ネタバレ感想【ウルトラマンタイガ】第22話 タッコングは謎だ

既にご存知の方が大半かと思いますが、モンスターバース版ゴジラの次作『ゴジラVSコング』(原題:Godzilla vs. Kong)の公開は2020年3月13日を予定していたものが11月20日へ延期されました。

非常に残念であります。

オリンピック前に堪能できると喜んでいたものが、だいぶ後へなります。世界中から注目されるスポーツ大イベントなんぞ、特撮の魅力に比べたら!とするここで書いている人であることを、多少なりとも読んでくださってきた方ならお分かりいただけるかと存じます。

やはり明るい陽射しの下より、闇です。昼より、何が潜んでいるか分からない夜こそ我が人生の時なのです(笑)

だから春先には観られるものとすっかり思い込んでいた身には、8ヶ月以上も先に延期されたことは悲しい限りです。年末に変更とは2020年まるまる損した気分になりそうです。

次作のウルトラマンが佳境に入る頃か、と想像すれば時の流れの早さを感じていることでしょう。

でも「次作」と考えられるだけでも幸せなのです。

特撮番組と範疇される作品といえば、3作品のみ。そう、たった3つしかない。しかも内訳といえば等身大ヒーローが2つに、巨大怪獣ものが1つ。それでさえ、ここ近年になってようやく定着の兆しが見えてきたが、将来はどうなるか分からない。

この3作品が活性化するためにも、別枠においても活発であって欲しいところですが、こちらは思うようにいかない。

大人向けの『牙狼』も以前ほどの勢いがなく、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』も思った以上ではなかったための公開延期ではないか、と噂されています。

仮面ライダーの大人気ぶりとアメコミ・ヒーローの興隆で全世界的にウケていると考えがちになっていますが、そこはエンターティメント。どこで人気が崩れ出すかは分からない、怖ろしさを覚えます。あの『スターウオーズ』でさえ、製作スケジュールがまずかったとはいえ苦戦へ陥るのですから油断なりません。

特撮は応援していきたい。ただ来年の今頃に公開となっているだろう『ゴジラVSコング』楽しみに待つ時間が長くなったと思いましょう、としたいところです。
けれどもオリンピックという祭りの後は経済停滞が覆う時期です。社会情勢が落ち込みを見せている時分か、と暗い予測で心楽しくなれないままです。

そう言いながら、公開が近くと「楽しみで仕方がありません」となるでしょう、その点は間違いない(笑)
そして新規のウルトラマンについて、あーこー述べていられたら、と思っています。けれども先はどうなるか分かりません。

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【帰りマンのタッコング】これも凄かった

円谷・東映問わず現在の特撮スタッフは、昭和の第二期直撃世代が多いのか、と考えたくなるほど『帰ってきたウルトラマン』ネタ絡みが続いています。

東映の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』においては、郷秀樹が大活躍です。その旨を記した記事は、以下です。

つい先頃の放送です。2週に渡って団時朗を出演させては、郷秀樹ネタを常に出す徹底ぶりです。しかもこれをやっているのが、東映ときます。本家である円谷も負けていられないところです。

だからといって、リュウソウジャーを観て奮起したとするにはスケジュール的に、どう考えても無理があります。たまたま同じ番組から拾ったネタが同時期の使用となった。

たまたま・・・むしろ偶然で被ってしまうところが凄いのかもしれません。

『帰ってきたウルトラマン』昭和ウルトラマン第一期世代からはボロクソに言われていた第二期の先陣を切った作品です。

当時その姿を確認するにはテレビか雑誌ぐらいです。検索など考えられない時代です。初めて観たウルトラマンとした人たちは多数いたでしょう。

帰ってきたウルトラマン』第1話『怪獣総進撃』において、いきなり始まるのは臨海部における大怪獣の激突です。
タッコングザザーンが、水しぶきを上げながら激闘を繰り広げます。ここはとてもこだわりがあるシーンでした。

タッコングザザーンの戦いにおけるカット割り。この全てが建物の間から覗く形です。両怪獣は、どーんと全貌を捉えさせず、常にミニチュアの隙間から撮影した場面となっています。

