ワンダーラビットガール【感想*ネタバレあり】#「廣瀬ゆい」をもっと読んでみたい
以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もございます(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
ツイッターのおかげ
読むならパソコンがいい。
ブックマークしておけば、マウスでひと押し。即座にフォローしていただけている方ごとに読めます。
ツイッターを読むなら、パソコンです、たぶん(笑)。
要はまったくツイッターの機能を活かせていない、ここで書いている人です。
なので読み専でいいじゃないか、と開き直ってはおります。
元々初めた理由が「ブログ」の喧伝であります。誰も来ないのは寂しいな、という心根からです。
おかげさま訪問数は、目標としていた数(45人)を充分すぎるほど上回りました。『GARO -VERSUS ROAD-』の終了には、ある節目を迎えたような気になりました。
相変わらず現在放送中の特撮番組は、おもしろい。だが一月前に覚えていた高揚感まで至らず。放送しているものは追う、それだけといった感じで過ごしておりました。
世の情報発信という観点からみれば、すでにブログよりツイッターが主流となっております。下手すればブログなどツイッターの付随機能ぐらいでしかないのかもしれません。
と、仕事が通常以上の運転になってきついぞ、と泣き言が出てきたわけです。週末に書くことに絞りたくても、コロナ禍はそっちのけで付き合いも出てきています。断れない付き合いです。StayHomeが、妙に懐かしいこの頃です。
そろそろ潮時か、考えだしていた折に、自分がいかに甘いヤツか、気づかされる内容のツイートへ立て続けに出会しました。
自分へ向けてのものではありません。呟いた当人も自覚はないかもしれませんが、自分が考えずに済ませてきたことにへ向き合っております。
エンタメだからこそ素直に聞き入れられる人生訓があります。そこだけ大きく切り取って「ぶられる」といかがわしく感じることも、作品の中でさらりと語られるから、真剣に受け取れたりすることは往々にあります。
低い数値に達成感を得ている場合ではありませんでした。目標は「手前勝手な想い」を、どれだけ発信するか。それなりの文章量を持ってが行えるブログが、俺のスタイルだ!と、自己陶酔するわけです。
それにしてもツイッターくらいやるか・・・ぐらいだったのが今や重要な読み物と化しています。ごめんなさい、本当は「笑いのツボ」に入ってくるツイッターの呟きです。友人等に、オマエのツボはわからん、と言われるタイプなので、かなりウケています。これはもしかして相当に失礼なことを言っているかもしれません。もうしわけないです。
ツイッターにはウケているばかりでなく、まったく知らないこと、普段から逃していることを知る機会も与えてくれます。本当はこちらがメインであるはずですが、自分には2番目です。
この2番目の目的から得た情報「コミック紹介」のツイートから興味を持って読んだところ、ハマりました。想いを発散したいからブログを始めた初期衝動が甦ってきます。
改めて、紹介してくれた方には感謝を申し上げます。
これまで読んだことのないタイプのコミックです。まだまだ未知はあり、自分が逃してきているものがいかに多いか、つくづく思い知らさせます。
ところで当ブログの得意とする余談ですが、読み専はあまり人数は増やせないと思っております。20人でも相当な量で、三桁どころか50人だって、とてもとても。中にはあまりツイートしない人を含めてもです。
それとも、たまたま「濃い」方々ばかりに当たっているだけなのか?それが真実なのかもしれません(笑)。
ワンダーラビットガール
天井から壁に至るまでいっぱいに「しゃおり(さおり)」のポスターを貼るほど、地下アイドルの応援を好きを通り越して生きがいとしている主人公の七海 澪(ななみ れい)人付き合いなど上手く出来るはずもなく、クラスメイトから、特に女子からバカにされる日々を送っています。
こうした性向の方を「ドルオタ・コミュ障」と表現するそうです。個人的にはぼんやりした単語が、はっきりした意味で知れて勉強になりました(笑)。
澪には、七海 蓮(ななみ れん)という一つ違いの兄がいます。眉目秀麗で成績優秀、しかも性格良し。女子が放っておくはずもない存在です。
澪にとっては常に親から比較されて、劣等感しかないはずの兄である蓮。けれども唯一の味方であるところから、尊敬すべき大事な兄として慕っています。
澪は、兄の蓮が病院へ運はれた報せを受け駆けつけます。
何でもできる完璧無比な兄が精神崩壊を起こしていました。
蓮が錯乱状態のまま口走ります。
「あの女・・・ワンダーラビットガールが・・・」
澪は兄の自室から通う高校の女子とその性癖を収めたデータを発見します。
精神崩壊させた相手であろう「ワンダーラビットガール」それを突き止め復讐を果たすべく、澪は兄に変装して学園へ潜り込む。
いったい、誰が何の目的で行ったのか?どんな秘密が待ち受けているのか?
