ネタバレ感想【ウルトラマンタイガ】第5話『きみの決める未来』

ヒロインの中の人にはあまり興味を示したことがない。正しく言えば、ヒロインを演じ切った時点で追いかけない。

これはヒーローを演じた俳優にも当てはまるが、番組降板後のほうこそ勝負である。役者として生きていく長い道のりは、これからなのである。いつまでもファンのイメージのなかで押し留めておくことは、決して応援にならない。

と、ここまで偉そうに言っているが、ぶっちゃければ、ヒーロー番組で演じていたイメージとは、あまりかけ離れた役どころを見ていられる自信がない。特にヒロインには、それが当てはまる。仮に仕事がなかったらなかったで、どうせ結婚して引退だ。

要はここで書いている人に気力がないだけなのだ。ヘタレである、それだけである。

でも以前の面影を失くしても、活躍してくれれば、やっぱり嬉しい。けれど活躍しすぎて、もう出演が叶わぬのも寂しい限りではある。難しいところだ。

まだ『ウルトラマンR/B』の外伝を諦めきれていない自分としては、である。ツルちゃんやアサヒが出ない外伝など認めないという、ここで書いているいちファンは、である。

ツルちゃんやアサヒを演じた女優が、売れ過ぎて出演できなくなるのではないかと心配していた。あれほど見事に演じきった二人である。R/B以降は忙しいだけの毎日を過ごしていると信じきっていた。

芸能界には疎いんだな〜、オレって!芸能界、そんな甘いもんじゃございません。けれども、だからこそ応援したいと思えるところだ。

そして今度のウルトラマンのヒロイン役も、そこまで思わせる役にまで昇華されて欲しい。けれども、オレの目は厳しいぜ!(笑)

以下、ネタバレ及び独自解釈による偏見(笑)が含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【きみの決める未来】ライターと監督

今回の脚本を担当するのは「皐月彩」読めねーよ、という方も多いでしょう。ワタシだって読めません。
「さつき あや」と読むそうです。ペンネームは難しいよな、と思いましたが本名だそうです。この時点では20代半ばの女性です。エジプト出身だから、読み難い苗字というわけでもありません(笑)
商業デビューはタイガが放送している2019年の前年からになります。バリバリの新人ライターです。しかしながら前作『ウルトラマンR/B』を担当しています。第17話『みんなが友だち』です。ツルちゃんやアサヒといった面々がハロウィンの格好をし、ピグモンが可愛がられ、ダダが空振りの努力をし、ブースカが大御所として扱われていた回です。だから「女の友情」をテーマにした今回の起用となったのかもしれません。

監督は前回に引き続き、田口清隆。この監督が見せる特撮カットは好きなので、ジード以降は登板数が少ないので、もっと上がって来て欲しいです。
今回は、オープンカットが多数あります。自然光の下でミニチュアが並ぶ世界を撮る。これこそ巨大特撮ものならでは!のカットになります。見方を変えれば、世界的にCGで作り上げれるようになった現代においては、円谷と東映でしか見られません。
見とくべきですよ、と強く勧めておきます。

【きみの決める未来】ピリカ

ピリカヒロユキのちょっとしたやりとりから始まります。
ヒロユキが休憩時間について文句を言えば、ピリカは2分4秒は残っていると口を尖らせて答えています。細かい男はもてないぞ、と言いたくなるヒロユキの指摘です。ついリュウソウジャーの婚活戦士カナロを思い出してしまいました。あれは現時点において結婚相手どころかカノジョさえ出来るか疑わしい状況です。

のっけから怪獣が出現します。ヒロユキがこっそり抜け出してタイガへ変身して応戦するものの、相手が吐く毒に苦戦します。腕を噛まれたままで放つ必殺光線ストリーム・ブラスターでなんとか撃退です。

怪獣に腕を噛み付かれたままに放つ光線技といった、いきなりテンション上がるカットで始まりました。幸せです(笑)

