【ネタバレ感想】騎士竜戦隊リュウソウジャー第14話『黄金の騎士』

放映中のシリーズ作品にとっての「真の敵」とは、前作だと思う。

シリーズ化するほどだから人気はある。けれども常に一定の売り上げなどは、一般企業ですら難しいのに、エンターティナーなら尚更のこと。マーケティングし創意と工夫をこらし、良い作品になったというだけではどうにもならない。

前作『警察戦隊パトレンジャー』もとい『ルパパト』は内容は大好評だったにも関わらず、玩具の売り上げが良くないという、製作陣にとって「お手上げ」の結果である。けれども人気作であることには変わりなく、根強い人気が今後に繋がる可能性はある。成功か失敗かなど、それこそ後になってみないと分からないものである。

特にシリーズものというやつは厄介だ。従来の視聴者を離さずに、新規を取り込むなどまさしく言うは易し。実際は既存のファンの目線は厳しく、前作との比較は免れられない状況である。新しいファンなど偶然のきっかけでもなければ、なかなか得られない。

「新機軸」を思い切って取り入れていこうとする作品ほど「当時の評価」は難しくなる。やはり終了まで、下手をすれば数年の後を待たなければ判断は難しい。とはいえ、製作中にそれなりの結果は出していかなければならない。

前作の『ルパパト』はキャストがいずれも「どハマり」警察側も怪盗側も好演しているところへ、追加戦士を元木聖也がこれ以上にないくらい演じきった。

では『リュウソウジャー』はどうなるか?その始まりの回である。

以下、ネタバレが含まれます。独自解釈も酷いかもしれません。どうか平にご容赦のほどをよろしくお願いします。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【ストーリー】黄金の騎士

先週はゴルフの特番に潰され・・・いや、この時期はお約束の如く1週は飛ばされますね。映画撮影との兼ね合いで、きつきつである制作現場への配慮でしょう。

たかが1週を飛ばされただけで、ずいぶん長く感じてしまうのは期待の裏返し。それに「戦隊&ライダー」は生活習慣の一環であることをしみじみ感じます。

今回の脚本はメインライターの山岡潤平&監督は渡辺勝也といったタンクジョウとの決戦を描いたコンビである。当時を思い出させる箇所もありました。

冒頭

新しい基地の部屋模様であれこれ会話するワイズルークレオン。そこへ新しいドルイドンの幹部がやってくる。ガチレウスといった、屈強そうな感じである。己れの意思を通すばかりで会話にならない。

ちゃらい感じのワイズルーとは、まさに正反対のタイプである。タンクジョウの系統に入るだろうが、話しの通じなさはこれまで以上である。上司として最も持ちたくないタイプの新たな幹部としてやってきたガチレウスである。

というわけで、新たな基地の模様について議論をしていたのも束の間、ワイズルーは退場である。倒されることなく敵幹部交代となった。

一方、龍井家。コウメルトアスナといったいつものリュウソウ族幼馴染3人組と、今日は一人で相手する龍井の父、尚久。竜宮城の伝説から、他のリュウソウ族の存在について古生物学者である尚久が述べようとするところを、ことごとく先んじて話してしまうメルト。まったく空気を読まないその性格は、いじられキャラへ邁進中と見ます(笑)

前半

オープニングの主題歌が終わり、始まる本編は「そうそうあったあった」設定である「ういチャンネル」実はちゃんとやっていた裏設定である(裏でもないかw)

番組ネタを探すういの前に「なんというリア充の香り」という幼児を相手にしていないセリフを吐くほどの美男と女性のカップルが現れます。

美男はもちろんリュウソウゴールドであるカナロ。赤いバラを出しても嫌味にならない容貌ですが、細かすぎるとフラれてしまいます。しかし直ぐ現れる次の女性である、あかね。自ら近寄ってきてくれた女性は、前の女性に受け取られなかったバラをそのまま差し出します。

なるほど!カナロがまったく女性とうまくいかない理由をはっきり示してくれます。絶対にもてない理由が、とてもリアルです。

「出会いがお別れの時だ」リュウソウゴールドの決め台詞なのか。現れたマイナソーを一撃で倒す。居合わせたういは家に戻れば、さっそくコウたちに報告である。

強靭な戦士に違いないが性格は問題だらけのカナロでも付き合ってくれるあかね
「そこで大して飲みたくないカフェラテと飲むくらいなら自然の空気を飲んでいたいな」もっともらしいようで、男としては超最悪なことを言うカナロである。これはどう考えても同性の金がない友人だけへ向けられる言葉である。

