【ネタバレありの感想】ウルトラマンZ 第1話「ご唱和ください、我の名を!」#絶妙な笑いと突き抜け方

以下、ネタバレありの、独自解釈による偏見もありです。どうか、ご了承のほどをよろしくお願いします。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

キャスト表

⚪︎ナツカワハルキ/ウルトラマンZ 平野 宏周(ひらの こうしゅう)/畠中 祐(はたなか たすく)
⚪︎ヘビクラショウタ 青柳 尊哉(あおやぎ たかや)
⚪︎ナカシマヨウコ 松田 リマ
⚪︎オオタユカ 黒木 ひかり
⚪︎イナバコジロー 橋爪 淳
⚪︎クリヤマ長官 小倉 久寛(おぐら ひさひろ)
⚪︎カブラギシンヤ 野田 理人(のだ りひと)
⚪︎ウルトラマンゼロ 宮野 真守(みやの まもる)
⚪︎朝倉リク/ウルトラマンジード 濱田 龍臣(はまだ たつおみ)
⚪︎ベリアロク 小野 友樹(おの ゆうき)
青字声優さん。キャストの振り仮名は、ここで書いている人が一瞬でも読むのに悩んだ俳優さんに振らせていただきました。

ご唱和ください、我の名を!

冒頭

黒画面に響く逃げ惑う人々の声から街中が映し出されれば、画面の奥で飛んでくる車。姿を現し迫るゴメス

『ウルトラマンZ』第1話(新)「ご唱和ください、我の名を!」-公式配信- から

カメラの位置が、上でも下でもない。まさしく逃げる人々へ怪獣が迫っていく「実在カット」を大々的に取り入れた演出は、田口監督の真骨頂です。ニュージェネから当たり前になった感がある迫力ある画面です。

特撮アプローチへの新しい息吹。田口監督がもたらした要素を詰め込んだ出だしです。

今回は凄いぞ!期待で満ちていきます。

しかも今回、登場したゴメス。大怪獣と思いきや、小柄な設定でした。
この後に登場した地球防衛軍日本支部のロボット部隊「ストレイジ」が所有するセブンガー!搭乗するは、たぶんヒロイン(笑)だと思われるナカシマ ヨウコ隊員です。

『ウルトラマンZ』第1話(新)「ご唱和ください、我の名を!」-公式配信- から

ときめくロボット怪獣であり、愛嬌のあるまなざし。本作のヒーローに推したいほどの「特空機第1号」身長は、55メートル。

対するゴメスは「25メートル」ときます。余計な知識がある分だけ、不意を突かれます。逃げ惑う人々の対比から、素直に見れば今回のゴメスが小柄であることに気づけたかもしれない。

先入観ゆえの驚愕です。でもこの場合は、より驚けた!という点では良かったかもしれません。

ちっちゃいゴメスゆえ、セブンガーの横殴り一つで倒されるのも頷けます。

けれども普段より小さいとはいえ、25メートル。ゴメスと人間が間近にあるシーンが迫力あるものとして描くには、ちょうどいい大きさであったかもしれません。

特撮魂に火をつけられ、思わず考え込むシーンの連続です。

本編の方も、主役のハルキが仔犬を助けるために動く。戦況を見守る基地において、ヘビクラの隊長ぶりと、それ対を為すような明るいマッドぶりを見せる若き女性科学者のユカ

3分に満たないなかに、ありとあらゆる要素が、ぎゅっと詰まった冒頭でした。

Z登場!

命令無視な行動を取ってしまったハルキです。
まずは基地内で、お説教です。
クリヤマ長官が怒るわけですが、ここでもユカがいい味を出しています。といいますか、隊員を含め、全員が軽妙なやり取りと交わしています。

ただ軽妙なだけではありません。
仔犬を救ったハルキを責めては酷だ、とありがちには済まさない。確かに動物の命を救うは立派かもしれないが、そのためにヨウコハルキの命を奪うハメになりトラウマを抱えることになったかもしれない。
そのことについてよく考えなさい、と内容を、軽い口調ながらヘビクラ隊長が諭します。

深い示唆を含む話しが、今後の期待にまた一つ花を添えるようです。

ハルキがあるゆる感情を「押忍」だけで表現するところもまた、キャラが立っていきます。

そこから一転して、星が浮かぶ宇宙空間。爆発が巻き上がると共に出現するは、凶暴宇宙鮫ゲネガーグ

https://m-78.jp/z/kaiju/
テレビ東京「ウルトラマンZ」公式ページから

着ぐるみ怪獣としてこのフォルムは、なかなか衝撃的です。横に長い四つ足の形状と思わせながら二足歩行とは、有りそうでなかったなかった。怪獣ファンが長い者ほど、ゲネガーグの作りに驚かされているのではないか、なんて考えています。

もしかして、ここで書いている人が1人興奮しているだけの話しかもしれません(笑)。つまり個人的に、リアルフィギアで欲しい怪獣だ、というわけです。

宇宙空間で逃亡するゲネガーグを追って、ウルトラマンZ(以下、Z)。初登場は、さらりといった調子です。

較べて、ゲネガーグは背中から無数の光弾を放ってくる派手さです。

それを防ぐは、マントを羽織ってすっかり風格が出ているウルトラマンゼロ。初登場から、もう10年以上も経てば当然かもしれません。そうは思うものの、ヤンチャな頃が懐かしくなるから大人なんて勝手です(笑)

