ネタバレ感想【仮面ライダーゼロワン】第16話 コレがZAIA(ザイア)の夜明け

陰の努力

ヒューマギアの演技は難しい。
ど素人が演技に良かった悪かったくらいの感想ならともかくとして、技術論的に語るなんておこがましいか。

では言い方を変えて、ヒューマギアの演技は大変である。

人間を模しながらも機械的動作を入れなければいけない。日常において、まず馴染みがない要素を取り入れなければならない。開始に当たってはスタッフも含め、特に試行錯誤したヒューマギアの演技ではなかったか、と推測している。

ヒューマギアを演じるに当たって「瞬きをしない」ように心がけているとくれば、自分からすれば考えられない。眼を悪くして通院する身をすれば、検査の際に数秒間だけでも瞬きを控えることの苦痛はなかなかなものである。

無意識ならば、瞬きはしてしまう。意識すれば、気を持っていかれるほど大変な作業である。

それを撮影中はずっとやっている。俳優とは凄いものである。誰もが出来ることではない。

「まきぞえさん」と言われた福添副社長のシーンは、思い出し笑いをしてしまうくらい気に入っている。不破さんではないが、妙に笑いのツボを突かれてしまった。
だから厳しい評価というより、演じるアンジャッシュ児嶋はタレントなのだな、と思う。児嶋は児嶋なりに好演しているし、自分としても好印象を持っている。それでも俳優を志した者ならでは、といった気概の違いをゼロワン出演キャストから感じるわけである。

オーディションに受かるのも以前とは比べ物にならないほど大変になったとされる特撮ヒーロー番組である。

当初から気構えは出来上がっているだろう。演技は初めて、もしくは始めたばかりとは思えないレベルで最初から入ってくる。

最初からゼロワンは演技力もさることながら、圧倒的な存在感を示すキャスト陣ときている。初めから替えが利かない出演メンバーである。

唯一不安定と挙げるならば、イズと共に飛電インテリジェンス副社長付きの秘書ヒューマギアであるシェスタくらいだけだった。むしろ特撮番組開始したばかりの現場で、1人くらいは居てもいいぐらいの新人キャストぶりと言える。

そんなシェスタだが、今回において副社長をたしなめるシーンがあった。社長を継続させるかどうかの役員取締役会で、ただ付き従うだけではない、ヒューマギアだからこその仕事ぶりを見せてくる。

もうシェスタの演技は拙いどころか、見事と言えるほどである。これまでそう出番があったわけではない。けれども2回目の登場際には見違えるようになり映画を踏まえれば、ここまでのレベルまでにきた。
演じる成田愛純が、どれほどの練習してきたか。目立たぬポジションにありながらも伝わってくる努力が、ゼロワンという作品の底を押し上げているに違いない。

コレがZAIAの夜明け

開幕が滅亡迅雷.netとの最終決戦である。

覚醒はしたものの、もうはいないと、初めてイズが帯同せずの或人である。最強の力を手にした孤独な同士の戦いなのである。

いや、そうではないか。
確かには亡きへの想いを胸に、ゼロワンを追い詰めるまでへ至る。

けれども或人が絶体絶命に陥った意識へ、イズは飛び込んでくる。いつものギャグをじゃれ合うように交わし合えば、必ず勝つ(帰る)から直して待ってて欲しいとする或人。頷くイズと指切りを交わすシーンに感動せずにはいられない。

決着は両ライダーのキック同士による激突でつける。

これが冒頭であり、まず最初のCMにも入らないうちに、このクライマックスぶりである。ここだけ抜き出して、知らない人へ見せたら、今放送分どころか番組における最終局面だと思うかもしれない。

けれども大森プロデューサーの傾向として、捻りといった変化球よりも直球の速さに任せるような展開で驚かせてくることを得意としているように思える。意外性よりもスピードで不意を突いてくる。

滅亡迅雷.netの廃墟も同然のアジトへ、外に付きの人間を待たせているかもしれないが、1人乗り込んでくる。ZAIAという巨大企業の社長ながら、フットワークは軽い。動かなくなったを踏みつけ、進捗率は決め台詞になりつつある「1000%」を口にする。

なかなか全貌を見せず、完全に表へ出てきたと思えばいかがわしい限りのセリフや行動に、その存在感。怪しすぎるゆえに、素直に疑えなかったくらいである。

が最後まで従った、アークの意志。それを生み出したのは自分だと、ZAIAの青年社長は唯阿へ堂々と打ち明ける。これまでの事件を予見できていた事実はこれで納得は出来る。
納得は出来るが、ZAIA社長であるの告白は真実なのか、疑わずにはいられない。テイブレイクの発生やアークの意志の元に動いた滅亡迅雷.netなど全ての元凶だとなる。1人でやりきったと思っているだけで、自身もまた他の意向に踊らされているのではないか。

次回タイトルは『ワタシこそが社長で仮面ライダー』。
の目的は会社云々よりも、或人へ向かっているのではないか。は何か過去の経緯から、或人が必要以上に意識せずにはいられない相手になっている。会社を介した支配欲と見せかけ、実は個人的感情で動いていないか。
もうすっかり先走るまま暴走させてしまうくらい、話しの続きが待ち遠しい現在の自分なのである。

けれども今年最後の放送として、次週はお休みである。おかげで年末などいらん、といった気分である。

滅亡迅雷.netの討伐に成功したためA.I.M.S.は抜け、ZAIAの社員に戻った唯阿は社長のには逆らえない。ただ心裏腹といった態度であれば、今後どうなるか。

滅亡迅雷.netを潰したことで目的を果たした不破だが、長年たぎらせていた復讐心の行き着く先の虚しさを覚えている。

これから飛電の或人とZAIAのの間における対立がしばらくストーリーの主筋になるだろうが、不破唯阿の絡み次第で結果が動くという展開も充分にあり得る。
なにより、だけでなくもまたこのまま終わるものだろうか。

楽しみは来年へ持ち越しである。
来年もこんな調子ですがよろしくお願いします、ということで締めさせてもらうわけであります。