ネタバレの感想【牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-】#リピートしていい#最後だと思ってしまう

まだ上映中の作品であれば、悩みます。

鑑賞前における最高の状況は、なんも知らん!だと思います。事前の期待が強ければ強いほど、自分の思い通りでなければ不満を抱きやすい。情報がなければないほど、作品は楽しめるのではないか?個人的につきまとう課題であります。

しかしながら、ブログという発信を行っております。

矛盾している行動であります。特に上映中は慎重になります。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』はそれでタイミングを逃し、書かないまま現在に至っております。

と、真面目に考えてきましたが、ここにきてちょっと考え方が変わってきております。

つーか、こんな場末ブログで考え過ぎじゃねーの!よく訪れてくれるな、といった限られた数の方々に支えられる、日々細々と運営しているブログであります。
影響があるなどと考えることが過大評価である。そう考えて気を緩めることにします。都合良く考えるようになった、と言えるかもしれません(笑)

それに情報なしは、現状あり得ない。むしろ刺激になるような内容を書けるようになりたい、と思います。

けれども鑑賞前のおもしろさを奪う可能性も大いにある今回になります。その点は充分にご承知のうえ進むかどうかご判断ください。

ネタバレ及び独自解釈による偏見が含まれる内容であることをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

月虹ノ旅人】最強の黄金騎士

冴島直系の黄金騎士・ガロの称号を引き継ぐ冴島雷牙(さえじまらいが)の物語。パンフレットから監督のインタビューを読めば、もう一作ほど製作してから映画へ臨みたいところだった様子です。

登場は、2014年テレビ東京で放送された『牙狼〈GARO〉 -魔戒ノ花-(ガロ まかいのはな)』のみ。ここで書いている人にとって放送された当時は、今ひとつ盛り上がりに欠けたように見えた。ところがその後、見返すたびに味わい深くなっていく。いつの間にか、牙狼のなかで最もリピートする作品となっておりました。

魔戒ノ花を見返していくうちに推察したこととして、この作品辺りから現場の予算が以前より厳しくなってきたのではないか。けれどもその分ストーリー重視というか、登場キャストの細かい心情が散見できる。どうやらボンクラなここで書いている人は初見において、かなり見逃していたようです。よくやります(笑)

冴島雷牙は黄金騎士として歴代最強とされています。設定を聞かなければ分からない話しであり、放映中は比べる術もそれといった説明もありません。
しかしながら冴島雷牙がそこにいる。それだけで最強と思わせる佇まいがあります。演技力だけではない、演じる中山 麻聖(なかやま ませい)が持つ天性あってこそで、実に良い配役となっております。

腕は最高の騎士である冴島雷牙ではありますが、幼き頃に時空の彼方へ母・カオルが消息を断ち、それを追って父である先代の黄金騎士・鋼牙(こうが)もまた旅立ちます。

登場時から雷牙はとても優れた人格を見せてきます。よく出来過ぎているからこそ秘めた歪みを炙り出すことが、雷牙を描くうえでの肝と言えます。

テレビではまだ不十分だったそうした点を、今回の映画ではしっかり踏み込んでいます。
そして五年後という期間のおかげか、雷牙は父ばかりでなく祖父を並んで立っても引けを取らない。最強の黄金騎士として先達と肩を揃える風格を得た姿には、待たされたかいがあったというものです。

ただし少々作品の質が落ちてもいいから待ちたくない、といった困った本音があることも、カトリック信者ではありませんが、ここに告解しておきます(笑)

月虹ノ旅人】魅惑の列車

列車のシーンはいい。
あらゆる分野において数多くの映画が、列車車両の上においてや、また車両内においてのシチュエーションを取り入れています。動く閉鎖空間とする、あらゆるバリエーションの可能性に対応する列車という舞台設定であります。

ミステリーとして、アクションとして、ファンタジーとして。当映画『月虹ノ旅人』は列車という舞台において見せられる要素をふんだんに持ち込んでいます。

マユリを追って乗り込む雷牙は列車の最後尾。そこから一車両づつ前へ行く。いったいこの列車はどうなっているのか、車両を跨ぐたびに変わる世界、目の前に現れる謎の少年は降車をやたら勧めてくる。そして降りかかってくる危機。

