ネタバレ感想【ウルトラマンタイガ】第10話 夕映えの戦士

2019年9月8日

なにげに抜けていたビクトリー!
なんの話しだと言われたら「ルーブクリスタル」のことです。宇宙を支える様々なエレメントパワーを込められた神秘のアイテムのことです(笑)
もうコンプリートは目指していませんが、やっぱりお気に入りのキャラは手にしたい。ビクトリーは押さえておきたいクリスタルの一つでした。ようやく手に入れることが出来ました。

すみません、真実を申せば何が何でもといった気概はありませんでした。強く求めていたら、とっくに所持しています。特売で見つけて「おっ、ビクトリーとはラッキー」なくらいです。

何が何でも欲しかったクリスタルといえば「ホロボロ」「グルジオボーン」「グルジオキング」「グルジオレギーナ」です。ツルちゃんアイテムです!です。
大人なワタシはこれで満足です。けれどもまだ残っている少年のワタシとしては、カッコいいヒーローは欲しい。剣のオーブオリジンに、鎧のヒカリは特にお気に入り。もし子供の頃であったならば、ウルトラマンは全て揃えたくなったに違いない。

大人になって邪な心が優るようになったとはいえ、制作費の一部になるわけです。言葉だけでなく、行動しているわけです。買い物衝動に促されるままの結果じゃねーか、と指摘されれば返す言葉がございません。

ニュージェネのウルトラマンは玩具が多すぎると渋い顔をする人たちにとっては、許しがたい行動かもしれません。そういえば円谷一族経営末期の社長も、少し前にそうぶち上げていましたっけ。けれどもその社長が就任した際に企画されたウルトラマン・プロジェクトにおける予算は以前に較べて「1/3」になったそうです。半分ぐらいだろうとずっと思っていましたが、違っていました。
作れないことはない、といった話しであります。経営が圧迫されれば製作状況を厳しくしなければならないのは分かる。けれども「オモチャばっかり売って」と文句を述べているようでは、経営改善は難しそうだ。少なくとも社長の器ではない。

つまり自分に対して、ここで書いているばかりでなく多少なりとも貢献しなさいよ、と自戒するわけです。
そういえば今回登場するブラックキングもルーブクリタルあるんだよなぁ〜、ということで衝動が走り出しております。

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【ナックル星人】単純ではないリスペクト

ウルトラセブンのエピソードから、リスペクトに止まらず続編までといったタイガです。

タロウの息子が主役なのに、セブンなのかと思っていたら今回は『帰ってきたウルトラマン』からときました。名前は「ウルトラマンジャック」ですからジャックで・・・ではなく、「帰マン」で以下を表記させていただきます。ここで書いている人のノリが、そちらだからです。単なるワガママです。

タイガのヒロユキ役とトレギアの霧崎役の、主人公クラスの対談で楽しみに放送を待っているとされていた、このたびの『夕映えの戦士』。
登場するのは、ナックル星人です。ウルトラ史上最も卑劣な手段に訴えたとされています。

帰マンは地球で過ごすため宿った郷秀樹と意識が一体化しています。
この帰マンを倒すため、郷秀樹が付き合っていたに等しい女性を拉致して殺害します。その女性の兄であり、郷秀樹にとっても兄に等しい男性も車で跳ねて殺害します。
目的を果たすために、周囲の人間を狙ったわけです。しかも殺害という最悪の行為を平然と実行しました。

作戦は当たり、一度は敗れた帰マンでしたが、ウルトラマンウルトラセブンの救出に立ち直ります。ナックル星人ブラックキングを夕陽のなか、ついに倒す!屈指の名シーンであります。

