ネタバレ感想【ウルトラマンタイガ】第11話 星の魔法が消えた午後

前回『夕映えの戦士』の続きです。

ナックル星人オデッサは、やはり坂田兄妹殺害を実行したリーダーだったのか。自ら巨大化し、ブッラクキングと共に一度は帰マン(ジャックのこと)を敗北に追い込んだ、あのナックス星人なのか。

当初はリーダー格に連れられてきたうちの部下に当たるナックル星人だと、思いたかった。現在だってその可能性は捨てていない。リーダー格の戦う姿に自身を重ねていた。オデッサが言っているだけである。真実にオデッサ自体が向かっていったのか。帰マン暗殺計画で共にやってきた他のナックル星人の証言がなければ、確実ではないように思う。

あれは本当に衝撃だった。相手を倒すため周囲の人間を狙うのである。帰マンが人として過ごす先の、カノジョと言える女性と、兄同然に慕う人物を殺したのである。卑劣極まるやり方に救いがないにも程がある。

そんな非道なるナックル星人のうちの一人がである。地球の「平和」へ馴染み穏やかに過ごすようになる。きっとタイガになるヒロユキに相対したような優しさで他の人々に接していたに違いない。

半世紀近く、ひっそりと誠実に過ごしたかつての極悪人(星人)に、どういった感情を抱けばいいか。観ているこちらだって、子供の頃に観たナックル星人の許せない行為を引きずってきている。
けれどもオデッサが見せた姿を憎むことは出来ない。視聴者である自分が試されている気分だ。

単純に割り切ることがいかに楽なことか、改めて気づかせてくれた。

それにオデッサもまた戦士としての本能だけだったのか。相棒とするブラックキングの姿に贖罪の想いが芽生えたのかもしれない。それはオデッサ自身も気づかない、地球で穏やかに過ごすうちに宿った感情であったのかもしれない。

ただはっきり分かったことは、これだから特撮番組はやめられない!作品が続いていくことが何よりである。『ウルトラマンギンガ』放送当初、こんな事態が訪れるなんて誰が予想しただろうか。
ここまで続いたスタッフだけでなく、番組を観て玩具等を購入し劇場まで足を運んだ視聴者全てのおかげである。その中にはもちろん、ここで書いている人も含まれる(笑)

ところで前回の続きを前説でカマしたわけであるが、ならば前の記事に加筆するべきでは?と思わないでもなかった。現にそうした旨を追記したくらいである。

実はそうしようと読み返したが、鑑賞直後の心情が溢れていて、手を加えると変わってしまうような気がしないでもない。きちんとされた内容など世に出す書籍に任せ、ブログなんだからその時その時を切り取る形を残すことを優先したほうが良いように思える。単にメンドーなだけかと言われたら切り返せないところでもある。

だから連続ものにおいて、書いている人がいい加減なために予断を許さない内容となっておりますことをご承知ください(笑)

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【星の魔法が消えた午後】昭和から

今回の脚本は、小林 弘利(こばやし ひろとし)。『ふしぎの海のナディア』の小説を手がけていた、あの小林弘利です。ニュージェネ当初において見かけた際は、同姓同名の別人かと思っておりました。
90年代始めの徳間アニメージュ文庫に懐かしさを覚えられる人たちには感慨深い作者です。
ここまできてなんですが、個人的には好きなほうじゃない作家さんです(笑)。作家の力量に疑問を抱いているといったわけではなく、傾向と申しましょうか。ヒリヒリする緊迫感ある展開を好む趣向が、時に優しさ全面の出してくる作風に身構えてしまう、といったところでしょうか。悪い印象どころか、作品によっては素晴らしいと思うくらいです。
つまり熱心ではないものの、ずっと関わり合いがあった。なんとも腐れ縁みたいな作家です。
ですから、今回のエピソードで「美少女」に当たる役が出てくるということで適材だと思いました。ハードな回の次には打ってつけです。期待までして待っておりました。

監督は、辻本 貴則(つじもと たかのり)。ニュージェネレーションズのウルトラマンには『X』と『R/B』だけといった、ある意味関わり方が変わり種の監督です。監督として携わっていた作品も『真・女立喰師列伝』『抱腹絶闘』などと変わったものばかり。どこか一般とはズレていそうな演出家ですが、なればこそ特撮において期待してしまう。

前回10話まできたタイガの印象としては、ニュージェネで踏み込んでこなかったことをやり始めたな、と。過去のキャラクターはそれこそもうふんだんに使用してきております。絶対に予算的都合があるよな、と思うくらいにヒーローも怪獣も使い回してきております。

ただストーリーにおいてはです。平成以降の作品からは多少引っ張ってくることはこれまでありましたが、今回は昭和のウルトラシリーズを持ってくる。如実といっていいくらいです。タロウの息子が主人公という設定は単なる話題性だけでなく「あの時代」のウルトラシリーズへ向き合っていく意味を含んでいたのかもしれません。

