ネタバレ感想【騎士竜戦隊リュウソウジャー】第33話 新たな刺客
番組の売上げまで探らずにいられないファンならば、前作『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』通称『ルパパト』が苦戦したことはご承知かと存じます。
苦戦の主な原因として、玩具が低調だったことが挙げられます。ここ10年の間では最低の売上げだったらしい。
ここで書いている人の胸の内を正直に明かせばである。
うん、そうね、そうかもね、デザインは今一つだったかもね、なのであります。
ルパレンの方は、まぁまぁ、でも特別にカッコいいとまではいかない。
パトレンの方は、ねぇー、ちょっとダサい?と思わないでもないくらいであります。
特撮ファンでありながら、悪くはないけれど「いいじゃん」とまでならない感じです。
残念な売上げだった『ルパパト』けれども失敗作とは視聴者ならば思わないでしょう。むしろ傑作に属する、少なくとも良い作品であったことは間違いないところです。
戦隊モノから離れていた、もしくは初めてといった視聴者を呼び込みました。後々になっても忘れられないファンを多く生んだと思います。
ここで書いている人にとって、パトレンなどは一生忘れられない戦隊です。
ただし昨年の今頃を思い出せば、熱狂していたかとい言われれば、そこまででもない。シリーズ中でお気に入りの部類へ入るくらい、その程度でした。
個人的に作品の判定は「最終回次第」クライマックスへ向けて、どれほどのものを示してくれるかで「思い入れ度」が決まるような気がします。最後が良いならば、開始当初や中盤もたついたとしても、むしろそれが却って思い入れを強くさせたりするから、何が功を奏するか分からない。
さて売上げが悪いとされたルパパトよりも苦戦しているようであるリュウソウジャー。シリーズにおける作品売上げの難しさは長くなるのでまた別の機会に譲るとして、売上げ的には上昇気流へ持っていけなかったようです。ただ今回の作品でメインスポンサーのため玩具の収益は上げたいところでしょう。年末へ迎えるに当たって、予想より上方修正するため踏ん張りたい時期であります。
なんて、マニア的な分析をしていますが、ぶっちゃけです。作品がおもしろければいい。もっと極論すれば、世間的評判よりも、俺が気に入る作品になってくれ!なのです。
特撮作品においてはその傾向が特に強いここで書いている人なのです。
ネタバレ及び独自解釈による偏見が含まれる内容であることをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。
新たな刺客
脚本は山岡潤平で、監督は上堀内佳寿也。前回に引き続きメインコンビです。しかしサブタイトルから新たな展開を予想していましたが、まさかの急展開でありました。
冒頭
クレオンがドルイドン兵に土下座して謝っております。前回ストレスのあまり、ドルイドン兵の1人をマイナソーへ変えたことだと思われます。
そのストレスを与えた幹部ガチレウスはお構いなしにクレオンを踏みつけます。昔の自分なら笑えたでしょうが、現在では笑えません。こんなヤツは実際にいるからです。
現実世界において正義の人物はいませんが、悪側にある性格の持ち主は普通にいます。そして当の本人は自覚していない。まさしくこれこそ「悪」!ガチレウスを見るたびにそう感じています。
そこへ幹部クラスの実力者と思われるウデンがいつの間にか現れています。何も喋らない無反応なヤツであります。
「言葉にしなければ何も伝わらんぞ」個人的に悪の権化とするガチレウスが、名将・野村監督(野球のノムさん)と同じセリフを吐けば、さらに心中は穏やか成らざるであります(笑)。
前半
ガイソーグの鎧を扱えるようになったナダとすっかり打ち解けての卓球大会です。龍井の父ちゃん=セトーに、ういを交えて楽しそうにやっております。なぜかオトちゃんがいません。そこは不満点であります(笑)。
それにしても、みんな卓球がうまくないなぁ〜。宣伝映像を見る限りだけれども、フットサルはけっこう上手そうなのに。
卓球会場から席を外したトワとカナロを早速に襲撃し取り込んだウデン。その様子を窺うこれまでの幹部であるワイズルーとガチレウスの会話から浮かび上がる『プリシャス』新たなドルイドンの存在は、ナダも察知しているらしい。
これからの戦いがいっそう厳しくなる。不安を隠せない弟弟子でもあるコウに、ナダはこれまでの自分について語る。そして、これから出来た仲間たちと共に戦えることにむしろ胸を踊らさせているといった意味のことを伝えます。
いなくなったトワとカナロを探しに出たコウにアスナ、メルトもまた取り込まれてしまいます。
残るは、バンバとナダのみとなります。
ナダのリュウソウチェンジが本人の思った通りでないところが楽しい。けれどもガイソーグの鎧が装着されていくシーンに、「不屈の騎士」とする名乗りは文句なしにカッコいい。
そして何よりピンチのナダを救うリュウソウブラックことバンバの行為にである。
「変わったな、バンバ」とナダに言われたバンバは「オマエに言われたくない」それを受けたナダが笑って返す一連のやり取りには痺れずにいられない。
この2人だからこそ分かり合える、実に良いシーンである。
後半
敵のウデンは体内へ取り込んだ相手の能力を己れの技にできるらしい。ついにバンバまで取り込まれてしまう。
孤軍奮闘するほかなくなったナダ。幹部クラスのウデンは強く、何度も弾き飛ばされる。
立ち向かって後悔するほうがええ、と呟きながら立ち上がろうとするナダの姿はヒーロー番組の醍醐味を感じさせます。
「オレはリュウソウジャー、不屈の騎士やー」
胸熱なセリフと共に飛び込んでいくナダは、鎧が砕けちるほどの頭突きをかまします。コウへの脱出口を開きます。
並び立つマスターレッドを師事したコウとナダ。けれども崩れ落ちるナダは致命傷を負っていた。
ええ仲間に会えて、ホンマ・・・と口にして事切れるナダが渡していたソウル。コウはこれでマックスリュウソウジャーになれば、ウデンを撃破する。
解放される囚われていた他のリュウソウジャーたち。そして知るナダの死に落ち込むしかない。
そこへやってくるういがナダの残していた映像をPadで流す。これは反則級の泣けるシーンです。
もう反則級なので、画像はアフィリだけの誓いから反則をかまします。

剣を合わせて掲げるリュウソウジャーの6人。この場面に被さるナダの声は「みんな・・・ありがと」
《次回》宇宙凶竜現る!
ナダが見せた弱さや葛藤は生活していくなかで身近にあるものです。こうしたキャラクターが作品に深みを与えていきます。今後いないのかと思うと、惜しいような寂しいような気持ちになります。
取り敢えず、次回は特撮ファンにとってはレジェンド俳優「団時朗」演じる長老が久々に出てくることは嬉しい。
しかもオトちゃんは、なんか可愛い格好しているのも気になります。
気になるといえば、かつて「海のリュウソウ族」がらすれば憎む相手である「陸のリュウソウ族」の長老です。もしオトちゃんが絡むとしたら問題はないのでしょうか。
ないだろうな、もう時間が解決という方向じゃないかな、とここで書いている人は予想しています(笑)。
それに注目すべきは、新たなる敵である『プリシャス』こそです。
でもやっぱり気になるのは長老にオトちゃんであることは、ここで正直に告白しておきます。次回も楽しみに待ち構えております。