見返したくなるワンシーン【Fate/stay night [Unlimited Blade Works]】LAST STARDUST

2020年8月19日

当ブログは、読み・聴き・観て「返したくなる」を主旨とした運営を目指しております。

わざわざ宣言をしなければならないほど、個人趣味に突っ走り気味の今日この頃となっています。これでは、いかん!と反省気味にもなっていますが、では打開策があるかと言われても思いつきません。なにせ自制心の抑制ままならぬが原因ですから、本人の精神的修養次第です。これでは改善など、いつになるか知れたものではありません。

そこで、アイディア勝負に出ることにしました。つまり小手先でどうにかしよう、という企画に至りました。
作品全体ではなく、ワンシーンへ焦点と当てよう。一部へ力を入れることで、作品そのものを観たく・読みたく・聴きたくなる。
我ながら、なかなか良い思いつき・・・としたいところですが、本当は取り上げるシーンがただとても好きなだけでもあります。結局は個人の趣向が色濃く出た内容になります。路線は相変わらずです。

以下、ネタバレが含まれます。独自解釈も酷いかもしれません。どうか平にご容赦のほどをよろしくお願いします。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

Fateシリーズ】個人的立ち位置

Fateって、スゴいんですね。ある世代においては全員がゲームをやっているんじゃないか、と思わせるくらいです。

それに対して、個人的立ち位置というか、ここで書いている人はどうかと言うと、ゲームはやったことがありません。けれどもアニメは全て観ています。当ブログを読んできてくださった方なら「ああ、やっぱり」でしょうか(笑)

スタジオディーン製作である1作目からずっと、『 プリズマ☆イリヤ』の劇場版だって映画館へ足を運んでいます。Fateと名のつくものならば、もちろん『衛宮さんちの今日のごはん』も含め、洩らさず観てきています。

いや、待て、ごめんなさい。初めて『Fate/kaleid liner Prisma☆Illya プリズマ☆ファンタズム』に、ためらいが生じています。何かの機会があれば、いちおう観てみるかもしれません。前評判や事前情報で決めつけてはいけないのですが・・・ちょっとこれは厳しい。

と、いうわけで、ほぼですがアニメは観てます。各シリーズにおいて出来の差はあるけれども、なんだかんだ言っても面白い。Fateの世界にハマると、ハズレを感じなくなるようです。
不満を感じる時はあります。けれども楽しませてくれることの方が大きいので、やはり観ずにはいられません。

ただ印象が残るという点で判断すれば『Fate/Zero 』、それからここで取り上げる『Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 』が群を抜いている状態です。

Fate/stay night [UBW]佳い曲

いきなり好きなる曲は、そう滅多にない。いいな、というのは、それこそ山ほど。でも本当に「いい曲」だと思うまでは何度も聴いてからだ。何度も聴いて、なお良さが染み渡ってくると自分にとって名曲になる。これは自分の耳が大したことがない証明みたいな話しである。けれども正直なところがそうなのだから、カッコつけて知ったかぶりしても仕方がない。

一発で素晴らしさを理解できました、と評論でよく有り勝ちな嘘は吐きませんといったところであります。

自分にとって「名曲」それは何度聴いても飽きず、ずっと自分の傍に置いておく音楽を指します。一聴で生涯を共にする曲なんて、なかなかそうないものであります。音楽に限らない話しではありますが。

ファーストコンタクトで、衝撃にも似た感動をもたらされた曲。アリスの『遠くで汽笛を聞きながら』、リターン・トゥ・フォーエバー『浪漫の騎士』、そしてSee-Saw『indio』が即座に挙げられます。この3曲しか浮かばないとも言えます。

ここでいきなりですがFate/stay night [Unlimited Blade Works]の放送は、1stシーズンとして2014年10月4日から12月27日まで全12話として一旦ワンクール分の間を開け、2ndシーズンとして2015年4月5日から6月28日までの全13話が放送されました。

物語前半である1stシーズンのラストを飾る曲は『THIS ILLUSION』原作ゲームの主題歌であり、一番最初にアニメ化された『Fate/stay night』でカバーされた曲です。今回はLiSAが歌唱を担当しました。バージョン違いはあるものの、元来が佳い曲です。
危機的状況に陥った展開のまま終了を迎えた1stシーズンを締め括るに相応しい曲でした。

【衝撃の】2ndシーズンのOP

4ヶ月ぶりに、再開といった感が強い2ndシーズン初回。場面は負傷した士郎が独り正義の味方になるという以前からずっと抱いていた想いを新たにする。
それから入っていくオープニング。

公式のMVを貼らせていただきました。番組OPはどうか観返してください(笑)

それまでに『ガンダムUC』に『残響のテロル』で耳にしてはいましたが、印象に残る歌声ぐらいにしか認識していなかった。昨今メジャー音楽では聴かないハスキーな声質。けれども食指が伸びるほどではない。

