ネタバレ感想【ウルトラマンタイガ】第23話 激突! ウルトラビッグマッチ!
仮面ライダーは20周年とくるが、ウルトラマンも10周年ときています。
ただウルトラマンの方は仮面ライダーと違って番組自体でなく、ゼロというキャラクターに対してです。
2009年12月12日。
東映において、好評を以って放送中の『仮面ライダーW』と完結編として待ち望まれていた『仮面ライダーディケイド』の2本立てに共闘編が観られる『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』が公開されます。
その同日に『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』もまた公開されます。松竹からワーナーブラザーズと配給元のスケールが大きくなり、製作側の期待も高かったように思えます。
では観客の1人として代表させていただけば(笑)、自分はまず仮面ライダーのMOVIE大戦でした。気になるテレビ繋がりの結末を優先です。そして観終わった感想は、期待ほどではなかった。
今一つの想いを満たしてくれることを信じて、ウルトラマンへ向かいます。ただし、鑑賞前の期待はそれほど抱いておりません。
理由は単純。話題性のために著名人や俳優・タレントに声を当てさせることは大反対です。それをやっていたからです
声の演技が出来ないということは、いくら顔や身体の表現が出来ても台無しにしてしまう可能性があります。況してや、一般の吹き替えとは違い、表情のないウルトラマンや怪獣の世界であること認識して欲しい。
だから思わず好演、もしくはハマっていた時は嬉しい限りになりますが。
『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』は、どうだったかというと「う〜ん、まぁまぁ」なんとか形にはなっているものの、やっぱり声優を使ったほうが良かったんじゃないの!と言いたくなりました。
でも、ウルトラの母は酷かったな。メビウスでは池田昌子さんが担当しており、これ以上にないキャスティングでした。メーテル(銀河鉄道999だよ)から変わらない神秘さは、まさしくM78星雲の母でした。
当映画で担当したのは・・・汚い言葉を投げてしまいそうなので、言及はよしましょう。特撮ヒーロー番組を愛好するものが悪に染まるような言動を投げてはいけません。
けれど敢えて一言させていただければ、もう二度とウルトラに、声優という仕事に関わるな!初めてウルトラマンを観た子にとって一生の宝物になるかもしれないことを、とてもじゃないが理解できているとは思えない。ホント、酷かったわ!近くの席にいた子供が笑っていたぞ!
けれども肝心な主役である『ウルトラマンゼロ』は間違えずで良かった。宮野真守は合っていた、というよりゼロのキャラクターを育ててくれました。時に専門外から呼び込むことで化学反応が起きる場合もあることを否定しません。でも大事な部分は、真摯に向き合っているその分野のスペシャリストに任せましょう。
声優は誰でも出来る仕事ではない。声当てでの話題性など、大した効果は挙がらないことをいい加減に理解して欲しい。むしろ下手な声当ては作品をコケさせるだけです。
話しがすっかり飛びましたが『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』を観た感想としては、仮面ライダーの今一つを満たすほどではない、まぁまぁだったかな。
ただし、ウルトラマンゼロにはとても魅力を感じました。やんちゃなくせに優しく、過ちを犯しながらも熱血漢。これまでにないウルトラ戦士の性格は、これからの可能性を感じさせます。今度はフルの活躍を見たい、と思わせてくれるキャラクターでした。
その後は期待に応えての活躍。ニュージェネレーションズと銘打たれるテレビシリーズが開始されるまででなく、始まってもなお重要なポジションを担ってきました。
登場して以来ずっと活躍してきたと言っていい、ウルトラマンゼロは今年度師走にして10周年です。記念すべきであれば、来年に『ウルトラマン クロニクル ZERO&GEED(ゼロ アンド ジード)』として番組が組まれました。
新番組です。つまり現在放送の『ウルトラマンタイガ』の終わりが迫っていることを実感させます。残すところ今回を含め、あと3回!次の番組のナビゲーターはリクがやるんだ、大御所ブースカは出ないのか?といったところに心奪われている場合ではないのです(笑)。
以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
今回はチブル星人
このたび敵の宇宙人として、スラン星人・ゴドラ星人・ザラブ星人にチブル星人が加わります。
前者3名の宇宙人は取り敢えず置いておくとして、チブル星人です。公式で確認したところ『マブゼ』なる名前があります。
マブゼ・・・憶えのある名です。
