【ウルトラマンネクサス】テーマは、絆!ネクサス!

ともかく感動するしかありません。
2019年7月23日、池袋サンシャインシティにて開催中の『ウルトラマンフェスティバル』で、ウルトラマンネクサス(以下、ネクサス)の同窓会とも言えるトークショーが行われるなんて!

ウルトラマン史の徒花として、浮上することはないと思っておりました。一部のファン受けとして顧みられることなく終わるだろう。

自分の見識がつくづく甘いことを思い知らされました。後になって感銘を受けた人も多く、また放送当時から忘れられない人の数も多かった。

誰に話せるほど注目を集めていたわけではない作品が、こうして遡上の機会になる話題が提供される。ならば逃す手はありません。ちょっと遅きに失した感は否めませんが(笑)

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

ULTRA N PROJECTと】ULTRASEVEN X

2007年10月から1クール全12話で『ULTRASEVEN X』という作品がやっておりました。放送は深夜帯であり、残虐性を匂わす怪奇色強い「大人のためのウルトラマン」といった装いでした。
その年の春先に『ウルトラマンメビウス』も終了し、初代ウルトラマンからの「ウルトラ兄弟サーガ」がひと段落した時期です。ウルトラシリーズを新たな展開へ持っていきたい意向が窺えます。はっきり子供ではなく高年齢層をターゲットに定めた最初のウルトラ作品でしょうか。

いえその前に『ULTRA N PROJECT(ウルトラ・エヌ・プロジェクト)』というものがありました。対象年齢を上げることを目的とした雑誌連載、映画、テレビドラマからなる連動企画です。2004年に発動したプロジェクトは、テレビ放送として同年10月から『ネクサス』映画として同年12月に『ULTRAMAN』が公開されています。どちらも不振極まり、企画自体が頓挫します。
テレビ放送は子供層を主なターゲットとしながら親も巻き込むような作りへ路線変更して継続します。こちらはある程度の成果があったようです。しかしながらこれは個人的な意見になりますが、黒字になるほどであったかどうかは疑っております。借り入れ金を増やすために事業展開してみせる。倒産寸前の会社が行う策です。一族経営末期の頃なので、そう邪推しております。

大人を対象にした『ウルトラマン』リアリティを重視してドラマに重きを置くという触れ込みで作られる作品の本音は予算がなかっただけではないか。けれども視聴者の数としては限定的でしたが、満足したファンもいます。

ULTRASEVEN X』は不成功に終わった『ULTRA N PROJECT』の怨念みたいな企画だと思います。限られたファンの中でも成功とまではいかない作品でしたが、熱狂的なファンを生んだこともまた事実です。

【ネクサス】戦略ミス

正直なところ、「ウルトラマンネクサス スペシャルナイト 再会-リユニオン-」と題されたトークショーが行われるまで、根強い人気を実感できませんでした。一部のマニア受けで、終わっているだろう。

『ウルトラマンX』の20話において、ネクサスがフィーチャーされました。けれどもそれを機会に『ウルトラマンネクサス』を手にした場合です。怖すぎるサスペンス性に容赦のない展開。特に「姫矢編」と呼ばれる開始から25話までは、親子で観るにはきついストーリーです。しかも予算が以前の1/3に減らされたためか、ミニチュアを組まないで済む異空間を舞台にしたことでネクサスが活躍するシーンは地味に映ります。

けれども姫矢編を乗り切れれば、大丈夫とも言えます。打ち切りが決まってことで展開が早くなります。却ってストーリー運びが良くなったようです。そして「特別すぎる最終回」に辿り着いてくれれば、面白かったでしょうと声が掛けられるのです。

ネクサスの放映時間は、土曜の朝7:30からでした。商業的に失敗した理由を真っ先に挙げるとしたら、この点です。休日の朝一番に、雨が降りしきる中で惨殺シーンがある。直接的表現でない分、恐怖を煽る演出が効果を挙げています。
なかなかどうして、朝っぱらからこれではファンでもきつい。
けれどもこれが夜で観る分ならば問題ない。せめて夕方ぐらいにしてもらいたかった。

こうしてネクサスはもっぱら録画で観るようになります。たぶん自分だけではなかっただろうと思われます。視聴率が落ちてしまった理由の一だと推測しています。

当時の円谷プロダクション社長であった円谷英明は著書『ウルトラマンが泣いている』において、ウルトラマン平成3部作において予算のかけ過ぎたと記述しています。だから自身が製作の実権を握ったネクサスにおいて、予算を従来より1/3程度に抑えてきます。経理を見直すことに問題はありません。現場はその予算に合わせたウルトラマンを見事にやりきりました。
ただそれに見合う戦略を、当時の円谷プロダクションが取れなかった。もしターゲット層をあやふやにせず「夜のウルトラマン」として売り出せていたら、どうなっていただろう。考えさせられます。

【ネクサス】傑作だよね

ウルトラマンになる者が複数に渡る、これが他に類を見ないネクサスにおける最大の特徴です。

土曜の9:00からニュージェネレーション・ヒーローズとして放映されているウルトラマンシリーズも第7作を数えるに至りました。平成ライダーを同じく、ヒーロー同士の共演はあっても、作品ごとに新規軸を打ち出す方針を取っています。

現在、放映中のタイガは主人公に3人のウルトラマンが宿るという新しいタイプです。初めての試みです。そしてティガで始まったタイプ別へモデルチェンジと同様に継承できるアイディアかと思われます。

ネクサスの場合、同一のウルトラマンに変身する主な人間が3人いる(映画を含め、また束の間だった副隊長も入れれば5人)。こちらのアイディアは、どうでしょう。自分としてはニュージェネでいつか採用されるのでは、と期待しています。いますが、変身する主人公がバラけることは幼年の視聴層に混乱を招くから敬遠される気がします。
けれどもやり方はあるように思えます。前作では、兄弟といった二人のウルトラマンを据えながら、やりきった現スタッフです。主人公がいながら、ウルトラマンになる者は別にいる。今一度このアイディアを基とすることで、ネクサスが注目を浴びたら嬉しいことはありません。

ウルトラマンとなって戦い続け、時にはボロボロになった二人の適合者を支え続けた主人公。その主人公が最後の最後になって、ウルトラマンに変身する。ウルトラ史上に止まらず、ドラマ史上において屈指の胸熱くなるシーンなのです。

ネクサスにおいて、ラスボスを倒しても世界はまだ混沌に満ちたまま。まだ怪物がはびこっています。襲われた恐怖で動けなくなった子供を救う主人公が、かつて自分が子供だった時に励まされた言葉を投げます「あきらめるな!」

諦めてはいけない。まさにそれを具現したネクサスのトークショーでした。

*トークショーの詳細は、写真満載なマイナビニュースを読んでいただくのが一番だと思われます。
『ウルトラマンネクサス』再会にファン涙、会場全員で「あきらめるな!」【写真56枚】