ネタバレ感想【ウルトラマンタイガ】第7話『魔の山へ!!』

時代背景は、その作品にとって重要だと思います。
ちょっと大げさな言い回しなので、言い直せば「制作状況」とでもいいましょうか。マーケティングがもたらす世情の希求、製作会社の方向や予算・スタッフなど。奇跡などとは言いません、必ず良作になるとは限らないことから、偶然が重なって作品は生まれていく。

良作!これがまた難しい。なぜなら作品が素晴らしくても、世の中に受け入れられるとは限らない。むしろ内容よりも、世間の求めに応じられた方がヒットする。
内容!これは更に難しい。なぜなら創作物の解析が為されているにも関わらず、確実な作品など生まれはしない。教科書通りの作品が面白くなるどころか、逆になるパターンも多い。めちゃくちゃやったほうが面白くなる場合もあるが、これもまた逆パターンに陥る危険性は高い。
面白い!これがもっとも厄介だ。作品に対し、全員が良いとすることもなければ悪いもない。良い悪いの評価にも温度差がある。まぁまぁで褒められるがいいか、激しい不満が渦巻く一方で熱狂的なファンを生むほうがいいか。製作側としては売り上げに直結するほうを選びたいところだが、どちらへ転ぶか分からない。

結局は、やるしかない。答えにならないような結論で落ち着くわけだが、特撮は時代によって製作本数に波があるから、ファンとしては油断ならない。製作側には「やるしかないのだぞ!」と言いたい。もしくは「作ってください、お願いします!」と言いたいわけです(笑)

ウルトラマンタイガ』今回取り上げる第7話放送日は、猛暑極まる一日です。YouTubeにおける円谷公式配信としては、『ウルトラマンガイア』が最終回直前であり、『ウルトラマンネクサス』が第3話です。
これに加えて東映作品も加われば、ぼやぼやはしていられません。

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【魔の山へ】リスペクトはセブン?

前回の田口監督が担当した『円盤が来ない』劇中に登場した人物の正体について明言されなかったものの、ウルトラセブン45話『円盤が来た』の続編でありました。監督もコメントしています。

今回の『魔の山へ!!』このタイトルを聞いて自分のようなオールド・ファンがまず頭に浮かぶのは『魔の山へ飛べ』ウルトラセブン第11話のタイトルです。

ウルトラセブン第11話『魔の山へ飛べ』。
ある山で若者ばかりが外傷なく命を失う、原因不明な事件が勃発します。事件の犯人は、ワイルド星人。本星が老衰で死を待つ者にしかおらず、少しばかりの若い命を吸い取って持ち帰ろうとしていたのです。地球を侵略するつもりはない。
命を持っていかれる当人はたまらない話しではありますが、ワイルド星人も窮余の末における行動です。承服しかねますが、哀れではあります。ウルトラセブンが人気のある一因を見る想いです。災害に近い怪獣と違って、他の惑星からやってくる星人の中には、止むに止まれぬ理由があります。

ウルトラマンシリーズのなかで、視聴対象が最も高年齢層向けの作品かもしれません。だから視聴率が放映開始当初30%以上から20%を割り込むまでに至った。それが全てではありませんが、原因の一つに含まれるかと思れます。

評価と売り上げの両立はいつの時代も難しい命題です。それもシリーズとして後続作品になればなるほど難しい。

よくやっているよなぁ〜、仮面ライダーも戦隊も、そしてニュージェネとされるウルトラマンも。応援せずにはいられません。

ウルトラセブンの設定において、地球の侵略してくるのは宇宙人で統一させています。
タイガの世界では、地球に多く住む宇宙人。事件の暗躍には必ず宇宙人の影がある。

タイガウルトラマンタロウの息子です。でももしウルトラマンゼロが存在していなかったら、ウルトラセブンの息子として設定されていたかもしれない。
そう勘繰りたくなるほど、ウルトラセブンを意識させられるエピソードの立て続けであります。

【魔の山へ!!】初の前編へ

前回が続編だったのに対し、今回はリスペクトです。
不気味な山へ向かうという流れのなかで、ホラーを匂わせるサスペンス。子供が観るには怖いウルトラセブンの世界に近づけた演出が見えます。

とはいえ、やはりそこは現代。影を濃くするコントラスト激しい画面作りは出来ないのであろう。村人が集う怪しげな儀式も赤くぼんやり浮かぶような色味であり、全編に渡るホラー色は僅かでしかない。
但し、地図から消されたとされる村。主人公たちはあっさり辿り着き、村も通常に見える。昨今において珍しくもない限界集落の一つにすぎない、と思いきやである。
年配者のみの村人は、笑顔。訪れた時の挨拶に始まり、儀式最中に、そして山中で囲むように現れた時も、常に笑っている。

主人公たちと訪れたネットアイドルも身に付けていた眼帯が外れれば、赤い瞳としている。特殊メイクとしてはカラコンを装着しただけの簡単なものだが、左右の揃っていない瞳の色はなかなか演出効果が高い。

今回は朝の子供番組という枠内で、ウルトラセブンで見せた「ホラーめいたサスペンス」にどれだけ迫れるか挑戦した内容であった。
夏だからこその企画でもある。

今回の事件において暗躍していた星人は、フック星人ババルウ星人。特にババルウ星人はニュージェネにおいて正義の星人になったりと活躍がめざましい(笑)
今回は、本来の役目を取り戻し、悪い星人である。ウルトラマンフーマに倒される、真っ当な敵役として役割を終えた。
いやいや今回もババルウ星人は、ある意味良い仕事をした。世界を混乱に陥れようとする悪い目的で封印を解いたが、人柱として成仏できなかった村人たちの魂がそれによって解放された。皮肉な結果だが、平和維持という大義のもとに死してなお犠牲を強いられてきた村人たちが救われたわけである。

中味もまたウルトラセブンのリスペクトを受けていた回でなのである。

【次回】悪魔を討て!

封印を解かれて現れた怪獣は、次回へ持ち越しとなりました。今回ゲストで登場した人物もそのまま出演するようです。

閲覧数を増やすためならば、平気で無法に走るネットアイドルも事情がありそうです。

それに何と言っても、初めて全く出てこなかったトレギア!きっと今回の分を含めるような活躍を見せてくれるでしょう。悪いヤツの活躍を期待するのもなんですが、登場する怪獣が「悪夢魔獣ナイトファング」悪夢で魔獣だなんて、トレギアが利用する相手として相応しい感じがします。

ただ残念なのが、監督コメント付き予告でタイガのパワーアップ体「フォトンアース」がお披露目の回になるそうです。もう撃退方法が分かってしまったことが、楽しみにしつつもちょっと残念な気がしてならないのです(笑)