ネタバレ感想 アニメ【星合の空】未見の人にどう勧められるか、考えてみた

なかなか悩ましい作品となりました『星合の空』手放しでホメるわけには、とてもとても出来ません。けれども酷かったのか、と言われれば、むしろ逆です。
ここで書いている人は、アニメ作品の多くを最終回を迎えたところで、まとめての一気観を喜びとしています。けれども中には睡眠を削ってまで、と途中でやめることも、けっこうあります。性分としては、どんな作品でも最後まで見切りたいタイプですから、後日に回したりすることもしばしばあります。最終回もしくはその周辺だけ面白いという作品は、いつの時代にも確実に存在します。

『星合の空』は最初から次回が気になってしょうがなく、急くまま最後まで至りました。確かに、おもしろかったのですが・・・知らない方にはを催す言い方をしておりますが、鑑賞した方からすれば大きく頷かれていられるのではないか、と思います。

鑑賞後に事情を検索せずにはいられない作品でありました。ちょっと複雑な想いの整理と備忘録も兼ねて、未見の方だったらという前提でまとめていこうと思った今回です。

以下、ネタバレありの、独自解釈による偏見もありです。どうか、ご了承のほどをよろしくお願いします。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

TBS製作の深夜アニメ

2019年10月から12月まで、TBS『アニメリコ(animerico)』の枠で放送されました。

アニメリコ』今回の『星合の空』を観るまでは、単なるTBSアニメ深夜枠程度にしか思っておりませんでした。フジの『ノイタミナ』枠に対抗する企画だろう、と。

今回確認するまで、完全に誤解していたこと。TBS自社製作であるところから、全国ネットだと思い込んでおりました。表現規定の点を踏まえれば、UHFアニメ形態と取らなければ難しいはずでした。失念しておりました。
なんで「TOKYO MX」はこんなにアニメの新作を放送しているんだろう、と疑問を以て調べた際に知見を得ておりました。知識を活かせない良い例?となったようです。恥を晒すようで気が引けますが、今後の成長のためにもメモしておく、といった具合です。

アニメリコ』の名称が差し込まれたのも、2018年4月より、となっていますから、意外と最近なんだねと思ったくらいです。

アニメ枠としては、2004年から続く由緒ある深夜アニメ放送帯。『けいおん!』や『俺ガイル』を始めとする多くのヒット作を生んできています。
ただフジの『ノイタミナ』に較べ、浸透度や企画としての高度性は劣るような印象を持っております。

長くは続いているものの、業界を引っ張るほどまでにならないTBS製作のアニメ深夜枠といった印象です。

『星合の空』その作品の面白さ

テニスを題材として世を風靡した作品は数あります。
ここで書いている人はテニスに興味を持ったことはないですが、古くは『エースの狙え』から始まり『テニスの王子様』は、パッと浮かびます。所持している漫画では『しゃにむにGO』があります。

素直に報告すれば、テニスを扱った作品は上記の3作くらいしか、まともに観たこと読んだことはありません。

すみません、まともというのは語弊があります。『テニスの王子様』はかじった程度で、『エースを狙え』はうっすらしか記憶にございません(笑)
テニスを題材にした創作に対して、良い読者・視聴者とは言えないのです。

テニスには薄弱なここで書いている人ではありますが、それでも『星合の空』に新鮮さを感じたのは「軟式」であったことです。

軟式。ここで書いている人は、野球はそれなりに詳しいです。作品もそこそこに知れば、まず軟式を題材にした作品は極端に少ない。子供がやる設定ならともかくとして、本格的に野球を扱うなら硬球を投げて打つを舞台とします。
況してや現代において子供が気楽に草野球を興じる環境はなく、クラブチームに所属するしかないようであれば、小さいうちから硬式といった状況です。ますます軟式など取り入れられる要素がなくなっていきます。

軟式・硬式あるスポーツを本格的に描くなら、硬式へ設定は向くのは当然かもしれません。プロが存在するならばなおさらです。

これまで観て読んできたテニス作品は全て硬式でした。

ソフトテニス。軟式テニスは、現在そう呼ばれているのでしょうか。ここで書いている人が通っていた高校では、硬式テニス部・軟式テニス部と呼んでおりました。両部活が仲良かったところなど、ついぞ見たことはなかったと記憶しております。
そして硬式テニス部のほうが威張っていたような気もします。
あくまで部外者が端から見た感じで述べていることをご了承ください。

ちなみに通っていた中学校にはテニス部はなかったように記憶しています。本当かな?実はあったりして(笑)

『星合の空』の舞台である中学校では、軟式テニス部をソフトテニス部と呼称しています。意地の悪い硬式テニス部は出てきません(笑)。もっとも中学で硬式テニス部は存在するほうが珍しいようです。

中学生で部活としてやるならば、ソフトテニス部は現実的な設定だったわけです。
それでもさすが、と感心させられたのは、実際に合わせて取り入れたところではなく、物語の綾になる設定としてハマるスポーツだったからです。

テニスは個人競技です。けれども部活としてのソフトテニス部は、ダブルスにおける対戦しかない。ペアを組まなければならない点があるとないとでは、だいぶ様相を異とします。

男子ソフトテニス部は、いくら強豪の女子ソフトテニス部とはいえ負ける体たらく。部員もやる気もなければ、生徒会がこのまま勝てない状態ならば予算を割り当てられないと言う。