前半の部分からして見どころが尽きないとくる。
しかも列車で遭遇する数多の登場人物が、実は牙狼ゆかりの俳優がそれとわからない格好で出演している。これはパンフレットを購入しなければ分からないといったレベルであります。

ここで書いている人は常にパンフレットを購入するわけではありません。今回はつくづく買って良かった、と。列車内のカメオ出演における解説だけでも価値がありました。

月虹ノ旅人】まだまだアイディアはある

映画の冒頭は、雷牙によるホラー討伐です。
まったく牙狼を知らない人が当映画を観に行くかどうかの問題は横に置き、一見さんにも概要が分かる導入部であります。けれどもただのホラー討伐では終わらない。
黄金騎士の鎧として身に付けていくには危険なほどの邪気を浴びてしまいます。のっけから緊迫感を漂わせます。最後まで何気に絡みます。

夢のような話しであった列車の出来事もまた最後へ繋がっていきます。

ストーリーはラストへ向かって無駄がありません。

そして最後の見せ場におけるアクションも、よく見つけてきたな!と感心したくなるようなロケ地です。
CGのアクションは否定しません。まるで流れるような動きはかつてでは考えられない場面をいくつか生みだしてきています。
けれども今回の映画においては、肉弾よるアクションがより迫ってきます。ワイヤーワークなどといった現場技術による撮影がなぜ廃れないかが分かる好例となった仕上がりへなっています。

一つの力=黄金騎士の鎧を3人でリレー式に身にまとっていく。ここが今回この記事における最大のネタバレです(笑)。そしてこのアイディアがとても新鮮に映りました。

様々な能力を加わっていく、といった方向がヒーロー番組における顕著な傾向だと思われます。

3代に渡り黄金騎士の鎧を身に付けては次へ渡し、また次へ渡していく。一つの力がその場で引き継がれ戦う、初めて見るシチュエーションに高揚が収まりません。
ネタバレしようとも、これは実際に視聴しなければ伝わらない名シーンでしょう。

まだまだ目にしていないアイディアというものがある。この映画における最大の収穫は、まだ未知の場面があることを認識させてくれたことなのです。

月虹ノ旅人】これで終わりとならないように

ラスボスとして、まさかの京本政樹が演じる暗黒魔戒騎士キバことバラゴには感無量です。そのバラゴに繋がる白孔(シロク)松田 悟志(まつだ さとし)。ヒーローでも様になる俳優が悪役でさらにひときわ輝くような存在感を放てば、作品の成功を約束されたようなものです。

悪役は本当に大事だな、と改めて思います。

クロウも出番が多いわけではありませんが、頑張っております。その活躍は健気なほどです。隠密という影の立場の悲しさをつくづく感じさせられたくらいです。
演じる水石 亜飛夢(みずいし あとむ)が雑誌のインタビューで、クロウを主役にしたスピンオフが出来たら嬉しいといったように答えておりました。とても観てみたいし、それくらい報われて欲しいとも思いました。

かつて魔道具として感情が乏しかったマユリでしたが、当映画においては一般女性です。そうなったことは雷牙の願いであり、周囲にとってもまた望んだ結果です。
けれどもマユリ自身は何も力を持たない状態に歯痒さを感じているようです。魔道具のような力を持つ花を育てる力はあるようですが、何の力を持たなかった雷牙の母に興味を寄せたりします。雷牙に向けて、もう離れたくないみたいなことも言います。雰囲気は以前の面影を強く残してながら、様々な感情が殊細やかに表現されています。
演じている女優が実力派の石橋 菜津美(いしばし なつみ)で良かったです。個人的にタイプという面もあります(笑)

このマユリの存在が、黄金騎士である冴島家の系譜がさらに続くことを暗示させてくれます。

ただ次作があれば匂わすことを忘れないシリーズモノにおいて、映画『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』はあまりに綺麗な終わり方をしております。
ここで牙狼が終了してもおかしくないほどの大団円です。

まだまだ物語の未来は続く。シリーズものにおいては、次回を感じさせて欲しい。これが今回の映画における不満というか、不安点といいましょうか。
作品の質から考えれば、むしろ良い形なのかもしれません。しかし特撮作品に明日を夢見る人間にとっては、先があることがとても重要です。

映画『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』はリピートに耐え得る質の良い出来です。劇場鑑賞だけに限らず、関連商品が好評で、牙狼における何かしらのアクションが起きることを願わずにはいられません。