ニュージャネレーションズ期におけるチブル星人といえば『ウルトラマンギンガS』における悪逆非道な活躍が記憶に新しい。ただ名前は『エクセラー』スパークドールに還された後は不明です。
今回は、ウルトラマンゼロが出てくることから、過去の因縁が甦える設定があるのではないか。ギンガSからの復活か、と一瞬考えたものの名前が違いました。
もっともチブル星人は『ウルトラマンR/B』に出ておりました。あの節は無責任なテレビプロデューサーでした。一般組織においてもそれなりの地位に就くところが、知能指数が1万とも5万とも噂されるのも伊達ではない。決して能力が低いようではなさそうです。
ただ姿通り頭でっかちなゆえか、実行の際における詰めの甘さや抜け方が成功者へなり得ないようです。
今回、登場したチブル星人マブゼ。ウルトラマンを排除したいが妙案の浮かばない3星人に力を貸す、というより首謀者になります。
『ウルトラマンベリアル』その因子を以って、再現させます。オリジナルを源にしてますから「にせ」というより「クローン」といったところでしょうか。
新たなベリアルを生むための発動は、相変わらず自分ではやりません。他の宇宙人に任せます。
マブゼ・・・そうです、タイガにおいて既に出ております。同番組の第15話「キミの声が聞こえない」に登場していました。
多数の怪獣を捕獲し、人体実験ならぬ怪獣実験で新生物を作り出そうとするマッドサイエンティストでした。生命の冒涜という観点から、許し難いヤツであります。
その15話でベリアル因子を元に「スカルゴモラ」を生み出しておりました。
ストーリーの線上として繋がっていたわけです・・・すっかり忘れておりました。
しかしながら、このマブゼ。前回でベリアル因子にゴモラとレッドキングを掛け合わせて、最高作を生み出したとしたはずです。
それがなんで、今回はベリアル因子のみで、素体の復元としたのでしょう?前回の結果により考えを改め、ベリアル本体の力を遡求する。そうだとしたら、悪の性根ながら失敗を糧にする前向きな開発者として評価したくなります。
けれども、詰めきれないところがチブル星人の本質なのでしょうか。
ずっと離れた場所で指示していれば良かったのにマブゼは現場へやってきてしまいます。わざわざ今回の騒動における宇宙人たちの許へ一同に会することで、一網打尽の憂き目になります。
「頭がいい」とは、勉強や研究といった机上においてか、実際の行動する場における機転なのか。頭が良いといっても、傾向があります。
知能は高いチブル星人でありますが「宇宙最高」とする自惚れが、最高に発揮できる環境を見失わせているようです。適材適所を見極めたうえで、己れの活躍の場を決めるべきです。帝王と名乗るバド星人よりは遥かにマシであることから、後は意識次第といったところでしょうか。
辻本でした
移動する車内からベリアルを見上げるカット。これがもう、たまりません。なぜか実写によるCG等による合成ではなく、ミニチュアで撮影されれば興奮するのか!これだけは全く個人的嗜好としか言いようがありません。
辻本監督の感性は、自分を刺激します。
その辻本監督が前回放送後のインタビューで、ミニチュアばかりでなくバトルシーンもきっちり出来ます、みたいな要旨で答えておりました。
結論から言えば、いやぁ〜ミニチュアが凄かったですね(笑)。
高速道路をミニチュアカーは走行しているし、手前に置く車両類がいろいろな細かくいい味を出しています。全体的にビルといった高層建築物が居並び、普段の市街戦から都市戦の様相を強く観せてくれます。
今回もまたミニチュアへのこだわりがないなどと言わせないカットが満載でした。
とはいえ、そこは有言実行でウルトラ同士のバトルもしっかりです。フーマの足を引っ掛けることで攻撃へ転じさせるトレギアといった、アイディアが光ります。ゼロが登場したことでタッグマッチへ移行するなど、トレギアのキャラを活かした展開です。
そのゼロの登場も、空から颯爽とではなく地面から、たぶん次元を越えてだと思われますが、眩いほどに輝きながら浮上する格好です。あるようなかった客演ウルトラマンの登場シーンに胸躍ります。
そうは簡単にいかせない辻本演出です。
今回のゼロはタイガへの助太刀もありましたが、主な目的はブレスレットを渡すためであったようです。ここは『帰ってきたウルトラマン』にて、ジャックへセブンが後々までずっと強力な武器になるブレスレットを渡した、そのオマージュとして捉えても良さそうな場面でした。
最終エピソードにおいて、このブレスレットがどんな効果を見せるのか。もう残すは2話のみです。
《次回》私はピリカ
今回、敵の宇宙人が排除したいウルトラマンとして、トレギアも入れていたこと。トレギアがウルトラマンであることを、ここ一番へ向かう直前で認識させてきます。
どういったラストへ向かうのか?
ヒロユキがタイガへ変身する際に間違えてフォークを握るネタはやってしまいました(笑)。
ここずっと現れていた宇宙からの飛来物が、いよいよです。それに、なんと言ってもピリカがどんな秘密を抱えているのか。
最終回はもう間近なんですね。