今回のタイトルである『夕映えの戦士』あの卑劣極まりないナックル星人を「戦士」として呼べるものだろうか?なにせ勝つために帰マンの大事な人を殺害した輩だからである。

【ああするしかなかった】結末

帰マンの襲撃に、ナックル星人は複数で訪れていました。そのうちのリーダー格が部下たちを抑え自ら巨大化して、直接戦闘しています。

これをいじわるな解釈をすれば、なぜ一人ではなく複数で臨まなかったのか。あれほど非道ではあるが計画性はきちんとしていたナックル星人にしては杜撰すぎないか。

タイガにおける今回で、ナックル星人の気性を窺わせられたことで得心させられたような気がします。暗殺で名を馳せながら、どうしても戦士としての本能が抑えきれない種族。そこには物語りがあるような気がしてなりません。
種族が戦士から暗殺者へ落ちていった経緯を想像したくなるほど、今回のナックル星人は遣る瀬ない誇りを示してきます。

オデッサ』今回登場したナックル星人の名前です。
証拠があるわけではありませんが「帰マン暗殺計画」に参加していた一人だと思っています。功名心と戦闘本能から名は分からないリーダー格が自ら出て戦っている姿を眺めていた一人か。それともリーダー格の星人そのものなのか。
自らの敗北より、勝利を収めた夕陽のなかに佇む帰マンの姿が記憶に焼き付いた。オデッサ自身、まだ相棒とすべきブラックキングもいなければ敵わないと思ったのかもしれない。東京爆破計画も、帰マンである郷秀樹によって阻止された。
何よりオデッサは暗殺稼業が嫌になっていたのかもしれない。だから、それから人間たちの社会で穏やかに過ごすことが出来たのであろう。

皮肉だったのは、心許せるほど親しくなった年下の青年がウルトラマンであったこと。そして暗殺は嫌になったとしても、闘争こそ本分とする気性を結局は変えられなかったこと。

神々しく夕陽に浮かぶ帰マンに挑むことが、オデッサにとっての夢であった。気づいてしまった時、長年にわたる想いに任せるままにナックル星人として向かっていってしまう。けれども相手は帰マンではなく、友人のヒロユキが変身するタイガ。そのタイガ帰マンに見立てて戦闘せずにはいられない。
敗れ散っていく間際までナックル星人オデッサは、その内心でヒロユキへ詫び続けていく。

帰マンオデッサがかつて大切な人たちを殺害したメンバーの一人だったと知ったら、どう思っただろう。例えその後に心を入れ替えた生活を送っていたとしても、許せただろうか。やはり自分の手で倒したかったと考えただろうか。

ただ「どうするのが一番良かったんだ」とオデッサを想い涙するヒロユキに、「オレだってわかんねーよ、あの時はああするしかなかったんだ」タイガは沈痛に返すほかない。

憎むべき相手であったとしても、今の地球で戦っている若きウルトラマンとその身体を貸す若者の姿を見れば、簡単に答えは出せないだろう。出して欲しくない。

敵味方で割り切れない世界。前作から見られたハードな奥深さが顕著に現れた今回です。

【次回】星の魔法が消えた午後

今回の脚本は、柳井 祥緒(やない さちお)。『ウルトラマンX』から、ぽつぽつと参加しています。
監督は、前回に続き武居 正能(たけすえ まさよし)。単純に割り切れない関係性を演出させたらピカイチではないか、と。泣きのツボをよく押してくるので、本当に困ります(笑)

そしてナックル星人オデッサであり、ヒロユキと仲良くなった小田さんを演じたのは石橋 保(いしばし たもつ)。いきなり予算を1/3に減らされたウルトラ作品において、防衛隊の隊長を演じておられました。最終回に一人きりで出撃するシーンは強く印象に残っています。
今回の『夕映えの戦士』が素晴らしかったのも、石橋保の名演があってこそです。手紙を読み上げる声が戦うナックル星人に被さる場面に涙腺が緩みます。夕陽をバックにすると忘れられないシーンになる伝説をまた一つ書き加えることとなったのも、オデッサをあそこまで昇華してくれたからです。

次回は『星の魔法が消えた午後』少し息が吐ける回となりそう、と思っていますが、どうでしょう(笑)
油断も何もあったもんじゃない、それがウルトラマンタイガという番組ですから。

追記 この記事はちょこちょこ直しているかもしれません。1回目をアップした時点でまた見返して加えています。冷静さを書いてアップしていること、申し訳ありません。