今回は「なにげなハードさ」を持った内容です。
そんななかで、おかしみのあるシーンを担当したとすれば「ダマーラ星人」でしょうか。

このダマーラ星人。地球人タイプです。ハゲ坊主頭のおっちゃんがファンキーな服装をしているだけです。でも宇宙人が多く紛れ込んでいる街です。少し変わった洋服センスなど誰も気には止めないかもしれません。
今回の怪獣は、セグメゲル。かつてダマーラの故郷が侵略を受けて滅ぼされたといった貴重な情報をもたらしてくれました。けれども訪れた先はE.G.I.S.(イージス)は民間警備会社、相手が悪かった(笑)。報酬は要求されるわ、否応無しに協力を求められ連れ出されるわ。かなり重要度が高い情報を持ってきてくれたのに気の毒です。

先の戦いでヒロユキは怪我をしています。ウルトラマンのダメージはそのまま受け継ぐようです。

そういった事情があるので、ヒロユキの代わりといってはなんですが、ピリカが外へ情報収拾に出ます。

街へ出たピリカがファッションの趣味から、なる同年齢の女性と知り合いになります。まさしく意気投合といった感じです。
ピリカ。両者それぞれが演技できる女優で良かったです。この短い時間で心を通わせる様子を視聴者に窺わせるには素人演技では難しい。

は怪獣を召喚している者です。侵略の手先であります。その正体をまだピリカに知られていない時の訴えは、まさしく組織に翻弄される勤め人の苦悩そのものです。成果以外は顧みない仕事はしんどい。けれども責任があるし代わりはいないし、それに自分にはこれしかない。
実際は本人が思うほど果たすほどの責任でもないし、代わりはいる。ただ周りが楽をしたくて押し付けられているだけ。それが悲しい現実である。

仕事に人の未来を決める権利はない!ピリカへ訴えます。正直なところ、なかなか首肯は難しい名言です。家族を抱えている状況や仕事によっては良き未来も生まれることがある、と理屈をこねることも出来ます。けれども現在のにとっては一番に必要な言葉です。

それからお互いの正体が判明した後、拒絶したに何度も吹き飛ばされるピリカ。あれだけ叩きのめされても立ち上がる姿に、ピリカもまた地球人なのか疑ってしまいます。いや単なる演出上のタフさかもしれません。ただ言えることは身体を張った行動だからこそ、気持ちが通じました。は我が身を犠牲にして、怪獣セグメゲルが放つ毒の抗体となります。

怪獣を撃退した翌朝のE.G.I.S.
多少の事情を呑み込んでいるであろうヒロユキは、ピリカの出社が遅いことの懸念を口にします。もしかして来ないかも、と考えていたかもしれません。
まだ始業時間まで30秒前ですぅ、といつもと変わらない様子でピリカが出社してきました。普段から出社時刻はぎりぎりなのか、それとも珍しいことなのか。ヒロユキ社長の感じから後者なのかな、と個人的には推測します。

すっかり元気といった調子で、いつも通りにデスクへ着くピリカ。スマホに収めた葵との写真を眺めてから、仕事に取り掛かる姿はもの哀しい。今回のエピソードはそれで幕を閉じます。

【次回】円盤が来ない

ぼわん、と黒き煙を巻きながら炎が舞い上がる。実際の爆発はいいものです。もちろん特撮現場に限った意見です。
現場用語で、ナパーム爆発でしたっけ?ちょっと自信がありません。ですが今回は従来の特撮技法にこだわったカット撮りをしたように思えます。明らかに前回とはまた違った撮影をしてきてくれました。
しかもR/Bに続いて、静かに女性の悲しみを表現する術に長けている田口監督にはもっと担当していただきたい。
と、思ったら次回も監督です。初回から3話を担当するパターンはありましたが、引き続く監督が2話でなく3話を任されるなんて初めてかもしれません。現場の体制も、ただ従来のままという形ではないようです。これは期待できる現在の円谷プロダクションです。

このたびはタイガ・タイタス・・フーマといったトライスクワッド全員が姿を現しました。ただその煽りを食らってか、トレギアの出番はなしです。人間体である霧崎でワンシーン台詞を述べているだけです。憎々しい敵役ながら登場しないと寂しいものです(笑)。でも次回で登場が多そうかと言えば、そうでもなさそうです。

次回の主役はE.G.I.S.の女性社長佐々木 カナの模様。またトレギアはニヒルな敵として少しだけの予感がします。

田口監督は銃撃戦が好きらしく、それを特撮カットの内でやってみたい。抱えていた構想を実現する回になります。それだけでも、もう楽しみで仕方がありません。