ウルトラマンZ(ゼット)【感想*ネタバレあり】第5話「ファースト・ジャグリング」

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もございます(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【劇場の感激】特撮が大画面

コロナ禍により延期となっていた『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』の公開が、2020年8月7日に決定を致しました。

もう出来がどうこうなんて、いいじゃないか!ともかく劇場で観られる、ただそれだけでありがたい!

ニュージェネが見せる「頭抜けたミニチュアワーク」を大スクリーンで!これだけでも特撮ヲタはたまりません。
巨大モノの特撮映画は、もはやCGで表現が当然となっております。

決してリアルではなない、けれどCGにない世界を構築する手法を大画面で観させてくれるのは、もはや「ウルトラマン」しかない。
しかもニュージェネは古さを感じさせない演出をしてきます。

もう、観るしかないのです。明日が無事に来るなんてわからないから、今のうちです!まだ公開はしていませんが(笑)

ようやく「ウルトラマンタイガ」も終局を迎えられます。

思えばタイガの放送で、特に目を引いた演出家は辻本 貴則(つじもと たかのり)でした。

ミニチュアというアナログ部分が多い手法は、演出家の個性を反映しやすい。予算が限られているからこそ、こだわりに絞って届けることが出来る演出家が残る世界であります。

現実には無いものを創造することが特撮の本分ではあるものの、実際は「オモチャ然」とした映像であることを認識しなければいけません。
特撮の神様「円谷英二」が撮った特撮シーンを受け取る、名コンビの片割れである本編監督「本多猪四郎」がインタビューで答える「特撮シーンはどうしてもオモチャでしかないから音楽の効用が必須となる」。

ついつい自分が好きなものを高尚へ置きたがる傾向は、長年の特撮ファンほど顕著かもしれない。自戒したい点でもあります。

少々使い古された表現で言えば「おもちゃ箱をひっくり返したような」楽しみ方が希求できるのが「特撮の良いところ」そう考えれば、遂に公開となる『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』は、これ以上にないシチュエーションであれば期待しかない。

けれどオールスターゆえに、ストーリーがとっ散らかる可能性はあるが、大人ならば許容する覚悟をしておきたい(笑)

何より、悪のウルトラマントレギアがどうなるか?気になるところです。演じていた七瀬 公(ななせ こう)が、なかなか魅力的だっただけに気になっています。

そしてタイガの時には、次作のメイン監督になるのではないかと思わせるほど演出が光っていた辻本が第2弾の監督として就いています。
この作品がおもしろくならないわけがない。

ただこの辻本。クセが強すぎて、メインには製作側が二の足を踏むかも?と少し冷静になれば考えた今回でもあります(笑)

キャスト

⚪︎ナツカワハルキ/ウルトラマンZ 平野 宏周(ひらの こうしゅう)/畠中 祐(はたなか たすく)
⚪︎ヘビクラショウタ 青柳 尊哉(あおやぎ たかや)
⚪︎ナカシマヨウコ 松田 リマ
⚪︎オオタユカ 黒木 ひかり
⚪︎イナバコジロー 橋爪 淳
⚪︎クリヤマ長官 小倉 久寛(おぐら ひさひろ)
⚪︎カブラギシンヤ 野田 理人(のだ りひと)
⚪︎ウルトラマンゼロ 宮野 真守(みやの まもる)
⚪︎朝倉リク/ウルトラマンジード 濱田 龍臣(はまだ たつおみ)
⚪︎ベリアロク 小野 友樹(おの ゆうき)
青字声優さん。キャストの振り仮名は、ここで書いている人が一瞬でも読むのに悩んだ俳優さんに振らせていただきました。

ファースト・ジャグリング

冒頭

特撮は、ちょっとしたことをすれば、だいぶ変わる。そんなことを気づかせてくれる今回の出だしです。

それは「冷凍怪獣 ぺギラ」が登場してくるシーンです。

『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から 

本来なら、ただ雪原を割って怪獣を登場させれば良いだけの場面です。
少なくとも脚本に、雪上車が走ってくるという書き込みはなかったはずです。あったならば、運転するなりの何かしら人物が登場するか、これからの伏線があるかです。

