ネタバレ感想【仮面ライダーゼロワン】第14話 オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!

チーフプロデューサーである大森 敬仁(おおもり たかひと)のイメージといえば「徹底的に任せるヒト」心中するかのように、メインライターにとことん書かせる姿勢が印象的です。
エグゼイド・ビルドといった作品においては、メインライターに本編だけでなく主たる活躍を見せる映画やVシネマまで、全てを担当させます。

平成第1期における白倉伸一郎プロデューサーが、ライターに井上敏樹をメイン登用した時期を彷彿させます。

ただこれはあくまで個人的イメージになりますが、白倉Pに任された井上敏樹の場合、能力もさることながら速筆であった点が大きかったように考えます。
白倉Pが雑誌のインタビューで、井上敏樹のことを「気持ち悪いくらい自分の考えていることを書いてくれる」と答えています。これを読んだ時は、本当か?と疑いました(笑)
平成第1期は、まだどこで打ち切られるか知れたものではない状況でした。加えてクウガ・響鬼(前半)のメインプロデューサーの高寺成紀が「名」であるが「迷」でもあったため、混乱を陥った際のまとめ役をこなした功績も踏まえていたように思われます。

大森Pがプロデューサー補ながら、初参加した仮面ライダー作品は『仮面ライダー響鬼』途中メインプロデューサーが交代するといった、もっとも混乱した現場がいきなりの経験であったことは少なからぬ影響を受けたはずです。

ゼロワン開始当初は、メインライターが全担当を行うものと考えておりました。エグゼイド以来となる高橋悠也です。連続登用でもなければ、前回に倣う形でいくのか。

ところが進行すれば、13話中5話は筧 昌也(かけひ まさや)、そこへ三条 陸(さんじょう りく)が2話の脚本を担当します。高橋悠也は6話といった半分にも満たない。

確かに高橋悠也は冬に控えた映画の脚本を書かなければならない面を考慮したのかもしれません。筧昌也という東映特撮における新規ライターの奮闘を取り入れたかったのかもしれません。大森Pが初めて仮面ライダーのチーフプロデューサーを努めたドライブにおいては、メインにサブと複数のライターで挑む形を取っています。

令和初の仮面ライダーにおいて、大森Pは自身にとっても初めての体制で挑もうとしているのかもしれません。
そして、いずれのエピソードも力の入った内容となっています。ドライブのメインだったとはいえ、大森Pが指揮する作品へ久々の参加となった三条陸の12・13話などクライマックス的な盛り上がりを見せました。もし名が伏せられ、メインライターが書いたとされても疑わないほどです。

誰が書いても大丈夫と思わせる、脚本家の強力なラインナップです。

そんな中で、今回第14話はメインライター高橋悠也が担当です。
監督は、諸田 敏(もろた さとし)個人的には最多演出を得意としている(笑)といった印象です。いろいろ思い出深い監督さんでもありますが、まだまだ現役であり、今回がゼロワン初参加となります。

今回のタイトルは『オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!』某有名漫画をパクったような、力強い明るさを感じさせます。
ゼロワン得意の、タイトルからの引っ掛けです。油断するとエラい目に遭います。

作られたAIロボでありながら兄弟とする関係性は人間の欺瞞ではないか。そう考えそうになりますが、前回のエピソードにおけるイズと、その兄ワズにおいてヒューマギアにおける兄妹が描かれました。
憎いほどに見事な流れで関連性を持たせてきます。ゼロワンは1話とて見逃せません。

ヒューマギアながら、名乗る通りの宇宙野郎として気持ちいいアニキの雷電。けれども飛電インテリジェンス内部にスパイの存在を疑うA.I.M.S.は「滅亡迅雷」の名称から「雷」に当たるのではないか、と目をつける。

雷電の気質はスパイから最も遠い。けれど「雷」の存在を匂わすような発言はする。ハッキングを押し退ける力強さも見せる。けれどもデイブレイク以前から存在するヒューマギアときている。

結局は、滅亡迅雷.netから秘かに操られているヒューマギアでした。スパイであり、「雷」に当たる存在として「仮面ライダー雷」へ変身までします。

たった1話内において、正体を明らかにするまでの観ている側との駆け引きみたい展開は怒涛であり、ここにまた不破 諫ふわ いさむ)の心理状態まで盛り込んでくるのだから、ストーリー濃度の高さは述べるまでもない。しかもこれが前編である。このエピソードが前後か前中後になるか現時点では不明だが、入り口において内容濃くきている。

一体全体、どうなっていくのだろうか?
次回タイトルは『ソレゾレの終わり』ときます。
滅亡迅雷.netを追うA.I.M.S.がアジトらしき場所のメドが立てば放っておくはずもない。最終決戦という言葉が踊るほど、ここ年末へ向けての佳境へ入っていくようです。映画『仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーション』公開直前の回となります。

ここまでくれば、期待でいつになく昂っております!これこそリアルタイムで観ている者だけが味わえる感覚です。後世における作品の冷静な評価などでは、決して窺い知れない感覚です。

或人の影響で、ヒューマギアに対する頑なな態度もほぐれかけた不破が以前よりいっそう険しい態度を見せてきます。怒りを原動力にするのはまだしも「笑いをいらない」とするは、行動及び本人自身に危険性を感じます。
仮面ライダー滅に敗北を喫した不破滅亡迅雷.netでなければ無理とされたウルフのプログライズキーをこじ開けます。アサルトウルフになったことで、初めての顔に驚きを浮かべさせたのが一度は敗退へ追い込んだ不破からだった。個人的に、ぐっときてしまうシチュエーションです。

そして何よりも感心しているのは、現時点におけるゼロワン最強フォーム『シャイニングホッパー』とバルカン最強フォーム『アサルトウルフ』共に変身者の或人不破へ使用した分だけ、リバウンドがきます。無敵とする力を無尽蔵に使用するわけにはいかない設定は秘かに望んでおりました。
どんどん強くなっていく、といったパターンを少し留めるパターンがあってもいいんじゃないかなあ〜、なんて思っていたりしたところへです。不破がアサルトウルフになった反動で血を吐くシーンは、リスクを心持ちにしていた自分のど真ん中を射抜かれました。痛々しい場面を喜ぶなどとヒトとしてどうかと考えつつも、良かったです(笑)

冷徹な女ライダーと思われたですが、悪そうなZAIAの社長天津垓あまつがい)へ不破の身を案じる発言をします。ゼロワンのキャラは振り幅が広いです。

そしてキャラとして最も謎にある天津社長が口にする、方舟が導く新時代の神話「仮面ライダーの神話」とは何なのか?

「雷」が加わったことで、人間側とヒューマギア側における仮面ライダーは、3対3となり同戦力となりました。けれども滅亡迅雷.net側における「亡」に当たるライダーは出てくるのか。

誰もが仮面ライダーと口にするなか、主人公でありゼロワンの或人だけは名乗っていません。いずれ名乗る時はくると予想しています。それが、どんなシチュエーションの、どのシーンでくるか。

待ち切れないのは放送分だけでなく、映画まで及んでいる今日この頃なのです。