もう1人の主人公といえる部長は廃部にしたくない。ならば、今度の大会で勝つしかない。
そこへ転校してきた幼馴染みが、運動神経において優れていることを知る。主人公とも言えるこの転校生は、テニスなどやったことはない。ちょい生意気だが、けれど根は良い子でカリスマ的な雰囲気を持っている。みるみる上達していくし、チーム改革までしていく。
最大の手腕は、これまでのペアを変えたこと。これが功を奏し、またいろいろな問題を経ながら、煙たい存在だったところから信頼されていくようなっていく。

実にスポーツ番組として王道でありながら、元来個人プレーのテニスにチームワークを見事に持ち込んだことで、仲間や友情がより際立っていく。

加えて、部員たちの家庭における複雑さを絡めてくるので、単純にスポーツだけで済まない構成となっています。

弱小チームが強くなっていく物語は、やはりおもしろい。しかも成長していく部員たちが家族に悩まされ苦悩しつつも、心底からテニスというスポーツに魅了され、友達同士の絆を大事に思えるようになっていく。
刃渡りのような青春のなかでも懸命に進んでいく姿に、休められないまま観続けた。

良作として紹介したくなる作品であった。最終回を観るまでは。

事情を踏まえねばならなくなった

白熱したテニスの試合が勝利で終わらなかったにしろ、廃部からは無縁な雰囲気へなります。もう練習を投げ出すことはなさそうです。

もしソフトテニス部がプレーをしなくなるとしたら、外的な要因です。部員のほぼが家庭環境に問題を抱えています。
テニスを続けていくうえで最も障害になりそうなのは、家庭=親子問題となりそうでした。そしてその問題が最大限にまで高まったところで終了を迎えます。

えっ、これでお終い?唖然としましたが、それなりに経験を積んできたアニメ視聴者です。エンディング後に、第2期の告知がくると踏んでおりました。1クールを置いて再開するは、よくあることです。

ありません、なんのお知らせもありません。

『星合の空』原作・脚本・監督は赤根 和樹(あかね かずき)監督としては『天空のエスカフローネ』が一番に有名でしょうか。ロボットものなどを多く手がけてきているベテランアニメ演出家です。

『星合の空』は新しい分野へ挑戦としたとする赤根が押し進めてきたようです。原作から監督までこなしていれば、赤根が全て取り仕切っていた状況かと思われます。

放送終了において、赤根の言によれば、本来は全24話の分割2クールで予定。しかしながら放送半年前に当たる春に「12話のみ」へ変更された経緯がツイートされました。

まるで本人ではなく外的要因でテニスが出来なくなりそうな自作に倣うかのような制作側の展開です。

『アニメリコ』という枠から放送決定権はTBSが握っていると考えられます。急遽とする通達もしくは話し合いの相手はTBSであると思われます。
あくまで目安ですが、構成や設定等は入れず、ただの制作だけを抜き出し場合は、1クールは出来上がりに3ヶ月程度要すると言われています。

赤根は『星合の空』に2年以上の期間を費やしてきたそうです。春に変更の通知を出した側は「ぎりぎり何とかなるだろう」と見ていたのでしょう。
たぶんですが、こうした前例は以前にも起きているでしょう。そうして通達に従って製作された作品があったのではないか、と考えれば、いくつか思い浮かんできます。

アニメ製作における闇を見せられた経緯です。

もっともTBS側だけではなく、赤根側も何かしらの落ち度はあるかもしれません。2クールで、しかも分割で、ということは早い段階から前提条件として掲げられていたはずです。
それが直前とも言える時期に変更が告げられたか。
中小企業で苦労した(している)身としては「カネを払うほうは横暴だからなぁ〜」で済ましたいところではあります。
けれど赤根も演出の前は制作進行を担当した経歴があります。事前に予期などは出来ずとも、対応法はなかったのか。

なぜ、突如として短縮を求められたか。製作における条件が折り合わずかもしれないし、無能が紛れ込んでしまったためにポシャる現場などアニメに限った話しではありません。

ただ仕事上において、どんな問題が起きても過去の経緯を洗い流せるのは「おカネ」であります。なんだかんだあっても「儲かる」これがあれば、問題は解決するから資本主義は恐ろしい反面、成長が見込まれるわけです。

『星合の空』現在は、全くの未定だそうですが、白紙というわけではありません。赤根は続編製作には意欲を見せております。
作品の売り上げが望めればクリアになるでしょう。当たるかどうか分からない新作に掛けるより、ある程度確実な売り上げを見込める作品に手を上げずとはいかないでしょう。

製作決定側は作品の出来に対する良し悪しではなく、売り上げ数値のみを頼りとしている面があります。続編は今後の推移を見守るしかないようです。

ただし少々冷たい態度かと思われるかもしれませんが、これはこれで終わったとしても忘れられない作品になりそうです。
運動神経抜群で頭も切れ、普段の態度もクールに決めていく。テニス部では圧倒的な存在感を示す主人公も、結局は力のない中学生として邪魔な父親へ刃物を持って向かうしかない。

救われないからこそ、ずっと残っていきそうな気がします。

とはいえ、やはり「続き」は作られて欲しい。なにせバッド・エンディングは印象に残っても、観返しとするにはきついですから。