ネタバレあり【仮面ライダーゼロワン】第11話 カメラを止めるな、アイツを止めろ

オレは俳優

大和田伸也の言い分には賛同する。
ヒトとヒトのぶつかり合い、それぞれ持って育ててきた個性と感情のやり取りのなかで模索することで、思いもかけない作品が生まれる。特に映像作品はそうした傾向が強い。
より多くの観る者を感動させるには、人間の厚みを持ち込なければならない。

やはり機械=ヒューマギアには俳優は厳しい、という気持ちは番組を見終わった後も変わらなかった。

けれども前回に思ったヒューマギアに俳優は「無理」から、今回は「厳しい」へ認識を改めている。

ヒューマギアは接する相手によって変わる。心を込めてぶつかっていけば、成長していく存在なのである。
だから出来ない、とまで断定しきれない。
結局はヒト側のアプローチ次第であり、ヒューマギアのAIだけで処理しきれない部分である感情へどこまで至れるか。そこは甚だ疑問ではある。加えて「大和田伸也」くらいキャリアを積んだ名優が相手ならば問題はないが、もし未熟だった場合である。まだ駆け出しである場合もそうだが、キャリアはあるものの人気ばかりが先行してヒトとして薄いままの俳優もいる。そうした俳優相手をラーニングするヒューマギア俳優では作品そのもののレベルを下げてしまうことは自明の理である。

結局は起用するにも限定的に成らざるを得ないヒューマギア俳優である。

しかしながらである。円熟期にある俳優が立つならば、自分次第で相手の成長が窺えるヒューマギアに「やりがい」を感じておかしくない。それはまた相手する俳優にとって新しい挑戦でもある。

そして何よりも、若き社長のヒューマギアに対する熱い想いが心を動かすだけの力がある。
つまり上滑りの言葉ではなく熱意によって、説得が或人だったからこそ届けられた。

ヒューマギアを道具ではなく、ヒト同様とする。理念としては素晴らしいが、実際に人間がそこまで引き上げるほど付き合いきれるだろうか。
飛電インテリジェンスの若き社長の考え方こそ希少である。けれどもヒューマギアを生産する会社に、こうしたトップが就いたことは幸運と言えるかもしれない。

天津垓

前回でに、自分の目的を告げた唯阿である。今回において、A.I.M.S.(エイムズ)へ技術顧問として「出向」してきた旨をはっきり口にする。元は「ZAIAエンタープライズ」宇宙開発まで手を出していれば、国有数の会社と思われる。飛電インテリジェンスより巨大企業である。

なにせ政府特務機関へ出向を受け入れさせるほどの企業である。技術力だけでなく、政治的においても力があるに違いない。

まだ唯阿と相対す謎の人物である頃はA.I.M.S.のお偉方と思いきや、実は巨大企業の社長であった天津垓(あまつがい)。演じるは桜木 那智さくらぎ なち)映像作品における出演は本年度からの「ど新人」ですが、舞台は踏んできているようである。
のっけから底冷えさせそうな悪い雰囲気を醸し出す社長ぶりは、ゼロワンがキャスティングにおいてハズさないことを証明させられた思いである。

天津垓が出てきたことで、さらに情勢は揺さぶられる。
ゼロワンのプログライズキー製造には欠かせない「通信衛星ゼア」へアクセスを可能としているくらいである。どれだけ世界の回線を掌握しているか、知れたものではない。

もしかして「滅亡迅雷.net」は「ZAIAエンタープライズ」の手駒にされているのではないか。も、人類を一掃してヒューマギアの世界を作るとしているが、天津垓の掌の上で踊っているだけにすぎないかもしれない。そうした可能性を出してくる正体を現した新キャラである。

どこまでかは分からないが、当面は物語りの展開を握る人物となりそうである。

敵味方

これから或人たちの前へ立ち塞がりそうな天津垓。その直属の部下である唯阿が今回ためらいに近い態度を報告の席で見せてくる。

やはりヒューマギアより飛電を陥れることを目的とした真実を知っても、堂々受け止めてみせるとしたの態度が大きかったか。けれども、そんなが変身する仮面ライダーバルカンが、ここのところ負けっ放しである。暗殺ちゃんことドードーマギアが大幅に進化した状態だったとしても、先に唯阿が変身する仮面ライダーバルキリーは鮮やかに勝利を収める姿を披露している。
このまま咬ませ犬といった不遇な立場へ落ちないか、老婆心が働いてしまうのここのところの戦歴である。

もっとも初めに敗北を期した相手であるが変身する仮面ライダー滅。スーツアクターが高岩成二であるせいか(笑)、やたら強い。現時点ではゼロワンが繰り出す技で最も破壊力が高そうな「ブレイキングインパクト」でさえしのぎ切ってしまう強靭さである。

凶弾に倒れた大和田伸也に怒り燃えた或人でも、には敵わない。

ただはヒューマギアである。そして或人ほどヒューマギアの未来を信じているものはいない。加えて大森プロデューサーであれば、当初敵だった相手ほど味方にするところがある(笑)

今後どういった関係性へ展開していくか。滅亡迅雷.netより更に悪そうなキャラが出現したことで予断は許さない。

《次回》アノ名探偵がやってきた+CMはハズせない

1話づつでお仕事編を描いたきたゼロワン。ここにきて前後編の体裁ながら、物語全体を覆うようなうねりを見せてきている。これまでのシリーズにはない構成の妙を発揮され、観ている側としては感心させられるばかりである。

前回のタイトル『オレは俳優、大和田伸也』には、どこまで真面目なのか読みきれなかったが、今回で本気以外の何物でもないことが分かった。むしろ今回こそ前回のタイトルを持ってきても良かったくらいである。それほどに大和田伸也の演技は重厚で素晴らしかった。

どうやらまだこのエピソードは終わっていないらしい。ゼロワンの世界における大和田伸也の復帰を楽しみに待ちたい。

楽しみといえば、次回はゼロワンのヒロインことイズの兄が登場とくる。AIロボなのに兄妹とは・・・などと思うには、アニメ史の最初を飾る「鉄腕アトム」における当然が、日本のサブカルへ埋もれた者には疑いなど持ちようはない。あって然るべき事実なのである。
だから探偵ヒューマギア「ワズ・ナゾートク」が兄と名乗ってきても、特に心騒ぐことはない(笑)

心騒ぐとしたら、本編ではない。今回は出番が控えめであったイズであるが、次回予告のあとに放送された映画「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」におけるプレミア特典の告知映像が、である。
或人とイズの軽妙なやりとりが劇中でなくてあれば、もうそれでいい!しかもイズにウインクされては、たまりませんな(笑)