なにもないところから、監督の指示で走らせたと思われます。ミニチュア大好きの思いつきではなかったか、と考えます。

ストーリーそっちのけで、こういったシーンにゾクゾクくるから、我ながら困ったものです(笑)

ウルトラマンZにおけるこれまでの試みとして『ウルトラマン』の怪獣を登場させていること。そして登場した回の「ネット配信」をしています。
評価すべき取り組みですから、未見の方には観て欲しいなぁ〜と思います。

現在から過去を遡らせる。かつての作品を訴えるには、これほど良い手はありません。
円谷における現状として、過去の作品群は巻き込まずにはいられない事情もあるでしょう。

確かに今回、ペギラが登場したことでフィギアへの欲求が個人的に刺激されております。これを書く現在では、上記のアフィリが示すように新規のソフビは販売されていない。

この辺りはチャンスなのに、メインスポンサーで株主でもある玩具メーカーは何をやっているのか!早くセブンガーを再発しろっ、少なくとも改造用を含めて複数で欲しいんだ、といったところでオチを付けたいと思います。

ペギラが襲撃しにやってくる。
どうやらペギラが出現したアラスカから出土した石器を追ってきたようです。

杭みたいな、この古代石器が出土した年代。5000年前のメソポタミア文明より遥か以前である3万年前の氷河期であり、あり得ない技術の代物らしい。ユカの説明のおかげで、凄さがハルキ同様にようやく理解できました(笑)

あっさり先のネタばらしをすれば、この古代石器はウルトラマンゼットにとって武器になります。
古代にウルトラマンが訪れていた、これは初代ウルトラマンから続く伝統を守った逸話であります。
これを機会に『ウルトラマン』を見返させたいスタッフの思惑だと信じ、ここは敢えて乗りたいところです。せめて配信はチェックしたい、と新規のファンへ向けて再びアオるわけです(笑)

2体の特空機

今回で判明したことに、特空機の性能差があります。
特空機2号のウインダム。さすがの最新機だけあって、ウインダムが敵わない相手に、セブンガーを向かわせるのは無茶なようです。

どうやら性能差は歴然といった感じです。
実際に、格納庫に収まっているウインダムのライティングが決まりすぎなくらい決まっていて、カッコいいです。しかも雲上を飛行する迫力に惚れ惚れせずにはいられません。

『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から
『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から

カッコ良さが際立つ特空機2号のウインダム。だからかもしれません。

ウィンダムに搭乗するは、ヨウコ。年上にときめく女らしい一面を持つというが、約4976歳上の異星人でも構わないとする感性がちょっと怖いストレイジのパイロットは、冷え性らしい。

けれどもペギラが来襲した目的は封印の鍵であった古代石器であり、保管場所が避難場所になっている大学であるところから退くわけにはいかなくなります。

頑張るヨウコであるが、冷凍光線にウィンダムが氷漬けの機能停止へ陥ります。

ここでゼットに変身したいハルキであります。
が、突如として出現したジャグラスジャグラーに変身アイテムが奪われております。

冷凍下のウインダムに閉じ込められたヨウコの生命も危ぶまれます。
けれども意識が途切れがちのヨウコが漏らす仕事に対する矜恃の声が、ハルキを奮い立たせます。性能が劣るロボットへ乗り込んで、向かっていく。熱くならざる得ない展開です。

ほけっとしたセブンガーの顔が、ペギラに相対す時に口から吐く蒸気がハルキの息巻く姿を表現しているかのようです。こっております。

『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から
『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から

セブンガーは文字通り、体当たりしてでもといった戦い方です。
けれどもハルキが為すべき目的を忘れていません。ヨウコの救出です。
セブンガーの背面に装備されたブースターの炎で、ウインダムを氷解させます。ハルキは降りて自ら救い出します。

搭乗者のいないセブンガーは、オートで「硬芯鉄拳弾=ロケットパンチ」を繰り出すわけですが、これがたまらん!

