ウルトラマンZ【感想*ネタバレあり】第2話「戦士の心得」
以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
キャスト表
⚪︎ナツカワハルキ/ウルトラマンZ 平野 宏周(ひらの こうしゅう)/畠中 祐(はたなか たすく)
⚪︎ヘビクラショウタ 青柳 尊哉(あおやぎ たかや)
⚪︎ナカシマヨウコ 松田 リマ
⚪︎オオタユカ 黒木 ひかり
⚪︎イナバコジロー*バコさん 橋爪 淳
⚪︎クリヤマ長官 小倉 久寛(おぐら ひさひろ)
⚪︎カブラギシンヤ 野田 理人(のだ りひと)
⚪︎ウルトラマンゼロ 宮野 真守(みやの まもる)
⚪︎朝倉リク/ウルトラマンジード 濱田 龍臣(はまだ たつおみ)
⚪︎ベリアロク 小野 友樹(おの ゆうき)
*青字は声優さん。キャストの振り仮名は、ここで書いている人が一瞬でも読むのに悩んだ俳優さんに振らせていただきました。
ウルトラマンZのメイン監督であり、今回も演出を担当した田口清隆。個人的に気が合う点があります。こんな場末ブログ運営者と感情が合うね、と言われても田口監督としては迷惑なお話しかもしれませんが(笑)。
でも言わずにはいられない田口監督の意を汲んだであろうキャスティングの橋爪淳に、思い出が刺激されています。
『ゴジラVSスペースゴジラ』1994年公開された、この作品。ただでさえよく叩かれていた「平成VSシリーズ」の中においても、さらに叩かれておりました。
批評は世に連れ人に連れ、後になれば笑えるものの当時は辛かった(笑)一緒に「平成VSシリーズ」をずっと見続けてくれた友人が、これだけは悪い評価です。
そして自分はといえば、お気に入り。傑作ではないと承知しつつも、なんだか好きだ!どんなツボなのか、本人も分からないまま特撮シーンだけでなく通して観返すゴジラ作品は、これが一番かもしれない。
よって、自分の感性に自信を無くしていくわけです(笑)。
まぁ俺だけのお気に入りさ、と強がっていたところへ、ある雑誌にです。
例え世間からどんなに非難を浴びようが、俺はスペゴジが好きだー!といったニュアンスで答えていた田口監督の記事に出会すわけです。
ああ、いるんだ、もの好きが(笑)。今のようにツイッターがあったかどうかは分からないけれども、ともかく気軽に同じ人を探すのは難しい時代でした。
そもそもツイッターを始めて、ここ1年が経ったくらいです。
特に賛同が得にくかっただけに、同じ想いの人がいるのは嬉しい。しかも製作側に回れば、ここにきて『ゴジラVSスペースゴジラ』の主人公を、15年以上経た現在になってキャスティングしてくれる。
世の中は何が起こるか分からない、といった橋爪淳のレギュラー化に感無量です。
戦士の心得
冒頭
「返り討ちにあっちまった」
前回の振り返りは、人間の主人公ハルキのナレーションではありません。番組の主人公ウルトラマンZが、担当しています。
ハルキばりの屈託のなさ。似たもの同士といったコンビが、コミカルさを約束しているようなものです(笑)。
あれ、隊長?
光の国=ウルトラマンの故郷を襲撃した、前回に登場したゲネガーグ。星人なら考えられない大胆な行動は、知能は動物並みの怪獣だからか。それとも誰かの意図によって差し向けられたのもか。
凶暴宇宙鮫 ゲネガーグの飛来以来、地球に生息する怪獣が活性化しているとのこと。
地球防衛軍ストレイジの作戦班が打ち合わせが終わったところで、ハルキをヘビクラ隊長が呼び止めます。
ハルキの体調を気遣っております。ニュアンス的には、死んでもおかしくなくところをよく助かったな、といった感じです。いや気遣うというより確認だったのかもしれません。
先へ進めれば、このヘビクラ隊長。道場でハルキを特訓の体裁で、怪獣打倒のヒントを伝えます。口調がウルトラマンオーブの宿敵と同時に友であるジャグラスジャグラーの、それです。
そういえばジャグラーが持つ武器は、蛇心剣。こんなところが隊長名の由来になっているのかもしれません。
今後のウルトラマンジード登場が発表されているところから、ニュージェネの時系列に連なる部分を強調した作品になりそうです。
ヒロインは変わり者
個人的に思い出が刺激される橋爪淳が演じる整備班リーダーイナバ コジロー。その登場は、ヨウコをときめかせる人物としてです。
確かに、カッコいいゴジローではあります。しかし1994年当時ならともかく、現在の年齢設定は59歳です。白髪のダンディです。
20代の女性が惚れるには渋すぎます。けれども年下はダメの「枯れ専」だと噂されています。
ヨウコの好みがそうなんだ、と単純に終わりたいところではありますが、そうはなりません。
上下関係は大事な体育会系のハルキ。相手はウルトラマンとはいえど、きちんと確認します。
Zは、5000歳だそうです。ウルトラファンならば、別に驚く年齢ではありません。
驚くべきは、ぽろりとZの年齢をこぼしたハルキをいぶかることなくヨウコは喜びます。容姿は全く関係なし、ファンタジー的な年齢差であっても「上」であれば良いようです。
今回のヒロイン、変わり者です。
セブンガーに、透明怪獣
どこも変わらないだろうとはいえ、特に予算は厳しいそうなウルトラシリーズ。このたびはコロナ禍によって数々のイベント収益の減少を、現場が被っていそうな気がします。
こうなっては、玩具の売り上げに期待するしかりません。
幸いにも、ソフビの出だしは好調そうです。いや好調すぎて、特にこいつがどこにもございません。

