ウルトラマンZ(ゼット)【感想*ネタバレあり】第4話「二号ロボ起動計画」

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もございます(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

ちょっと見る前に

特撮・・・VFXではなく、特撮!
この表現は、いかにも日本で生まれた技術で、アナログっぽさが出ています。
アナログっ「ぽさ」を付けたのは、最新の技術と無縁ではいられないからです。新たな技術を、いかに予算と兼ね合いつつ取り入れていくか。円谷英二から本格的に始った特殊撮影に常に付きまとう命題です。

実際のところ特撮は予算が得られず、旧来のままでいかに工夫するか。むしろ現場撮影スタッフは、こちらのほうで強いられている感じです。

合成による実景へはめこむ一方で、ミニチュアを組んだステージで撮影を展開していく。
ニュージェネと総評されるウルトラシリーズは、こうしたバランスを顕著に推し進めてきました。

特撮のシーンは、東映とは明らかに違います。カット構成の違いが作風に反映され、それぞれの棲み分けへ至っている部分もあるように思えます。

ウルトラシリーズはミニチュアワークを前面に押し出してきます。
アナログ部分で特徴を示す特殊撮影です。
作り物が画面作りの主を占めるため、演出家の個性が映し出されやすい面があります。

ウルトラマンZ(ゼット)のメイン監督である田口清隆は日本特撮シーンを背負う御大な立場にありますが、今回の監督を務める辻本 貴則は昭和ウルトラ世代のマニアックさが光る演出を得意とします。ただ両者の共通点は、自主制作をきっかけにした背景があります。マニアックさが認められて、映像の世界へ飛び込んできた経緯があります。

だからか、こだわり方が少々異様なところがあります。ただしそれは、特撮ファンを喜ばすものであります。

今回の辻本に限ればです。
前作のウルトラマンタイガにおいては、辻本自身ではなく武居監督いきつけの中華料理店を大きくフィーチャーしたカット割りを行ったりします。
ゼットにおいてもまた期待を裏切らない相変わらずな仕事ぶりを披露してきます。嬉しくなるばかりです(笑)

キャスト

⚪︎ナツカワハルキ/ウルトラマンZ 平野 宏周(ひらの こうしゅう)/畠中 祐(はたなか たすく)
⚪︎ヘビクラショウタ 青柳 尊哉(あおやぎ たかや)
⚪︎ナカシマヨウコ 松田 リマ
⚪︎オオタユカ 黒木 ひかり
⚪︎イナバコジロー 橋爪 淳
⚪︎クリヤマ長官 小倉 久寛(おぐら ひさひろ)
⚪︎カブラギシンヤ 野田 理人(のだ りひと)
⚪︎ウルトラマンゼロ 宮野 真守(みやの まもる)
⚪︎朝倉リク/ウルトラマンジード 濱田 龍臣(はまだ たつおみ)
⚪︎ベリアロク 小野 友樹(おの ゆうき)
青字声優さん。キャストの振り仮名は、ここで書いている人が一瞬でも読むのに悩んだ俳優さんに振らせていただきました。

二号ロボ起動計画

冒頭

今回はタイトルにもなっているように「特空機2号」始動がテーマとなっております。
ウインダム!こちらの知名度は「特空機1号」とは比べものにならないほど知名度も高く、ゲストとして登場することもたびたびあったロボット怪獣です。だからこそセブンガーを応援してやろう、とマニア心に思うわけですが、ドックに収容された初お披露目がカッコいいときます(笑)

『ウルトラマンZ』第4話「二号ロボ起動計画」公式配信から

ライティングが決まり、威容を引き立たせています。おちゃめなセブンガーと差別化を計ったか。自分の知らないウインダムです(笑)

ただネタとしてゲスい読みをさせていただければ、です。
セブンガーは新調されていますが、ウインダムは既存のスーツな可能性がある。たびたび登場を果たしているからこそ、いつにない様相の演出をしたのではないか。

と、観ている時はこんな予想しておりましたが、怪獣のスーツは寿命として10年が目処と言われています。

ウインダムは『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』以来の登場であったことを確認します。思い出やイメージといった形ではなく、新規の映像として収められた活躍は2009年末に公開された映画以来です。
ちょうど新調させても、いい頃です。