【星の魔法が消えた午後】ゼランときた

魔法が使える女性です。少女ではなく、少女を助けるくらいの妙齢です。演じる方は20歳で、元AKBだそうです。ヒロインになってくれると自分は憶えられるクチなので、これからも特撮番組への出演を期待しています。

取り敢えず、次回も出演します。第7・8話のような出演者だけ引き継ぎといった形でなく、今回の第11話と次回の第12話は連続ものの様相を呈しています。監督が連続登用は当然でありませんが、脚本家の連続担当はこのシリーズで初です。

ここにきての前後篇です。まったくタイガの構成は侮れません。

使用できる魔法とは、宇宙のエネルギーが源になっているらしい。
魔法使いや魔女の正体とは異星人である、と劇中で断言されておりました。なんて夢のない話しだと憤慨しかけましたが、よくよく考えてみればである。異星人が古来から来訪していたと思えば、ロマン溢れる話しに早変わりである。
なんでも解釈次第であることを学ばさていただきました(笑)

この魔法が怪獣を操るために必要らしい。説明書にそう書いてあったんだ、と少しお惚けな宇宙人が今回の悪者である。オショロといって、ちょっと抜けた感じである。さらったはずの魔法使いの女性にはタメ口を叩かれるわ、助けにきたタイガことヒロユキとはお笑いの掛け合いみたいだわ、今回は出番ないトレギアと比べて極悪星人の雰囲気がない。まさに小悪党な星人であります。

しかしながら、このオショロ「ゼラン星人」ときた!
『帰ってきたウルトラマン』第31話「天使と悪魔の間に…」における初登場では、トレギア級の極悪ぶり。作戦を成功させるため、防衛隊隊長の娘に近づく。娘というのがまだ就学児童である。思春期一歩手前くらいの女の子に、同年齢の男の子として、障害(聴覚)を持っているとして同情されることまで計算に入れて接近を図るのである。
ヒドいヤツほど、タイガに出演可能になるらしい(笑)

けれども、このゼラン星人。ギャラクシー大怪獣バトルで再登場以来、ニュージェネにもちょこちょこ出ている。常に端役だし、時には気の毒になるような扱いを受けることもある。いいヤツの時もある。

つまり「なんとか星人」一括りで判断してはいけないわけであります。地球人にもいろいろいるように、各個人、各星人においてそれぞれの性格がある。レッテルなどに惑わされてはいけないことを改めて思わせてくれる。

やはりウルトラマンは素晴らしい。けれども今回はそれほど気張るお話しではない。

何といっても、見どころは特撮!毎回言っているような気がするが、今回は!である。
登場人物が目をやる窓の先に、街中で戦うウルトラマンと怪獣の姿がある、ウルトラマンがビルの間にそびえ立っている。このシチュエーションはたまりません、個人的にはもうぐっときます。

そして実は本命怪獣ではなかった、登場怪獣「パゴス」今回のために新造されたものであり、『ウルトラQ』以来の再登場である。いや真実は『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場しているが、ベリュドラなる無数の怪獣が合体したなかの一部にあっただけなのでカウントはしたくない。
やはり地を割って、あの鳴き声を以って出現してもらわないと。これこそ地底怪獣といった趣きは、この頃では滅多にないタイプだけに血が騒ぐ。
倒された後に、風化していくような姿は「ウルトラQ」を想起させる。スタッフのこだわりに現場の充実ぶりが窺えるようである。

【次回】それでも宇宙は夢を見る

三体のウルトラマンが主人公の身体に宿っている。
戦っているウルトラマンが負傷すれば、別のウルトラマンにチェンジすれば問題なく続行できるようだ。けれども肝心の宿主に当たる人間ヒロユキへダメージとして残ってしまう。ここの設定は深く関わってきそうだから、きちんと留めておきたい。

書くと憶えます。こうした点がブログをやっていて良い点ですね。でなければ、「あっ、そうだったっけ?」という事態はちょくちょくある、ここで書いている人なのです(笑)

ところで前回『夕映えの戦士』で、もうすっかり忘れられないエンディング曲となった『ヒトツボシ』。ウルトラマンR/Bのエンディング『夢飛行』に続いて、曲が始まっただけで涙ぐみそうになってます(笑)じゃなく、マジです。

『夢飛行』のほうは実はアルバムからのシングルカットだったので、レンタルが楽でした。今回はそうもいかなかったため、製作費により寄与する身銭の切り方となりました。
きっと最終回においても泣かしてくるだろうな、と思っていたら、変わるのですね!ウルトラマンR/Bの時のように、1番と2番を使い分けではないのですね!ちょっとショックを受けています。

番組の雰囲気に合う良い曲なら、いいのですが・・・スフィアか。正直、不安は大きいが期待します。どうか感動的な曲になりますように!