ネタバレあり【仮面ライダーゼロワン】第13話 ワタシの仕事は社長秘書

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

ワタシの仕事は社長秘書

を気の毒に想う。
正確に言うならば、刃唯阿(やいばゆあ)役の井桁 弘恵(いげた ひろえ)に不運を感じています。

誰が見ても、美人です。ヒトの容貌に対する好みはそれぞれであっても、「キレイ」な部類に入ることに異存はないかと思います。
近寄りがたい役柄を演じていますが、見た雰囲気として取り澄ました感じはありません。むしろ、可愛らしさすら滲ませます。
美人ながら親しみ易さが、ブライダルのCMというキャリアを得られた要因かもしれません。

舞台裏などの映像から、井桁 弘恵とは逆かもしれないキャラクターを覗かせます。だからこそ普段は勤務先の意向を第一とする姿勢を取りながら、冷徹になりきれない役どころがハマるのかもしれません。

しかも役は、仮面ライダーバルキリーへ変身します。

平成は女性がライダーへなる垣根が取り払われた時代です。大きな変革の一つとして挙げられます。特別なことでした。

令和となり、その第一弾となる『仮面ライダーゼロワン』においては当初から女性ライダーが登場する。これは話題の一つになっていました。

女性の変身するとしても、他の男性が変身するライダーと比肩する強靭さを見せてきます。プログライズキーを掌で回しながらの変身ポーズもカッコいい。まったく問題がない。

問題がない、これが問題なような気がします。

時代の趨勢とはいえ、女性がライダーとしてのっけから活躍していく作品は『仮面ライダーゼロワン』が初めてです。1971年に第一作が開始され、「平成」と銘打たれ現在まで続くシリーズも20年を数えるほどです。
それほど長期に渡るなかで、初の試みとなるが変身する仮面ライダーバルキリーという存在。番組開始前の宣材として一つの大きなファクターになっていました。
放映が開始されれば、演じる井桁弘恵の頑張りと設定やストーリーが違和感なく溶け込ませていきます。

あまりに自然すぎて話題にしようがない。多少の瑕疵があったほうが取り上げられる、悪かったことで却って注目を集められるといった現実があります。

もちろん作品としては、キャラクターが世界に馴染んでくれたほうが良い。実際に仮面ライダーバルキリーことは不穏な大企業の手先であるゆえ、物語をかき回す役どころで目が離せない。

本来なら、もっと耳目を集める存在であり得たのではないか。

不運としか言いようがないのは、イズの存在であります。
正確に述べるなら、イズ役の鶴嶋 乃愛(つるしま のあ)にあります。
ヒューマギアというAIロボをヒロインとする、これもまた仮面ライダーの歴史においては初めての試みです。しかも初めての芝居にして名演技とくれば、これ以上のインパクトはありません。

加えては出来上がった大人としての振る舞いであるに対し、機械でありながらイズは成長を見せてきます。視聴者として入れ込みやすいキャラクターとしては、後者のタイプであることは疑い得ない。

仮面ライダーゼロワンこと飛電 或人ひでん あると役の高橋 文哉(たかはし ふみや)が、鶴嶋乃愛の演技は上手いと言っております。お世辞ではなく脱帽している様子です。

高橋文哉は新人めいた演技がどこにあるか探さなければならないほど、熱演を繰り広げています。歴代の主人公と比べても、或人は当初から完成度が高かったです。それでも鶴嶋乃愛には感嘆するしかない。それは視聴者の気持ちを代弁しているかのようです。

イズが大ピンチの或人へシャイニングホッパープログライズキーを渡したシーン。

最後の最後で兄と認めたワズの「命と引き換えに」完成したプログライズキーであることを訴えるイズに感動せずにいられません。感情を爆発させながらも、ヒューマギアゆえの表現を抑えた部分も織り交ぜなければいけない。イズが尽き動かされるように頭を下げる場面には、熱いものが湧き上がってきます。

いや、その前にです。
或人の潜在能力の高さにシステムが追いつかないことへ見当が付いた時点でイズは廃棄を意味するデータ移譲を覚悟しています。何気なく送り出す或人を、いつになく見つめています。
データを渡す直前においては、或人のことばかりが脳裏に浮かぶ。機械仕掛けでありながら脳裏という表現はおかしいかもしれないが、そうとしか言いようがない。

飛電インテリジェンスの創始者であり或人の祖父である是之助は、ワズを「我が友」と呼びます。そのワズイズに向かって「人生の先輩」と返します。

ヒューマギアにどれだけの未来を見られるか。それは大人の目で見てしまう視聴者にも問うテーマです。
ヒューマギアとして一緒くたに眺めてはいけないのかもしれません。人間と同様に、個々それぞれが違うと考えなければいけないのかもしれない。人間と同様に、一括りにラベルを貼って判断してはいけないのかもしれません。

ワズを見送る際に見せたイズの涙を流せない悲しむ表情に、観ている方は感情を揺さぶられて仕方がない。

役柄上決して派手にいけない、しかし観客へ間違いなく届ける鶴嶋乃愛の演技には感謝すら憶えます。

ゼロワンという作品はイズに食われている。そう言いたくなるが、やはり断定まではいかない。

当初から高いテンションを見せてきた或人は、ここにきて凄みが出てきています。仮面ライダーバルカンこと不破 諫ふわ いさむは中の人の関西系ノリを取り入れてか、笑いへ繋げる細かなアクションを生む余裕が出てきた。は当初危なかっしいセリフ回しもあったが、現在は安心して観ていられる。

ゲストのいずれもが、ただ登場といった感じではなく足跡を残していく。

イズの尋常ならざる存在感が、ゼロワンの現場における底上げに貢献しているとするのは過大すぎるだろうか?そうであったしても、第13話『ワタシの仕事は社長秘書』に対する感動が止まらないのです。

けれども、まだ最終局面どころか序盤を過ぎた程度でしかない。
ここまで出番は少ないにも関わらず、妙に存在が大きいZAIAの社長である天津垓あまつがい。シャイニングホッパープログライズキーが完成しなかったのはデータ不足となっているが、この巨大企業の青年社長が横やりを入れていないか。ゼロワンを助ける通信衛星ゼアへのアクセスを可能としていることから、疑いは尽きない。

ドードーマギアが倒されたことで、暗殺ちゃんを演じていた松村 龍之介(まつむら りゅうのすけ)はオールアップであります。しかしながら今後においてヒューマギアに暗殺されかけた大和田伸也の再出演があるかもしれず、その節はどうなるか。同じ顔した「祭田ゼット」は、5号が残っております。

無類の力を誇るシャイニングホッパーは変身する或人の体力をかなり奪う模様。弱点を抱えた強化形態であるため、いつでもとはいかない。どんなシチュエーションで発揮されるかも今後の見どころになりそうです。

どう芽吹くか楽しみな伏線のタネは多く撒かれています。

次回『オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!』テレビ放送だけでなく映画にまで、どう喰い込んでくるか。
楽しみ、もうその一言です。