前回のギガスといい、もしかしてウルトラマンゼット。新旧含めて怪獣を作りまくっているような気がしてきました。番組の開始時期は、撮影スケジュールにおいてはクライマックス。コロナ禍によって予算の見直しを迫られるなかで、怪獣の新調が仇となって跳ね返ってきて、インタビューで大変なんだ、と答える田口監督となったかもしれない。

話しは戻って、今回のウインダム。ウルトラマンのように空を飛べて、起動時間も5分という長さであります。しかしながら充電に4日間もかかるので、簡単に出撃させられない性能となっています。

そういえば、ウルトラマンレオに登場した元祖セブンガーは、1分間の活動時間で50時間のインターバルを必要としていました。これとどっこいどっこいな特空機2号ウインダムです。

どうやら設計のユカいわく、指示通りのパーツを用意されなかったためらしい。上からの命令で、複数に渡る別会社の発注に原因が求められる模様です。
それでも何とかしなければないらないのが、現場です。改善しなければなりません。
あまりにシャレにならない生々しさに、個人的に全く笑えません。リアルです、リアルすぎます。

しかも現場の苦闘によって成功へ導いても、成果は「上」が占めることになるでしょう。それでも現場はやらなければいけません。
ウルトラマンに限らず、特撮番組は時折り人生の辛い断面を切り取ってみせてくるから油断ならないです。

コミカルさ巧く取り入れているゼットだからこそ、ハードさが際立つ作品へなりそうな予感がしています。

本編:辻本篇

今回の内容は、冒頭におけるやりとりに全て集約されています。
「特空機2号ウインダム」を、いかに実戦投入へ持っていくか。地球防衛軍日本支部のロボット部隊「ストレイジ」所属の天才女科学者オオタ ユカの奮闘を描く!といったお話しです。
ついでにネタばらししてしまえば、以前に倒された透明怪獣 ネロンガ。電気を吸収する性質も持っておりました。ユカはこのネロンガの欠片を冷蔵庫に保管しております。電気を吸収する特質を見込んで、ウインダムへ組み込むことで完成を見ます。

ユカの発想の勝利、といえばカッコいい感じはしますが、プリンと一緒に置かれている事実が気になります。置いたのはハルキとはいえ、同冷蔵庫にこれまで倒された怪獣の死骸の一部が多々ある状況は、ゾッとしたりします。

やっぱりユカは良く言えば、マッドサイエンティスト。悪く言えば、変態性が高いようです。

そんな出演者に負けじと、監督の辻本もまた特撮シーンにおいて変態性は高いときます。

今回において登場するは、地底怪獣 テレスドン
ゼットが地球へやってくるきっかけとなった凶暴宇宙鮫 ゲネガーグ以外は地球産の怪獣が続いています。

今回のテレスドンの出現理由も、人間の地下開発のせいです。前回のゴモラといい、人間側の都合で哀れな側面が続いています。

ついついゼットにおいてはコミカルな楽しい作風へ目が行きがちですが、ミスリードの意味合いを兼ねているのかもしれません。『ウルトラマンR/B』でうまくやられているので、笑いを生む演出を見せられた時ほど、疑ってかかるべきかもしれません。
ただ素直に笑いを取ってきているだけの時もあるでしょう。大人のヲタになることは、まったく面倒な限りです(笑)

それでも予想の域から出ないものの、単に怪獣を倒せばいいで終わらないような気はしています。ゼットは最後まで観ないと分からない作品になる、と視聴を煽る当ブログなのです。

テレスドンの出現からして、辻本だなといった演出です。
何台ものミニチュアカーが激しく揺れるまま、割れた地面へ崩れ落ちていく。それが出現するテレスドンと共に、一斉に吐き出されるように放り出されてくる。
ミニチュアカーとはいえ、何台を使っているんだよ?数えたら、たぶん14台くらい?普通は使用しても3・4台といったところを、多くの台数を使いたかったようです。

『ウルトラマンZ』第4話「二号ロボ起動計画」公式配信から

あと今回は何と言ってもオススメシーンは、ここです!

