魔進戦隊キラメイジャー【感想ネタバレあり】「ガルザとクランチュラのジャメンタル研究所」
以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
やっぱり大変だよね
今回のタイトル『ガルザとクランチュラのジャメンタル研究所』と聞いた時は、素直に「大変だなぁ〜」と思いました。
ホント、ネタに困るよね、なにせストックが10話しかない。
昔なら、きっとこれほどの苦労はなかったと思うのです。
単純に再放送を流していた、というか、流すほかなかった。
ここで書いている「昔」の基準は、どこにあるかと言えば、フィルム時代です。テレビは16ミリ、という懐かしいフレーズです(笑)。
そんなの当然知ってるよ、と言い切れない時代になってきているんです。わ〜物知りですね〜、と褒められれば、歳を実感するだけとなってます。
まだ知識自慢と捉えられていたほうが、幸せだった。こうなっては傲慢な態度でいかないと、虚しいだけです。
映画は35ミリでね、川北監督は70ミリ合成を駆使して・・・と堂々墓穴を掘りにいくしかなくなります。
フィルムの時代は、何が大変だったかと言えば編集です。一コマづつチェックして、切っては繋げていきます。
合成する際には、発光とお付き合い。合成班にいた若き日の川北監督は「網膜剥離」になったそうです。まさに過酷な労働の下に、合成画面は出来上がるのです。
けれども苦労した特撮作品は、短縮版で上映の決定となればフィルムにハサミが入ります。切り取ったフィルムの所在が不明になり、オリジナルの復元が難しくなる、といった時代が昭和です。
コピーも簡単ではなかった時代。編集も簡単でなければ、丸ごと流してしまう方が安全です。
もしコロナ禍が昭和で起こっていたら、少なくとも特撮作品は再放送で済ますしかなかったと思われます。
現代は、撮影データがハードディスクに収まる時代です。もうSSDになっているかな、と思いますが、何はともあれデジタル時代を象徴する記憶装置に収まるようになりました。
映像の編集など、自宅でもやってやれないことはない時代に突入しております。
だから編集できる分、ただの再放送では済ませられなくなった大変さを「ニチアサ枠」に感じております。
あれこれ手が加えられるようになったからこそ、興味を失わせないように頑張るしかなくなってしまった。
こんな時ぐらい、過去の作品を流すでも構わなかったです。キラメイジャーに限らずスーパー戦隊の夏映画など、基本は30分以内に収まっております。
キラメイストーンの連中に前回に続き紹介させても良かったんだよ、と思いました。
しょっちゅう言っておりますが「10話」しかないのだから仕方がありません。
敵側を呼び出して、これまでを振り返る・・・もうあの手この手を考えております。
機材が便利になった分だけ、アイディアを出さなければいけなくなったようです。
編集をして、ナレーションなりセリフを当てるため声優を呼びます。しかも3密を避けるため、1人づつの吹き込みだけのみならず、録音スタッフも顔を寄せての作業は出来ない。
結局は、大変なままです。便利になっても仕事の困難さは変わることがないのは、どの職にも該当しそうな普遍の真理かもしれません。
総集編といえど、今回もまた有り難く拝見させていただきました。
ガルザはヨドン軍に入って良かったかも
ヨドン軍の地球攻撃における幹部2人の掛け合いで進んだ今回です。
ガルザがなぜ「ジャメンタル」に目覚めたか、分かっているようで分かっていないクランチュラと共に振り返って突き止めようといった感じです。
ジャメンタルの経緯に当たるため「エピソード7・8」が中心になります。オーブンとフリーザーといった、兄弟邪面師のお話しです。
兄弟といえば、ガルザが弟の立場ゆえのコンプレックスから寝返った男です。すっかり弟であるフリーザーの肩を持つと思わせて、といったストーリーの妙を味わせていただいた回でした。
実は邪面のデザインといい、ガルザの無法っぷりといい、子供が見るにはエグいところが、キラメイジャーの魅力と申せます。
弱いヤツを利用する、怒り・憎しみ・嫉妬といった感情で動く。しかもちょっとした理由で短気を起こして徹底的に叩きのめす。
まるで現代社会において繰り広げられている問題の本質を体現しているかのような敵のガルザです。かくして特撮番組は時代の問題を写す鏡として、非常に優れたジャンルとなります。
より多くの人に観てもらうに充分なクオリティと、玩具を購入するだけの理由が立っているわけです(笑)。
もしキングエクスプレスを買ったら、エクスプレスは放り出して、スモッグジョーキーで遊びたいところです。チェーンソーの尻尾と絶妙な紫具合がたまりません。
個人的には、スモッグジョーキーだけでホント良かったんだけどなぁ〜です(笑)。
悪辣非道だが決して地から足が浮いた存在ではないガルザ。改めて、クリスタリア人であった素顔を眺める機会を得た今回です。
ガルザはやっぱりヨドン軍に入って良かったこともありました。鎧を被った格好のほうが、ぜんぜん良い。
なんか素顔のガルザは、おっさんみたいな顔つきです。声がカッコよくなければ、しょぼくれているように見えました。
まったくクリスタリア人は難しい。
姫のマブシーナこと「シーナちゃん」声や行動ばかりでなく、その立ち位置からしてヒロインです。
恋愛から程遠そうなキラメイレッドこと充瑠との間に芽生えるほのかな感情があったら良さげになるんじゃないか、なんて思ったりします。
が、やはり地球人とクリスタリア人の間に横たわる容姿の違いを克服するは、とても困難そうに見えます。
個人的にはキラメイジャーのヒロインは、瀬奈や小夜さんを差し置いてシーナちゃんだと考えています。ただこのままでは、単なる亡国の王女で終わってしまいそうなので、ここはぜひ充瑠に出張ってもらいたい。
まったく放送内容に合致しない鑑賞後の想いでした(笑)。
次回は、お待ちかねの新作
ついに新作エピソードが再開の運びとなりました。
『時がクルリと』キラメイイエローこと為朝が、時間ループに巻き込まれる内容のようです。
まるで中断期間など、ものもしない平常運転ぶりです。
「キラメイシルバー」で華々しく再開を飾るかな、と予想しておりましたが、ストックされたエピソードもあるでしょう。
追加戦士が登場したら辻褄が合わなくなるエピソードは、さっさと片付けなければいけない(笑)。
仮面ライダーゼロワンと違い、当たり前のように続きが始まる『魔進戦隊キラメイジャー』もちろん視聴者は、当然の有り難さを充分に身に染みてます、たぶん(笑)。
楽しみな日常を取り戻しすためにも、期待して待ってます。