いくら顔が良い男が相手とはいえ、都合よく寄ってくる女など事情があるに決まっている。あかねにもちゃんと事情があった。どうやら付き合っていた男性がいるらしい。関係に疲れ果ててというのもありそうだが、ダメ男が好みという不幸体質であるようだ。
あかねを追いかけてきたカズマという男。店を出したいという夢を追っているが、うまくいっていない。このたびのマイナソーを生み出した人物である。

カズマの許へ戻っていくあかねに、傷心なご様子のカナロである。かなりがっかりしているようである。
そこへやって来るコウアスナ。どうしてメルトが一緒にこないのか、初対面こそ天然コンビで行かせてはまずいと思うが、ここは直球勝負に賭けたのか。

仲間になってドルイドンを戦って欲しい、と一点の曇りもないコウの申し出に、カナロは妻を探すことを目的で来ているからと断る。世界の平和より婚活らしい。

メルトは一人でケルビーマイナソーと戦っておりました。そうか、不穏な状況かどうかの突き止め役はメルトですよね、納得です。
駆けつける他のリュウソウジャーたち。五人が揃って、しかもメラメラソウルを使っても歯が立たない。

強いケルビーマイナソーを500体生み出すよう新しい幹部であるガチレウスが命じています。そんな簡単に生み出せるくらいなら以前からやっているでしょう。クレオンの受難は始まったばかりです。

弱っていくカズマの看病をするあかねの許へ、カナロがやってきます。どうやらあかねにはかなり心を砕いているようです。妻探しで手当たり次第と思いきや、惹かれれば真摯に向かうようである。少なくとも不誠実な者ではない。

後半

敗れたリュウソウジャーの五人は深刻に話し合っています。その様子をうかがうカナロに、コウがマイナソーを生んでいる人間がこのままでは死んでしまうという叫びが突き刺さっているようです。

ところで新しい上司のこき使われ方に、クレオンが音を上げています。この後、かつての上司たちの頃は幸せだったと思い浮かべるほど消耗しきります。まったく酷い今度の幹部ガチレウスです。しかしながら実際にいそうな上司でもあります。
今回は所々に現実を匂わせる箇所があります。しかもどれも痛い!ときている。なにげに容赦がないエピソードが満載であります。

再びケルビーマイナソーと相対峙するリュウソウジャー。五人揃っての変身シーンなど、久々である。山岡&渡辺コンビの『逆襲!!タンクジョウ』以来ではなかろうか。しかし必死に奮闘するも敵に敵わない。

そこへ助けに入ったカナロ。でもコウたち同族のためにではない。あかねのために、その恋人であるカズマを助ける。身を引くにおいて、カノジョの幸福のために力を尽くす。なんて誠実な、泣かせる男である。

ただ「カナロカズマ、似てる名前だから良しとしよう」と言わなくていいことを口にして台無しにするところは、フラれる女性との付き合いそのままである。

カナロがリュウソウゴールドに変身すれば、相性もあってか、それはそれは強い。ケルビーマイナソーばかりでなく後から出現したドルン兵も含めて、一人で圧倒する。最後に口にした締め言葉が「ラブイズオーバー」は個人的にちょっと笑ってしまいました。

改めて向かい合うコウたち5人とカナロ。そこへガチレウスがやってきて宣戦布告して去っていく。
コウとしては仲間になって欲しいと思うが、カナロは先を読んで断る。次の結婚相手を探すと答えれば、初めて聞くトワなど驚きを隠しきれない。こうした話題にバンバが加わることはない(笑)。出身を尋ねるというまともな質問をするのはメルトであり、竜宮城!と具体名を出すのはコウである。
竜宮城の名に思いを馳せるカナロの表情である。

【次回】深海の王

今回の『黄金の騎士』は、ともかく情報量が多かった。自分などでは、初見だけで掴み取れなかった。短時間に新しく登場したリュウソウジャーの性格を漏れなく詰め込んである。さすが、と思ったのは見返してからだ。1回目の視聴の際は腑に落ちるまではいかない箇所はいくつかあった。自分の能力不足である。

ただカナロ役の兵頭功海(ひょうどう かつみ)の演技力が覚束ない部分に原因もあるような気がする。どうやら俳優としてはデビュー作に等しいようだ。これは特撮ヒーロー番組の伝統みたいなものである。これから演技力を上げていくさまを見届けられるのも、特撮ヒーロー番組の醍醐味である。

けれどおかげでこれまでのリュウソウジャー5人がしっかり各自のキャラが際立ってきていることが実感できた。本当に演技力を上げてきている。映画を経験する頃に一皮剥けてくることも、このシリーズの伝統だ。

次回は、婚活戦士を心配して妹がやってくるらしい。兄を心配してやってくるかわいい妹というシチュエーションに喜ばない男子はいないはずだ(笑)

新しい騎士竜など、ここに来て次々に投入されてくる新たなキャラクター。夏が近いのを感じさせる。