アリスロスジェネ世代の【アリスはライブ盤だ!前編】聴いた順です。

谷村新司・堀内孝雄・矢沢透。この3人が組んだアリス。周囲に振れば、『不思議の〜』といった具合に、決して音楽のグループ名が真っ先に出てこない世代です。

本当にアリスがいなかったポケット世代だと思います。
世はCDへ移行していく時代。アリスの、特にライブ盤のCD化は遅かったと記憶しています。
しかもCD普及期における音質の酷さったらありません。酷過ぎて、Jazz関連は軒並み書い直ししましたが、逆にアリスは捨てられません。
正しくはアリスだから取ってしまっております。

そういえば、出直すたびに全て書い直しているって先輩(ライブ会場で知り合った人)がいたなぁ〜。話していた当時は、凄いですねぇ〜と笑って返していたけれども、もしかしてこれが普通?つまり自分の世代は甘いということです(笑)

さて個人的にはCDへの移行は遅かったほうだと思います。過去発売されたカタログの少なさと、音質の酷さが原因ですが、第一の理由といえばこれです。

「貸しレコード屋」の存在です。
現在はいくらでもハードディスクに放り込めますが、お小遣いのなかで音楽を聴いている子供にすれば、一番に音を保存しておく媒体は「カセット・テープ」レンタルしたレコードを録音して聴くが、ほとんどでした。

貸しレコード屋さん。やはりCDの貸し出し額は、レコードより高い。けれども2枚組は単体とさほど変わらない金額で貸し出してくれる。

今回は、ここで書いている人がライブ盤を「借りて聴いた順」になります。
そしてやっぱりアリスはライブだと強く認識すると共に活動停止中の現実に悶えるわけです(笑)

アリスほどライブ盤ばかり聴いてきたバンドはないんじゃないか。そう思います。スタジオ盤よりライブ音源の方が好きだ!と思わせたバンドは、もしかしてアリスだけかもしれません。

やっぱり凄いよな、アリスって。

アリス3606日
FINAL LIVE at KORAKUEN

ガツンッ、とやられた。
他にどう形容していいか、自分の貧困な語彙ではこれしかありません。

高らかに響くファンファーレから、一気に雪崩れ込むオープニング『LIBRA-右の心と左の心-』続く『荒ぶる魂-Soul on Burning Ice-』この迫力はハードロックとは違う、けれどそれ以上の強烈さです。

ここで覚えた興奮はアリス史上というより、音楽的体験において忘れられない瞬間でした。
だから2010年2月28日東京ドームにおいて、体験できた瞬間は「演ってくれた」ただそれだけでもう充分でした。

熱気の塊のようなライブアルバムです。『スナイパー』はここのバージョンが自分にとってお気に入りです。
アリスの出会いとなった『アリスXIII』の音源が『狂った果実』以外の曲で残っているライブ音源はここだけです。
『アリスⅨ』においても、ライブ音源のほうがだいたい好きです(笑)

その一方で『遠くで汽笛を聞きながら』これだけは、いただけなかった。ほとんどシャウトしまくりは、この曲には似合わない。
もしかして『遠笛』のライブ版は、いつもこんな感じなのか、とこれから聴く予定のライブ盤に怯えたものです。

後年、ライブ映像まで発売になりました。この印象強いライブが映像として手元に置けたこと、後追いにとってこれほどラッキーなことはありません。

栄光への脱出

最初の『アリス3606日』によって、すっかりライブ盤にやられてしまいました。
ほとばしる熱気に興奮が冷めないままです。

次に借りた『栄光への脱出』。
凄かった『アリス3606日』ライブ盤でしたが、ヒット曲がメドレーで処理されていました。これをまるまる1曲として演奏されたものを聴きたい、とした思惑にぴったりなラインナップです。

『冬の稲妻』『涙の誓い』『ジョニーの子守唄』が、まるっと聴けそうだ。しかも『君のひとみは10000ボルト』まできます。

以上のヒット曲がレコード以上の迫力で演奏されているに違いない!(ライブ盤もレコードなんですけどねw)