Zにとっては、ゼロは師匠。しかしながらゼロのほうからすれば、弟子は取って覚えがないどころか、半人前どことか「1/3人前」だそうです。
Zからすれば「ウルトラショック」だそうです。

ウルトラ側も、なかなか愉快な会話をしております。

しかしながら凶暴宇宙鮫の異名を取るだけのゲネガーグは、四次元怪獣ブルトンを吐き出すという、まさに大技を見せてきます。
四次元の異名を取るほどですから、ブルトンは別空間を生み出せます。ゼロが引っ掛かり、呑み込まれていきます。最後とばかりに、ウルトラメダルをZへ投げ渡します。

宇宙警備隊のZは、こうして1人で追うようになり地球へやってくることになります。

セブンガーとZ

片付けをしているセブンガーに、ハートを撃ち抜かれます。

『ウルトラマンZ』第1話(新)「ご唱和ください、我の名を!」-公式配信- から

しかもこの直後に飛来したゲネガーグを迎え撃つために、戦闘モードへ入ります「セブンガー、起動!」

『ウルトラマンZ』第1話(新)「ご唱和ください、我の名を!」-公式配信- から

目に力が入るだけ、とも言える対怪獣用ロボットです。ちょっとした可笑しみを湛えていれば、人気者になって欲しいと願わずにはいられません。

ゲネガーグと対峙するセブンガーに続いてやってきたZセブンガーに搭乗しているハルキZの初邂逅です。
防衛隊員だった青年が戦闘機に乗ってというシチュエーションは、ウルトラ史において、王道のようで実にないパターンです。「初代ウルトラマン」「ウルトラマンダイナ」くらいしかない(たぶん)。そもそもウルトラマンに邂逅する時点で防衛隊員だった地球人というパターンも少ない。

ロボットを操縦しては、初めてのパターンです。長きシリーズとはいえ、まだまだ観ぬシチュエーションは眠っていそうです。

ハルキが操縦するセブンガーは、1分間保つバッテリーを3つ装備いています。ウルトラマンの活動限界と同じく、3分間です。こんな設定も一体感を出す心憎い設定です。

Zハルキが乗るセブンガー。会ったばかりだけれども、息が合う両者の関係性を短い時間のうちで見せてきます。ストーリーの濃密度が半端でありません。

『ウルトラマンZ』第1話(新)「ご唱和ください、我の名を!」-公式配信- から

しかしながら、ゲネガーグはウルトラマンゼロでさえ倒せずに終わった強敵です。口から吐く強烈な熱線に、Zハルキのコンビは包まれてしまいます。

ウルトラマンZ

死んだとされるハルキに、そして致命傷を負ったであろうZならば、こここそ王道!2人は一つになって、共に戦おうということになります。

ただし、それを説得するZにすれば地球語というか日本語は難しいらしい。変な言葉遣いです。ウルトラ難しいぜ、だそうです。

ハルキに渡された変身アイテム、ウルトラゼットライザー

ハルキから突っ込まれる「いっぱいいる師匠」のメダルをはめていきます。
名前を呼べと言われても「名前なんだっけ?」と返すハルキへ、Zから気合を入れて元気よくといった要請がされます。

「ご唱和ください、我の名を。ウルトラマンゼェート!」

ちょっと日本語が怪しいZですから、呼べという言葉の内容が大仰になるところに説得力があります。よく練られています。
しかもハルキが言葉を決めても変身できず、トリガーを引くようZが耳打ちするようにささやいています。

ちょっとした可笑しみの混ぜ方が、絶妙です。間合いが本当に上手なのです。

そしてオリジナルでは敵わなかったZも、メダルによって新たに得たファームによってゲネガーグを倒します。
「Z」を象った攻撃、光線を撃つ前には「Z」を浮かび上がらせ、去っていく際の飛行軌跡も文字の形をなぞっていきます。徹底してこだわっています。
これはイケる、と期待だけが高まっていくZの戦いぶりでした。

『ウルトラマンZ』第1話(新)「ご唱和ください、我の名を!」-公式配信- から

次回『戦士の心得』

散らばったウルトラメダルを回収していく、それがハルキの当面行うべき役目になりそうです。

戦いの後、メダルをヨウコ先輩が拾っておりました。
心配するヨウコハルキのじゃれ合いを、物陰から覗く謎の人物がいます。
Zの活躍を確認した後に、ヘビクラ隊長がトイレと席を外します。ジードもいずれ出てくるからには、まさか正体はジャグラーか?などと行き過ぎた予想をしております。

取り敢えずは、裏の悪者になるであろうカブラギシンヤが寄生されるところが閉められました。

初回は大変です。23分前後の中へ、いかに後へ含みを持たせつつも、あらゆる要素を叩き込まなければなりません。
しかも2クールという長さから、最終回へ繋がる部分も持っていなければならない。

監督もさることながら、やはり脚本そしてシリーズ構成が鍵を握っています。
化学班員としてゲスト出演していた吹原 幸太(ふきはら こうた)まだ第1回だけながら見せた脚本の上手さに、今更ながら亡くなったことが惜しまれてなりません。

もう二度と生まれない作品として、これから楽しみに観ていきたいです。

そしてウルトラマンは、他の作品と違って公式で見逃し配信を行っております。観やすいところも有り難いニュージェネのウルトラマンなのです。