ネタバレ感想【ウルトラマンタイガ】第16話 我らは一つ

ネット配信における再放送は、本当にありがたい。
人生いろいろ積もってくると、なかなか手が届かないものが出てくる。棚に収まっているだけの作品を見直す契機は必要だ。
鑑賞する、それもまた一つの能力であることをつくづく感じている。観ているつもりがただ右から左へ流しているだけ、もしくはわかっているつもり。見直すことで気づくことが多々ある。それを正す機会になる所有作品が、単なる所蔵するだけの状態になってしまっている。

鑑賞するにも、自分を過信してはいけない。なんでこの作品を手元に置いておきたいと思ったか。もちろん衝動買いもあるが、その衝動もどうして発生したか。

モノが増えていくと、つい整理整頓へ考えが傾きがちだが、映像や音楽といった作品は綺麗に収めておくだけでは意味がない。身近にどう置くか、手に取れる位置にあるか。形あるものにしろ、データ化されたものであるにしろ、所有だけで満足していてはもったいない。

奥に押し込めていたものを引っ張り出せた。配信される再放送を観出したおかげで出来たことである。
つまるところ外から刺激を与えられなければ出来なかった、そんな不出来な者のお話しであります。
でも持っているからいいや、とならず、ちゃんと観たところは我ながら褒めてやりたい。いや、ただ好きだからつい観ちゃっただけの話しである。
なにはともあれ配信してくれて、ありがとう、というわけであります。

ネタバレ及び独自解釈による偏見が含まれる内容であることをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【我らは一つ】トレギアが負ける監督

現在ネット配信されている番組の一つに『キカイダー01』があります。『人造人間キカイダー』の続編です。後の番組ではありますが、キカイダー01キカイダーの兄さんです。製作されたのが先だったからそうです。

そもそもアンドロイドに兄弟概念はおかしいんじゃないか、と考えないでもないですが、それは狭い心というものです。現在放映中の『仮面ライダーゼロワン』を見れば、アンドロイドである「ヒューマギア」を単なる機械仕掛けの人形などと見られません。人類の支えとなる夢なのです。

頼りなるアニキのキカイダー01と当初において相対するは、ハカイダー部隊。前作のキカイダーにおいての人気ぶりから再登場どころか数まで増やした悪役である。

そう、キカイダーといえばハカイダーと出てくるくらい人気ある悪のキャラクターです。キカイダーという作品にハカイダーが登場しなかったらと想像するだけで、ゾッとするくらいです。

悪キャラが作品に及ぼす影響は計りしれません。

近年のウルトラシリーズは上手にやってきています。
ゼロに対するベリアル。オーブに対するジャグラー。アサヒに対するツルちゃん・・・は、ちょっと違う(笑)

現在放送中の『ウルトラマンタイガ』には、ウルトラマントレギアがいます。前作の映画から登場した、この悪のウルトラマンは存在感ばっちり、これまでにない悪辣さを秘め、物語に魅力を添えるキャラです。

またトレギアの人間態である霧崎がいい。得体の知れない、けれども黒いオーラを明確に放つ。演じる七瀬 公(ななせ こう)の熱演と天性の雰囲気がぴったりときている。オーディションで即決になるのも分かります。

番組開始から無類の強さを誇ってきたトレギア。タイガ・タイタス・フーマといったトライスクワッドの面々ばかりでなく、ニュージェネのウルトラマンたちを一人で翻弄するほどの強さを見せてきました。

そんな強敵が、この第16話で敗北します。これは『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト 絆のクリスタル』以来です。映画、そして第16話、この両方とも監督は武居 正能(たけすえ まさよし)です。どうやらトレギアにとっての鬼門は、武居監督なのかもしれません(笑)

絆という言葉には反吐が出るほど嫌悪している。ウルトラマンが宇宙の番人として存在することに、よほど拒否感があるらしい。トレギアにどんな過去があったか。やはり物語の鍵は、この悪役ウルトラマンが握っているように思えてならない。

【我らは一つ】ちょっと残念なこと

ウルトラマンタイガの新機軸として、1人の人間に3人のウルトラマンが宿る、ちょっと悪い言い方とすれば「取り憑く」形です。

1人のウルトラマンがフォームチェンジではない。異なる特徴を持った3人が状況に応じて向かっていく。
タイガ・タイタス・フーマ。それぞれ実に特徴的で良い味を出しています。

その3人のウルトラマンと人間のヒロユキが合体する形で生まれた「ウルトラマンタイガ トライストリウム」フォーム。最凶獣ヘルベロスに悪夢魔獣ナイトファング、そしてトレギアさえ撃破する最強フォームです。漢の友情から生まれた絆を象徴するフォームが圧倒的な力を発揮するところは熱くなるしかありません。

ただちょっと残念に感じたことは、ここに至るまでにもっと話しを振ってきて欲しかった。
特に、タイタスフーマの扱いである。
公式においてネット配信を積極的に行っている円谷である。そこで番組放送と連動する形でボイスドラマを配信しています。タイタスフーマのこれまでが、そこで語られています。それを聞いているから第16話に盛り上がれた部分があります。
逆を返せば、劇中で触れられていないことに疑問を感じてしまうわけです。ボイスドラマほど明確ではなくても、タイガタイタスフーマのエピソードが足りていない。これまであった若きウルトラマン3人の背景が映像の中では描かれていない。

タイガはタロウが偉大すぎるゆえコンプレックスになっている。タイタスが敵星人との混血といった出生ゆえに悩み抜いてきた。フーマは周囲から蔑まれる荒んだ環境を潜り抜けてきた。
三人三様に苦闘してきている。だからこそ気質は違えど気が合う。
その辺りを丹念とは言わない、けれどもうまく匂わせてくれていたら「トライスクワッド」と名付けられるフォームになった際の感動は、誰と限らずいっそう高められたのではないか。

なんだか、惜しい。良かっただけに、そんな気持ちになってしまった。それが正直なところなのです。

《次回》ガーディアンエンジェル

もし配信で『キカイダー01』を初めて観ている方の中で、ハカイダーに魅力を感じない人はいるかもしれない。

そうです、その通りなのです。キカイダー01の当初の敵であるハカイダーは「部隊」であります。4人いる、これがいけない。前作のキカイダーから引き続き感のあるブラックだけでいい。だからしばらく我慢して観てください。
ハカイダーは1人きりになり、新たな敵組織で決して厚遇されているわけではない立場になります。
ここからです、やはりハカイダーは孤高の存在でなければいけない。ライバルと倒すために固執しすぎて、味方組織から疎まれるくらいでなければいけません。
群れなすハカイダーなど以ての外!それが現在、配信されております(笑)

トレギアの魅力は、艶めくような悪をまとった孤高感にあると今の時点ではそう思っています。
悪役といってもベリアルの場合は親分肌が窺えます。ジャグラーオーブがいてこそ悪っぽいという感じです。

今後のトレギアがどういった変遷を見せるか。
次回はE.G.I.S.(イージス)の社長がメインになりそうですが、霧崎の動きもここに至って止まりようがないみたいです。

停電の危機に曝されるような天災もなく、体調も崩さず、楽しみを迎えたいものであります。