『帰ってきたウルトラマン』で語るとしたら、まず第1回冒頭における両怪獣激突のカット割りの徹底さを挙げます。一度もカメラを上げずに押し通す。後にも先にない、ここだけで見せられたこだわりある一連の特撮シーンでした。

力みと言ってもいいくらい力が込もった帰マンの第1話によって、特撮にハメられた少年は多かったはず!その証拠がここ最近において円谷・東映関係なく取り上げられているところから見取れるのではないでしょうか。

【辻本】期待です

『タッコングは謎だ』と、観ている方が謎だとしたいタイトル回の脚本は、柳井 祥緒(やない さちお)ウルトラマンXからずっと参加しており、タイガではあの『夕映えの戦士』を担当しております。帰マンなら任せろ、といった担当ぶりです。

そして監督は、タイガにおいては一押しになりそうな辻本貴則です。今回もやってくれています。
ミニチュアワークを際立たせるカット割りに、光線演出もまた一筋縄ではいかない。

凶猛怪獣ギーストロンは鋭い一筋状のビームを放ちます。登場時は、地底から円を描くようにして駐車場をくり抜きます。そのくり抜く縁上に自動車の上部だけが掛かります。陥没する駐車場に削り取られた自動車上部。それを捉えた監視カメラとしての映像を挟み込む。

登場したギーストロンは背ビレを発光させて頭上のツノから放つビームは、爆発というより切り裂く威力です。高きビルを横から薙げば、ビルはゆっくりズレていくように崩れて落ちていく。

なんなんだ、このこだわりかたは!監督に明確な演出意図を持っていなければ、とうてい観られないシーンである。

ここまでこだわるくらいだから、手前のミニチュアにタコ焼き屋があったり、公園の遊具としてタコの滑り台が置かれてあっても、さもあらんと頷くばかりである。

なにせタッコングである。48年ぶりの登場は、ずいぶん愛嬌のあるキャラクターとなっている。タイガばかりでなくタイタスフーマまで翻弄するくせに、ぜんぜん暴れないお年寄りときている。本来の役目であるギーストロンを封じれないほど力を落としていれば、オイルを飲んで寝てしまうのも納得できる。

48年前は倒されたタッコングだが、今回はウルトラマンとハイタッチときている。陽が傾く海へ向かって帰る姿は「夕陽シーンといえば帰ってきたウルトラマン」を忘れない。忘れないもなにも今回は「帰ってきたウルトラマン」のBGMがしょっちゅう使用されていました。

悪ノリと言えそうなくらいやってますが、やるならば徹底的にやればオマージュになります。

そして初めて帰マン第1話を観た時くらいに、いやそれ以上に今回の特撮演出には唸らされました。

《次回》激突! ウルトラビッグマッチ!

タッコングとくれば、海。だからプール撮影は当たり前・・・とならない現在の特撮事情です。海といえば当然のごとく水を張った特撮現場は、合成処理で検討されます。プール使用は予算のかかる贅沢な方法となってしまいました。

今回は贅沢な方法を取って撮影されています。48年ぶりに登場した怪獣の花道を用意したのかもしれません。

本編を見れば、ウルトラらしいテーマを内包したストーリーとなっています。
人類は必要なのか。ウルトラマンは守るものの、宇宙からして、地球にとって存在価値はあるのか。ウルトラシリーズでなければなかなか扱わない問いを投げてきます。

円谷特撮の手本となるような今回でした。

そんな力作を送った監督以下スタッフが送る次回は『激突! ウルトラビッグマッチ!』ウルトラマンゼロが客演を果たすオールスター的な賑わいある内容となりそうです。
辻本監督が「こいつミニチュアしか興味ねぇだろと思われている」自らコメントしているのには爆笑です。そうですか、いろいろ指摘はされているようです。けれども突出したこだわりを以って演出する今の姿勢でいて欲しい。個人的にはそう強く思っています。
ですが次回は「ちゃんとやる時にはやる」ところを見せるようです。それはそれで、とっても楽しみではあります(笑)