ネタバレ感想【騎士竜戦隊リュウソウジャー】第34話 宇宙凶竜現る! 

やはりカッコ良さは大事ではある。

前作の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の初見における印象は、スーツに今ひとつ感があった。パトレンに至っては、なんか「ダサい」感じを覚えたものです。

それに比べてリュウソウジャーは、最初からいい感じです。騎士をイメージしたデザインがフォルムを引き立てないわけがない。モチーフも恐竜とくれば、悪いモノになるはずがない。

フォームが強化されるたびにカッコ良さが微妙になっていくヒーロー(笑)がままあるなか、究極となった「マックスリュウソウレッド」はこれまでよりいっそう良い感じです。

ただし!戦隊モノは「形から入る」作品です。近年ストーリーにおいては新しい試みが為されているものの、それゆえに姿は路線から外すことはない。卵形とされる被り物から、大きく踏み出さないデザインが意識されています。

だから、ここで書いている人が思うほど「カッコいい」は、戦隊モノにおいては大した差はないのかもしれません。

現に最初はデザインが今一つと思っていたパトレンですが、その魅力である「泥臭さ」に相応しいデザインと途中から気づきました。コンセプトを体現したその姿は、最後の激闘において「最高にカッコいい!」へなります。スーパーパトレン1号の形態が手放しでカッコ良かったかと言われれば、難しいところではありますが(笑)、大ボスであるドグラニオと真っ向勝負の撃ち合いでパトレン2号3号が両肩のトリガーを支えて踏ん張る姿は一生ものの胸熱シーンです。

つい思い出話しになってしまいましたが、つまり戦隊モノはカッコいいということです。

今後どうなるかは分かりませんが、リュウソウジャーの特徴としてメンバーそれぞれが独立した戦闘を繰り広げていることが挙げられます。5人もしくは6人で一斉に力を合わせて、という協力はこれまでと比較しても少ない。同時よりフォローし合う体制が多く見られます。
マックスリュウソウレッドによって他のリュウソウジャーは完全なフォロー役へ成らざる得ない状況になっています。

こうした体制で思い出すは『侍戦隊シンケンジャー』殿とするレッドに付き従う形で集められた他のメンバーたちです。現在のリュウソウジャーはこれに近いかな、と思っているところへ登場した敵の新キャラ『プリシャス』声を担当した『朴 璐美(パク ロミ)』実にスーパー戦隊への参加はシンケンジャー以来みたいです。
この辺りはスタッフが狙ってきたのではないか!と、ヲタとしては大袈裟に捉えたいところです。けれども有名な実力派声優であれば、思い過ごしである可能性もまた大いにあります(笑)

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

宇宙凶竜現る!

冒頭

ワイズルーガチレウスクレオンの取り合いをしております。幹部とはいえ、怪人であるマイナソーを生み出せるのは部下がいなければ出来ない。仕事の指示は出来ても、実行においては周囲の能力を助けがなければどうにもならない。上司たるもの、重々に承知すべき事柄です。

なかなか含蓄ある今回の出だしです(笑)

そこへ訪れるは、初登場となる幹部のプリシャス。ボウケンジャー好きとしては「プレシャス」と重なり、少々混乱をもたらすネーミングが憎い。
登場前はワイズルーガチレウスといった幹部連中より上に当たる存在かと思いきや、かつてリュウソウ族に敗北したことを揶揄され、力づくで従わせているところを見るとボスいうわけでもなさそうである。

今後、ドルイドンを統括する「ラスボス」が登場するのか、それとも幹部クラスの中から誰かが突出してくるのか。この辺りは楽しみなところです。

それから所変わり、龍井家。ナダを失ったコウを励まそうと、カナロへ渾身のど突きをかますアスナ。もちろん笑顔になることはなく、コウ自身が落ち込んでいるというより今後の戦いについて熟慮しすぎたせいと言う。

たぶんコウなりのみんなに対する気遣いであったと思われます。マスターレッドに続き、ここにきて直接指導も受けた兄弟子を失ったのである。悲しみは他のメンバーより深いに違いない。

ところで笑いの真髄を見せるとばかりに、龍井の父ちゃんが魅せてくる。結局はドルイドンの出現でリュウソウジャーの面々には相手されず終いだが、個人的には面白かったです。さすが偉人セトーに取り憑かれるだけはあると思う芸達者?ぶりだと思いますが、一般的に通用するかどうかは定かではありません(笑)

前半

前半の見どころを語るうえで、脚本が荒川稔久であったことを抜きには語れない。年齢からして、第二期ウルトラマン世代です。帰マンから始まりウルトラマンレオまで、荒川が当時全てを観ていたかはわかりません。けれども少なくとも『帰ってきたウルトラマン』は熱心に観ていたのではないかと想像してしまいます。

ガチレウスを先頭にしたドルイドンたちを、企みにまんまと引っかかったとはいえ撃退したリュウソウジャーへ、召集を報せる手紙を結んだ矢が飛んできます。矢文とは、いったい何処から射てきたのか?ヒーロー番組は時に思いも寄らない技術も披露すべき・・・かもしれません。