『ウルトラマンZ』第4話「二号ロボ起動計画」公式配信から

テレスドンが出現する原因となった地下開発「ジオフロント開発中」の看板。そして画面を横切るトラックにシャベルカーは走行しています。なんでもない場面ではありますが、なぜか特撮好きには手前に置くではなく動かされると、たまらない!となります。ミニチュアだと分かっているからこそ、車両の走行には興奮を覚えてしまいます。

この気持ちを理解した演出をしてしまうから、辻本監督は特撮の変態性が高いとなるのです(笑)。加えてシャベルカーも「辻本組」ですから。でもこれは前作タイガの使い回しかもしれません。

転がったテレスドンの余波で、電柱も1本づつ順繰りに倒れていく。一気にどかんとやらない細かいこだわりです。アナログ手法で展開されるから特撮マニアには、たまらないのです。

辻本監督になると、内容そっちのけで特撮の演出へ目がいってしまいます。本当に油断ならない監督です。

『ウルトラマンZ』第4話「二号ロボ起動計画」公式配信から

本編:エリマキ篇

カブラギ シンヤの出番がやっとやってきた今回です。
第1話のラストで、作業班として活動中に何かに取り憑かれてから出番なしです。早々に暗躍するかと思っていたので、監督のバトンタッチが行われる第4話まで引っ張られたのは、意外でした。

おかげで情報も仕入れられる時間を得て(笑)、取り憑いてきたものは「寄生生物セレブロ」怪獣メダルを使って暗躍し、口癖は「いい気分」の宇宙語?になるそうです。
壮大な野望を持っているのか、それとも単なる愉快犯か。まだ明確からは程遠い敵の存在です。

そんな寄生されたシンヤのデビュー戦となる今回。
使用されるメダルは「ジラース」ウルトラマン第10話のみに登場した怪獣をモチーフです。
ギラスが再登場したのだから、ジラースも・・・とはならない裏事情を持つ怪獣です。なにせゴジラにエリ巻きを付けて出来た怪獣だけに、再登場がないのも無理ありません。
だから仕方がないかな、と思いつつも、平成ゴジラミレニアム・ゴジラ、衝撃をもたらすならばシン・ゴジラにエリ巻きを付けて再登場させたら話題性は充分ありそうです。とても観たい気にもなってきました(笑)
けれど間違っても東宝が許さないでしょう。

と、いうわけでもないでしょうが、今回はテレスドンにエリ巻きです。「強化地底怪獣エリマキテレスドン」へ昇華させた着想に感心です。

『ウルトラマンZ』第4話「二号ロボ起動計画」公式配信から

特撮もまた時代を経たと思わせるのが、かつては単なるエリ巻きであったのが、現代に甦れば強力な武器となっています。
ウインダムを沈黙させるほどの光線を放つばかりでなく、ゼットが放ってきた光線を自家薬籠中とします。反撃の一手とします。

まだまだ怪獣を活かすアイディアはあることを見せつけられた今回でした。

《次回》ファースト・ジャグリング

特空機二号ウインダムの完成へ至るストーリーながら、すっかり出現怪獣テレスドンとそれにまつわるミニチュアワークへ目を奪われてしまった今回です。
ゼットの雄姿も、そっちのけです。

ただし、セブンガーはハズせません。

『ウルトラマンZ』第4話「二号ロボ起動計画」公式配信から

ウインダムの登場により、出番を奪われてもおかしくない。しかしながら、さすがのセブンガーであれば、今回もしっかり爪痕を残します。
愛嬌ありすぎです、セブンガー。ロボット怪獣なのに(笑)

そして最後の最後で見せたヘビクラ隊長の、普段においては出さない顔。正体はジャグラスジャグラーだろう、と匂わせておきながら、実はハズす展開でくるか。そう身構えてはいたのですが、次回のタイトルに「ジャグリング」の文字が踊っています。
濃厚か、と考えますが、まだ分かりません!と頑張らさせていただきます(笑)

取り敢えず『ウルトラマンオーブ』を見返したくなったことは確かであります。
さぁ、実際のところは、どうか?楽しみなことです。