やはり目がキュートです。こんな愛嬌があるロボット怪獣は、早々にいません。本来なら怪獣は全部欲しいくらいな趣向の持ち主にとっては、ぜひ手に入れたい逸品です。
これに搭乗してハルキが怪獣出現ポイントへ向かいます。
地面へ降り立つにも、一旦ためててからの着陸です。もし人がいたら、ということで着陸のアナウンスもされています。こうした拘りにマニア心がくすぐられます。
今回の怪獣は、透明怪獣ネロンガ。シリーズ中において新怪獣の製作本数は制限されているニュージェネのウルトラマンです。
今回は『ウルトラマンR/B』からの流用ということで、2年振りです。R/Bにおいては、再登場が10年ぶり、ウルトラマンと対戦は54年ぶりだた。
今回は短いスパンだったとはいえ、一度その出番が途切れると「いつになるかわからない」怪獣の雄姿です。今回もまたしっかり目に焼き付けたいネロンガです。
ただ、ネロンガ。呼称に「透明怪獣」姿を隠しますから、自ら出番を減らしております。地球の地底怪獣ですが、透明なれるだけではなく、食べ物は電気という、かなり変わった怪獣です。
人間の文明発達がなければ雷くらいしか求めるものがない、太古から栄えられなかった理由が分かる怪獣です。
現代こそ生息を広げられそうなネロンガです。
活躍させてやりたいその怪獣のために、ヤラレ役としてセブンガーは最適そうです。

セブンガーは、負けても終わりになりません。ただ今回はお片付けしている雄姿?は見られません。
なぜならセブンガー、今度はヨウコ搭乗で再出撃です。
透明になればサーモグラフィに映らないほど体温も消せる凄い怪獣だったネロンガです(笑)。
登場となったZも、やはり苦戦です。
その窮地を救うは、セブンガーが撃つ電解放出弾!


セブンガーの目に注目。わかりづらいかと思いますが、撃つ前と後において光り、弾を放つ瞬間は明度が落ちるのです。
なんという、こだわり!田口監督、サイコーです。
思いきりが良いが、細かいところもこだわる作風に『ウルトラマンZ』が面白くならないわけがない。
セブンガーを追っているだけも分かる、当作品の魅力なのです。
ノリは、抜群!
ヨウコは変わり者と上述しましたが、もう1人のヒロインというべきユカは、マッドサイエンティストです。
加えて、まだはっきりしていないのにジャグラーだと決めつけているヘビクラ隊長です(笑)。
セブンガーに乗るハルキが、透明化するんですけど、どうしましょ?といった感じで問い合わせてきます。
一斉に見るユカの顔です。

「さぁ?」いくらマッドですが、いきなりそんなことを言われても、といったユカのリアクションが楽しい。
そしてやはり忘れちゃいけない、ハルキとZのやり取り。
セブンガーで出撃したものの、ハルキは敗北で落ち込み気味。1人になった時に、微かにZの文字が浮かび上がる光りのドアのようなもの。
いきなりであったため、ハルキすれば、なんだよ?といった感じです。誰かからは予想が付くものの、確信があるわけでもないので恐る恐るといった調子で足を踏み入れていきます。
ハルキというより、普通の人間なら当然のリアクションが笑えます。

絵面だけ見るとシリアスなカッコいいシーンに見えます(笑)。
けれども「Zさん」と呼べたくなるほど語り口があります。
「よぉ」「ございますよ」「ありまへん」「ウルトラ気持ち悪い」
やたら言葉遣いに気を揉む姿が、光りの巨人を感じさせません。ハルキも年上と知って「Zさん」と呼ぶところから、倣ってもいいかもしれないと思わせてくれます。
ウルトラ史上、最も身近なウルトラマンと、今のところはそう認定してもいいような気がしてきています。
素直に応援したくなるようなウルトラマンZです。
そんな「Zさん」からもたらされた情報は、光りの国からやってきた自身のプロフィールはどうでも良くて(笑)、
⚪︎デビルスプリンターと呼ばれる邪悪な因子のせいで、宇宙全体において怪獣が凶暴化して暴れ回っている。ウルトラメダルはその対応策で開発されたもの。
⚪︎Zさんは、5000歳。
⚪︎変身アイテムであり、常に腰に巻いているゼットライザーは地球人に見えない。
個人的には、ハルキがZへ変身するには「俺たちの気持ちが、ぐっと出来上がってからでないと」ダメらしい設定が番組終盤のクライマックスで熱い展開を呼び込むのではないか、と期待しています。
まだ、第2話ですけど(笑)。
次回『生中継!怪獣輸送大作戦』
ウルトラマンX『激撮!Xio密着24時』を彷彿させる次回のタイトルです。個人的には、期待を寄せています。
田口監督の得意とする演出が光りそうで楽しみな限りです。
それにしても、セブンガーの再発はあるのか?
個人的に実はヒーローよりも、怪獣なのです。1人で遊ぶのに、ウルトラマンはいらない、怪獣があればでした。
もし無限の欲望が満たせるとしたら、怪獣の玩具を全て揃えたい世代がここで書いている人です。
だから特に製作体制が厳しいとされる『ウルトラマンZ』いい感じで始まっていますから、ぜひヒットして欲しいと願っております。