官能サスペンス、と書籍紹介で謳われていれば、緊張感が煽られます。
と、気を入れていたらです。梯子を外されるとは、まさにこのこと!の気分を味わうハメになります。
確かに、謎解きでストーリーは進行していきます。
けれども本質は、ラブコメ。笑いっぱなしのお話しです。
澪にとって、調査対象はエリート校通いのお嬢様。見た目も麗しい女生徒ばかりですが、誰もがとてもとても強い「性癖」所持者です。
少し突くだけで、性的妄想へ走っていってしまいます。きわどいでは済まないエッチなカットへ突入です。
画的には興奮を覚えるところですが、当作品においては笑ってしまいます。エッチシーンの激しさが増せば増すほど、笑いが止まりません。
性的興奮を催すはずの場面で、声が出るほど笑ってしまう。
生まれて初めての経験をさせていただきました。
振れキレ感と落とし所が絶妙です。考えた末というばかりでなく、作者のセンスが光っているとしか思えません。
しかもバカバカしくエロいからこそ、真面目なシーンが沁みてきます。
だって性欲は妄想で埋められるけれど、あなたの友情は妄想なんかじゃ埋まらないのよ…っ!
ワンダーラビットガール3
以上のシーンなど、グッと来ます。
ここまで出てくるキャラが全ておかしな人ばかりなので、こんな友情のエピソードへ繋がっていく見事さに、してやられた気分です。感動してしまいます。
でも、ひたすら妄想で完結するエロが主流なことには変わりません。変に構えると、痛い目に遭うと思われます(笑)。
「説教愛好」「窃盗性愛」「正常愛好」「医療性愛」ほか多数に渡って、一体それナニ?といった性癖です。
友人も、残念ではすまないアホなイケメンと大田区の関西弁など、よく思いつくなといった素敵な男子たちです。
容疑者でもある妄想女子たちとアホーな友人たちと行われる主人公・澪のやり取りが、作者の個性さを感じます。しかも可笑しみのなかに、青春の味わいもあります。
廣瀬ワールドと呼んでいい独特なキャラ間の展開があります。ギャップの巧みさとでも言いましょうか。
こればかりは読んでみて味わって、としか言いようがない。
しかもストーリーも、きちんと収束させています。
澪が兄に成り済まして学園へ足を踏み込んだ時点から、クライマックスへ向けての伏線も挟み込まれています。
この作者だからこそ作り出せる独特な間合いでキャラたちが動きながら、サスペンスとして機能していた部分を最後には着地させます。
もし残念だとするならば、キャラが、特に妄想女子キャラがいずれも魅力的で、これからを期待したくなるキャラが何人か存在しておりました。
ストーリーをきちんと終息させてしまったために、女子キャラへ思い入れ強く生じた分だけ不消化に終わった印象を与えてしまう面があります。
キャラが魅力的になりすぎて、却って読者の我がままを生じさせてしまった。そんな皮肉な結果へ至ってしまったような、気の毒な側面がある気がします。
廣瀬ゆいを、もっと読みたい
作者の「廣瀬ゆい」絵は美麗で、ストーリー作りもしっかり出来、キャラ作りは上手としか言いようがない。
実力者だと思います。
現在は、以下のサイトにて、歴史恋物語『グッバイアンデルセン』を公開中です。
『ワンダーラビットガール』とは、また違った重厚な人間模様を描き出しています。個人的にはこちらから入ったもので、ギャップに慄いています(笑)。
『グッバイアンデルセン』は原作付きのせいで、従来の作品とは違った雰囲気になったのか?
けれども比較対象は『ワンダーラビットガール』全7巻しかない現状にショックを受けています。
検索から確認できる限りでも、これまで読み切りを数本こなしています。
単行本なり、配信になったりはしていないのか?もしかしてファーストコンタクトとなった『グッバイアンデルセン』は手元に置くこと叶わぬまま、配信終了と共にもう2度とお目にかかることが出来なくなるのか?
『ワンダーラビットガール』最終巻の奥付けにある発効日が、2017年8月です。まる3年を経とうとしているにも関わらず、単行本が「ワンラビ全7巻だけ」という状況です。
遅ればせながらの読者ではありますが、もっと作品を読ませてくれ!と思う「廣瀬ゆい」という漫画家さんであります。
もしかして「廣瀬ワールド」と呼べそうな独特な感性は、広く受け入れられ難いものなのかもしれない。
けれども個人的には、笑いのドツボへハメてくる廣瀬ゆいの作品が、もっと掲載され、単行本として所有できる形になって欲しいと願うばかりです。