュールの影響か?
オリンピック開催による休止期間を踏まえて、例年より2週ほど前倒しされて開始されています。
ウルトラマンZもまた総集編を用意しなければならない状況なのかもしれません。けれども当作品には「特空機」という素晴らしい対怪獣用ロボットが存在していれば、近く再販されるフィギアのためになる内容を期待したいところです(笑)。