ネタバレ感想【仮面ライダーゼロワン】第6話 アナタの声が聞きたい

まったく読みきれません。
仮面ライダーゼロワンにおけるサブタイトルは「ウケ」狙いだと考えておりました。『ソノ男、寿司職人』『バスガイドは見た!アンナ真実』など、むかしむかしその昔、同系列で放送されていた「土曜ワイド劇場」通称「土ワイ」(ただの短縮です)を引っ掛けてきていると読んでおりました。

いちおう「土ワイ」とはなんぞ?という人のために解説すれば、端的に言えば2時間ミステリーです。『相棒』もここから出発しており、他にも『家政婦は見た』や江戸川乱歩シリーズなど、推理モノという括りはあるものの幅の広い作風でありました。

で、ここで書いている人は観たことはあります。つまり基本はあまり観ていません。いちおう単発となっておりますが、メインターゲット層が「映画に行けない(行かない)主婦」となっています。傑作も稀には生まれるでしょうが、三面記事めいた題材を元とした内容が多かったという印象です。

仮面ライダーであり、社長さんでもある或人は基本が「駆け出しのお笑い芸人」といった風采です。01とするAIデジタル世界を模した番組タイトルから意表を突く主人公設定であれば、サブタイトルもまた素直に解釈すべきではない。実際にこれまでのコミカルな気配を漂わせたタイトルにおいても、番組が抱えた深いテーマから逸れることはない。

親方が握る寿司を継ぐために、心が欲しいと訴える。バスガイドは真実を知ることが職務として危険に飛び込み、傷ついた少年のために真実を見せて散っていく。言われたままに動くだけだったはずのAIロボが取った行動である。

ヒューマギアは暮らしを良好にするためだけの道具ではない。人々の心に深く喰い込む存在なのである。でもだからといって、それが必ずしも正の方向へ進むとは限らない。

『アナタの声が聞きたい』前回の『カレの情熱まんが道』から続く生活線上ながら、これまでにない「せつなさ」を匂わせてくる。タイトル表記と違った変化球でくるか、それとも直球なのか。
後者でした。タイトル通りのど直球であり、またヒューマギアのリスクを示した回となった。

実は亡くなった娘の代わりとして置くためだった声優ヒューマギア。故人のAI ロボットは死者を冒涜する行為として禁止されている。
元来、道具ならば人間の外見を模する必要はない。トロバイトマギアといった戦闘員マギアみたいな姿でいい。

けれど或人本人から語られた過去が、なぜ人間同様なヒューマギアが生み出されたか、その一端が窺える。幼くして親を亡くした或人の父親代わりとして、ヒューマギアが付いた。或人の祖父でありヒューマギアを生む飛電インテリジェンス社の創設者である飛電是之助が何を目指していたかが分かる逸話なような気がする。もしくは親を亡くした孫を思い遣っての気持ちが、人間をに似せた作りの起点になっていたのかもしれない。

それにしてもゼロワンのプロデューサーである大森は高速回転の展開を得意としている。番組当初で見せた主人公の父親はヒューマギアか?と肝心な伏線になりそうなエピソードをあっさりタネ明かししてくる。もしかして或人の父であるヒューマギアは他とは違い、故人のデータをそっくりそのまま移し取ってきているか。下手すれば人間部分もあったのではないか。いろいろ考えを巡らせていたここで書いている人なのでありました。
もしエグゼイドを視聴していなければ、素直に受け取る気持ちは少しも持てなかったでしょう。父のヒューマギアについてきっと或人は騙されていることがあるに違いない(笑)大森プロデューサーは伏線を引っ張るよりも、次の展開を示すことで視聴者の興味を引っ張る。これまでの白倉・武部プロデューサーと異にする最大の特徴だと思っています。

けれどもこれまでにない引っくり返しを打ってくるかもしれない。まだ放送は6回なのである。

今回は、ヒューマギアを社会に送り込むことで生じる「負の部分」を扱った内容となった。
創作できてしまうことが、亡き人を想う行き過ぎた行為としてヒューマギアが利用されてしまう例は考えられることです。現に或人自身が、自分を庇った父のヒューマギアがその後の考えに大きな影響を与えている。
人間とヒューマギアが同列に等しい存在になり得る場合もある。

ただ或人は父ヒューマギアそのもの自体を敬愛しているに対し、声優ヒューマギアは亡き人の身代わりである。故人の面影を偲ぶで留められない危険性がヒューマギアにはある。

だからか。今回の或人はうまくいくことがない。責任を持つとした声優ヒューマギアを保護することは叶わず、プログライズキーは奪われ、一方的にやられてばかりである。

或人の判断は今回において間違っていたのだろう。間違いは言い過ぎだとしても、甘いと誹られる結果に終わってしまった。
それでも「人は心の支えがなければ生きてゆけない」その力となれるヒューマギアという考えにブレはない。

お笑い第一とする明るい見た目から、最も内実が見え難いキャラクターであるような気がする。ラストにお決まりとなったイズと交わされるギャグについての遣り取りも、いつもの微笑ましいよりも、もの哀しい感じで締められる。

滅亡迅雷.netといった敵方についても深く触れられた今回において、仮面ライダーが味方を含めて5人とまでになった。仮面ライダーバルキリーもまた新フォームを見せた。
仮面ライダーだけで百花繚乱の様相である。

けれどもヒューマギアを道具ではない、愛情を持っているのは或人だけである。そういった面から眺めれば、仮面ライダーゼロワンは孤独な戦いを強いられている状況なのである。

イズのかわいらしさに絆されてきたが、主人公の動向に惹きつけられて目を離せない。当然なことを改め認識した次第です(笑)

次回のサブタイトルは『ワタシは熱血ヒューマギア先生!』なんとも読み難い限りである。

取り敢えず、風邪には気を付けましょう。今回は一度かかると治らないばかりか悪化したりします。免疫力が落ちると併発することをここ数日実感しながら書き上げた今回でした。