呼び出された先は、陸のリュウソウ族の長老が営む「カフェ・ケボーン」というお店です。

長老を演じるは、団 時朗(だん じろう)『帰ってきたウルトラマン』の主人公「郷秀樹」を演じたことで、古くからの特撮ファンにはレジェンド俳優です。

この郷秀樹がお世話になっていた場所が「坂田家」です。
リュウソウジャーの長老が営む「カフェ・ケボーン」店頭に置かれたメニュー看板には「坂田農場」直送野菜ときます。

郷秀樹がお世話になっていた坂田家は自動車工場です。ここで防衛隊「MAT」へ入隊するまで郷秀樹は坂田が設計・開発したレーシングマシンでカーレーサーを目指しておりました。
坂田が用意してしていたマシンは「流星号」長老が営む「カフェ・ケボーン」は店内に入るなり飛び込んでくるのは、年代物のスポーツカー。流星号を思わせるオブジェを据えたことで、スタッフの想いが窺えます。

そしてトドメは、「帰ってきた」が書かれたハンチングを被った長老に、時給の良さにここでバイトを始めたオトちゃんを「アキちゃん」と呼ばせる。郷秀樹にとって恋人だった相手の名を、リュウソウジャーで口にされたことは台本通りであるらしい。

リュウソウジャーって、円谷じゃなく東映だったよな?と確認したくなるほど、こだわりを越えた、もはや愛情といっていい舞台設定とシーンの連発である。こういった場面に、ほっこり出来ることに昔から特撮好きで良かったと思える。こう思わせてくれたスタッフには感謝しかない。

強大な敵の接近を察知した長老は、リュウソウジャーの6人により能力を高められる「試練の断崖」の存在を伝える。真っ先に乗っかるはバンバであり、もちろんトワも付いていく。
敵の襲撃に備えるため、コウ・メルト・アスナの幼な馴染み組は残ることにする。マックスリュウソウルという究極フォームもある。
カナロは海のリュウソウ族として、陸のリュウソウ族の作ったものへ躊躇いを見せる。リュウソウ族の内実を忘れない演出であります。

それにしても「試練の断崖」を製作したのは、セトー。リュウソウ族の中で唯一騎士竜を封印できた、とんでもない存在であったのである。だが今回においては無反応で、本来なら長老ではなく、伝説の人らしく自ら姿を現して、コウたちに告げて欲しいところだ。
けれども、取り憑いた先が龍井の父ちゃんというのが、まずかったか。やはりスベるような漫談をやる人物のなかにあると、偉い能力も萎んでいくのかもしれない(笑)

後半

飛来してきたスペースドラゴンプリシャス曰く、100以上の星を滅ぼしてきたそうです。マイナソーとは別種と思われる、巨大な怪物は街を早々に破壊してみせます。もはや怪獣です。また円谷と違った巨大怪獣における特撮アプローチが、ヲタの心を刺激します。

待機していた4人のリュウソウジャーで、竜装合体で「キシリュウオージェット」バキガルピーたんまで合体したキシリュウロボにも関わらず、全く敵わない。
現れたプリシャスに、コウはマックスリュウソウレッドで立ち向かう。けれども先のガチレウスとの戦闘で必殺技をコピーされていた。
ナダの悲劇によって得られた究極のフォームで手も足も出ず、敵の情けで助かる始末です。

前回で死に瀕したナダから手渡されたソウルによって生み出された究極の力が、次であっさり破れさせる。

手綱は緩めないリュウソウジャーの展開。ここまでどちらかといえば、中身が濃すぎるゆえに伏された設定に早すぎるストーリーが仇になっていた気がしています。
無理に1話で収めずに、前後に渡るくらいでエピソードを見せていけば!と思うこと、しばしばだったリュウソウジャーです。戦隊モノも設定だけでなく見せ方も今までにない方式を試みる時期にきているように思います。

リュウソウジャーがそうした先鞭を付ける可能性がある作品へなりそうな気がしますが・・・さて、どうなるでしょう。こればかりは東映さんやテレビ朝日さん次第ですね。

《次回》地球最大の決戦

まるでゴジラ第5作目を思わせるサブタイトルです。リスペクトというより、自分たちの趣味をモロ出ししてきているような感じです。良いです、スタッフのそんな心意気を歓迎します。

歓迎といえば、ただ外部から得た能力に頼らせない展開も良いです。主人公たち自らが成長するための段階がある。盛り上がりだけではなく内容を深くするための要素にも成り得ます。

また次回において究極のリュウソウ合体「キングキシリュウオー」が用意されているみたいですが、これも単純にはいかない。力を持ちすぎることの懸念を問う内容も盛り込まれるらしい。

もともと単純ではないというより、複雑だったリュウソウジャーがここにきて見せてくる展開は、どんなものなのか!年末前にして盛り上がってきております。