ところがチンペイさんがところどころ歌わない!二人で歌っている部分はもちろんのこと、時には谷村新司が歌うところをべーやんが歌っているではないか。

なんとなくMCや後に著書を読めば、チンペイさんは病み上がりということを知ります。
初めて聴いた当時は、フルバージョンとは言い切れない演奏にちょっぴり残念な気はしていました。現在となれば、リアルタイムな雰囲気が滲み出ていて、後追いとしてはむしろ良かったかなと思っています。

そうそう『スナイパー』それに『カリフォルニアにあこがれて』すげぇ、いい曲じゃん!と普通に聴きたくて「アリス」のレコードから必死に探していたことも懐かしい。
ソロだなんて、絶対に思っていなかった。思い込みとは恐ろしい限りです。

キンちゃんの生声を聴いたのも、これが最初です。むしろ『アリス3606日』こそキンちゃんの生声がない珍しいライブ盤なのだと、この時は知る由もありません。

限りなき挑戦-美しき絆 Hand in Hand-

『栄光の脱出』と同時にレンタルしたはずです。
しかしながら、立て続けに聴かなかった、いや聴けなかった。家に帰ってから遅くまで音楽など鳴らせません。特に当時はそうでした。しかもヘッドホンを持つまで、もう少し時間がかかります。

わくわく、といった調子で向かいます。けれども、そこはライブ盤。誰かの調子が悪いかもしれない。

絶好調でした。懸念していたチンペイさんは調子が良すぎるくらい。太い声で響かせてくれば、べーやんや演奏すら圧倒しそうなくらいです。

チャンピオンを体現する最高に勢いがあった頃ではないか、と想像してしまいます。

なにげにお気に入りの『12°30′ 』もリストに入っており、キンちゃんの『あなたがいるだけで』では素直に感動しました。なにせ前回のライブ盤において歌った『センチメンタル・ブルース』はお笑いっぽいというか、曲の内実と違って楽しい感じだったもので。
キンちゃん自分が歌う曲でも感動曲を作るんだ、と認識した次第です。

因みに、キンちゃんのソロアルバム『バラエティ・ツアー』CDが発売されて、ようやく聴けました。つまり最近になって、ということです。しかも時期によっては欠品状態が続いています。
購入して良かったと思う反面、あれだけのアルバムが購入困難な状態はよろしくないように思えます。

アリス・ファースト・ライヴ!

前述した2枚組のライブ盤3作品で、一旦は落ち着くことになります。落ち着くしかなかったのです。
なぜなら通う「レンタルレコード屋」さんは、これしかなかったからです。電車や駅までのバス(基本はチャリンコ)通学という、行動範囲が広がるまで待たなければなりません。

新しく入ったレンタルレコード屋さんは、2枚組と1枚では値段の格差が激しい。でもどうせ借りるんですが、取り敢えず1枚づつ。この頃は他にも借りたい音楽が多数あります。

そこで思い切って『 アリス・ファースト・ライヴ!』をチョイスしました。
何を思い切って、と疑問に思われるかもしれません。
正直に告白すれば『アリスⅠ』だけは、どうもダメです。現在でもあまりというか、ほとんど聴かないアルバムです。

それにも関わらず、これがライブとなればです。
オープニングの『明日への讃歌』から『木枯しの街』へ繋がるところのカッコよさったら、ありゃーしない!チャンピオンの萌芽がここに見られます、とするには我ながら先走りなような気がしますが、でも当時そう思ったのは確かです。

アルバムに入っていない『恋の悩みは不思議なもの』『小さな恋の物語』が名曲に聴こえる。というか、『アリスⅠ』に入っている曲もライブの方が全然良いと感じました。
べーやんがソロで歌った『冬の日』が妙に印象に残ったりしました。キンちゃんもチンペイさんも、初めからこんな楽しいトークを繰り広げていたわけです。

これは人気が出ると思いました。そうなると、あとは楽曲でいかに世へ出ていくか。ここが叶わず、ここからが苦闘の歴史が始まったとも言える記念碑的なライブ盤だと思えば、殊さら感慨深くなったりするから不思議です。