それが、ガンッ!ではない、ガツンッ!と来ましした。もう一発でこの『Brave Shine』(ブレイヴ・シャイン)=勇敢なる輝き。作品を体現した詩が、この声で歌われる。もう『Fate/stay night 』の士郎自身の将来を問う「Unlimited Blade Works」にこれ以上にないほど相応しい。

Brave Shine』これまで一聴で名曲としてきたものと違い、ある程度の先入観を持つなかで衝撃を与えてくる。これは今までにない経験でした。まだまだ感動はどういった形で押して寄せてくるか分からないものです。

詩も歌い手であるAimer自身の手によっていた。『Fate/stay night Unlimited Blade Works』を担当できたことはAimerにとって良き巡り合わせだったが、作品側からしても幸運としか言いようのない音楽を得られたのであった。

だがAimerを起用できたことが幸運の一言で済ませられないくらい「必須」であったと思わされたのは、主題歌よりもむしろ挿入歌であった。

【屈指の名シーン】LAST STARDUST

ともかく酷い話しである。
聖杯戦争という願いを叶えるための争奪戦だったはずが、実はある人物の抹殺するためだけに召喚を待ち続いていたサーヴァントがいた。それが主人公の士郎がこれから歩む先にいる自分自身であったアーチャーだった。

舞台はアーチャーが作る固有結界。殺伐としたひび割れた大地に刺さる何本と知れない剱は、これまで殺傷してきた人間に対する墓標代わりだろうか。
対峙する士郎に、立会いという立場で見守るセイバー。このセイバーもまた過去をやり直したい想いを抱えている。士郎のいずれの姿であるアーチャーと事の本質は同一なわけである。

アーチャーと刃を交えることで士郎へ入ってくる、これから辿る道の記憶。「今にも吐きそうな最低な面構え」となる悲惨な末路が待ち構えていることを知る。

アーチャーの言い分は正しい。だからこそ士郎が否定するために抗うことも指摘してみせる。「その理想は破錠している」ここに至れば自らにも当てはまるセイバーの顔つきもまた青ざめるようである。

全てが見透かされている士郎が敵うはずもなく、切られ刺されて倒される。

絶体絶命のなかで士郎が見る心象。これから行く地獄を見ながらも「どうも何かを忘れている」「確かに一つ忘れてしまったものがある」

「最初にその地獄を見た」士郎が振り向きます。背後には多数の黒い人影が控えています。それは最初の地獄である冬木市の大火災で亡くなった人々の影なのか、それともこれから待ち受ける地獄のなかで殺傷していく人々の影なのか。

「おい、その先は地獄だぞ」現在の士郎が、大火災のなか彷徨う幼き自分へ語りかけます。けれども歩みを止めず必死に前へ進む、幼きかつての自分。その姿に現在の士郎は自身に問いかけずにはいられない。

「おまえは何のために、俺は何のためにあの地獄を生き延び、見送られたのか」

静かに忍び込むような前奏が激しい音へ変わり、Aimerの歌声が重ねられると同時にである。

「おい、そこから先は地獄だぞ」将来の自分が、現在の士郎へ語りかけてくる。これに士郎は答える「これがおまえが忘れたものだ」「根底にあったものは願いなんだよ」「誰かの力になりたかったのも、結局何もかもとりこぼした男の果たされなかった願いだ」

士郎が生き様とする行動の根源とは、いったい何だったのか。

気がついた士郎に回復の力を与えるのが、契約が切れたはずのセイバー切嗣士郎の命を救うためセイバーの宝具「アヴァロン」の鞘をその身体に埋め込んだ。苦悩の源であったかもしれない養父の切嗣が繋いだ士郎セイバーの絆。切っても切れないとはこのことです。

もうこの作品のこの瞬間のために流れ続ける『LAST STARDUST』ここで書かれている詩こそ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』に相応しい中味である。

その間奏中に士郎が絞り出す言葉「身体は・・・剱で出来ている」。
この直後にくる「LAST STARDUST」のサビがクライマックスといっていいかもしれない。

立ち上がる士郎「おまえには、負けられない!誰かに負けるのはいい。でも、自分にだけは負けられない!」「負けていたのは俺の心だ。おまえを正しいと受け入れていた、俺の心が弱かった」「おまえの正しさはただ正しいだけのものだ。そんなもの、俺はいらない」
いつまで経っても色褪せない士郎の金言です。個人的には最後のセリフがネットで時折見かける意見に対する重要な指針となりました。物語から学ぶ醍醐味を味わった場面でした。

LAST STARDUST=最後の星屑、それは願いの欠片。願いの欠片よ、永遠へ・・・♪彼方へ飛ばすような歌声こそ、この作品を具現化した響きです。

このシーン推しによって観返したくなってくれれば幸いです。