『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から

画像だけでは分かり難いかもしれません。
撃った腕が、一旦は高度を低くしてから飛んでいく!もうこれこれ、このこだわりが無条件で当作品を推す理由になるわけです。

作品は作り続けられるべき、と声を大にして言える瞬間でした。

おおっ、となりました

辻本というだけでなく、ゼットを貫くこだわりが満載だったような気がする今回です。

『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から

発進シーンにおいては、もうお馴染み。というか、もう当然のように、手前に人物を配置していく。やろうとしなければ出来ない画面構成です。
ロボットだけで発進させないことで、人の手がかかっていることを実感させる、さりげなくも味のある演出です。

『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から

ウィンダムはかつての作品で、ずいぶん活躍したキャラクターです。けれども今回はカプセル怪獣やマケット怪獣等と違って、人が操縦するロボット怪獣です。
操縦感を出すため、避ける機能をビジュアル化している点にこだわりを感じます。

『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から

ここはもう驚きました。
ペギラが吐く冷凍光線は反重力を生み出します。原理はよくわかりませんが(笑)、周囲のモノを舞い上がらせます。
今回は車内からのみの視点で表現しています。浮き上がれば、車内にあったであろうドーナツなどが飛んでいます。それから落下の衝撃でフロンガラスへヒビが入っていくなかで、ペギラの姿が確認できる。
なんなんだ、これは!凄い、凄すぎる。

『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」公式配信から

屋内から怪獣を見るカット割り。頻繁に見られるようになった構図ではありますが、ここでは倒れ込んだ怪獣の衝撃を受けて屋内のモノが跳ねています
あまり見られないようなアイディアです。少なくともここまで、はっきり跳ねさせるシーンはなかったような気がします(あったりしてw)おっ、となったシーンであります。

このたびにおけるゼットの新しい武器「ゼットランスアロー」を使用しての必殺技。ペギラには「ゼットランスファイヤー」その後に登場したゼッパンドンには「ゼットアイスアロー」2回に渡って放つ必殺技が、炎と氷という対比の見事さ。

そして、ヘビクラ隊長はやっぱりジャグラスジャクラーで、相変わらずな活躍ぶりです。ゼットから登場の新しい敵キャラであるカブラギ シンヤが霞むのではないか、と心配になるくらいです。

いろいろストーリー展開として盛り沢山ありました。
ですが、特撮ヲタな個人的見解としては、特撮シーンに何よりも心奪われました。カッコ良くも面白いゼットさんや、熱いハルキに、せっかく出てくれたジャグラーには申し訳ないほど、特撮シーンが何よりな回だったのです。

技術的進化ではない、特撮技法におけるアイディアによって駆使される目新しさに、がっちり心臓が掴まれた次第です。

《次回》帰ってきた男!

すっかり特撮オンリーな見方となってしまいましたが、今後を考えればです。
隊長が、実はジャグラー。けれどカブラギ シンヤも健在です。両者に共通する「愉快犯」的な要素を持つ暗躍が、今後どう展開していくか?

期待しかありません。

しかも敵ばかりでなく次回から味方側に、ウルトラマンジードが加わってきます。変身前の朝倉 リクもまた登場させるところが、しっかりという感じがします。

けれども次回のタイトル『帰ってきた男』これは久々のテレビシリーズ参加となる坂本 浩一監督を指しているのではないか、と勝手に思っています。ネット配信用は手がけていたものの、テレビはジード以来なので、3年ぶりです。

このニュージェネは、坂本田口の両監督が土台を作り、武居の異色と言える作品で、順調に推移してきました。

坂本の久方ぶりの登用は、田口の三度目になるメイン起用とは無関係ではないかもしれません。
初代ウルトラマンと振り返らせつつも、ニュージェネの再発見もまた狙っているのかもしれません。

ともかく見逃してはいけない(笑)、そう力説したいわけであります。

最後は、ジードのネタバレで終えたいと思います。