【仮面ライダー平成ジェネレーションズ】三部作へ至るまでの感想

『平成』終了の発議が最初に為されたのは、2016年である。そして翌2017年中に、2019年4月30日を以って改元されることが決定した。

2016年末に公開された恒例の平成仮面ライダー劇場版においては、まだ「平成」の冠がいつまで続けられるかは不明だったわけである。『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』と打った第1弾は奇しくも三部作といった切りのいい形で収まることと相成った。

巡り合わせに恵まれるという意味で「持っている」平成仮面ライダー。ただし手繰り寄せるだけの道のりもまたあったことを、ファンであれば充分に承知している。

以下、ネタバレ及び独自解釈による偏見(笑)が含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【仮面ライダー平成ジェネレーションズ】3作品の情報

【平成28年(2016)12月10日公開】
仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』上映時間89分
監督:坂本浩一 脚本:高橋悠也 興行収入:9.4億

【平成29年(2017)12月9日公開】
仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』上映時間91分
監督:上堀内佳寿也 脚本:武藤将吾,高橋悠也 興行収入:12.8億

【平成30年(2018年)12月22日公開】
平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』上映時間100分
監督:山口恭平 脚本:下山健人,小林靖子(電王パート監修) 興行収入:15.5億

【自己流の】総評

年末において恒例となっていた仮面ライダー映画「MOVIE大戦」を刷新されたシリーズでもある。
なぜ新たな装いになったか?それは単純に興行成績が奮わなかったためだと思われる。2年前の『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』は、5.8億という年末ライダーでは最低となる。翌年の『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』は、7.3億でやや持ち直しているものの、ライダー映画においては下位に属する興行成績。打ち切り間近の春のライダー映画と同じくらいの状況である。

もしかしたら撤退も視野に入れていたのではないか。オーズで極めた売り上げも、ゴーストでは第二期平成シリーズにおいて最低である。テコ入れを必要とする2016年という時期だった。
元号としての「平成」終了は未確定な中、「仮面ライダー平成ジェネレーションズ」と銘打って『 Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』から『FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』は続きものとした。有終の美も覚悟して、主人公のライダーを演じた役者を呼び寄せた。両作を合わせて、第二期における大抵の役者は出演した。

ところが興行成績が予想以上に伸びを見せる。そして元号の上でも「平成」が終わる。ならば乗っかるしかないわけで『平成ジェネレーションズ FOREVER』かつての役者を引っ張ってくることが有効な手段であることは、前2作が証明している。そして目論見は当たり、平成ライダー映画史上3番目に高い成績を上げる。

急遽の三部作目にして、大当たりである。最も重視すべきは内容だという正論が興行成績に結びつかないことは現代なら解ること。素直に戦略のうまさを褒めるところである。

【感想】withレジェンドライダー

潮目を読まなければヒットには結びつかない。
とはいえ、観客からすれば作品自体が気に入らないのではたまらない。

第1弾に当たる『Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』を初めて観た際は、あまりいい印象はなかった。
過去ライダー客演に付きものの展開上における「唐突感」無理に場面を与えなければいけないことから、やや強引な面が出てくるところは仕方がない。ただ少しでも自然な登場へなるようにはして欲しい。脚本家によっては、まるきり放棄したように書く人もいるが、やはり苦心の跡が窺えた方が好ましい。
この作品においては、まるきり投げているとまでは言わないが、ストーリーより場面優先の感が強かった。特に最後でいきなりタケル倒れて、永夢が諦めず心臓マッサージで救う。多少は目を瞑ってきたが、これは眉をひそめる安直さだ。感動的シーンを挟み込みたい意図が透けすぎて、白けてしまう。

そしてエンディング後に流されるエグゼイドが戦っているところへ登場するビルド。ボトルにエグゼイドの能力を収めて去っていく。このエピソードは夏の映画辺りで回収されると思ったが、そのまま一年越しになったのは予想外だった。

あまり期待せずに行った翌年の 『FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』こちらは強引な展開はあっても文句は多少(笑)にて受け入れられた。
客演ライダーの登場が前作より素直に盛り上がれたことが大きいように思う。オーズのアンク復活といい、すっかり売れっ子である福士蒼汰もきっちりフォーゼを演じてくれた。話し作りには苦労したんだろなぁ〜、と思いつつ素直に楽しめた。
そしてエンディング後は、まだ見ぬ新仮面ライダーの登場。MOVIE大戦に戻ったかのような終わり方である。

けれどもこれで年末のほうはまだ続きそうな感じがした。なにせ『FINAL』と銘打たれていたから、もしかしてこれでお終いの可能性も無きにして在らずと思っていたからである。

取り敢えず『withレジェンドライダー』で、第二期とされる平成仮面ライダーにおける素顔の戦士たちは、ほぼ出演を果たした。残るは『仮面ライダーW』のみである。福士蒼汰が出たくらいだから大丈夫だろう、と当時は来季の出演を確信していました。
結果はご存知の通り、佐藤健というサプライズは叶ったもの、菅田将暉は残念。フィリップがいなければ翔太郎も出れずといった結果となってしまった。せめて仮面ライダージョーカーとして出演させても、と考えたもののアナザーWと対等に渡り合ってはそれはそれで問題か。
思わず憂き目に遭ってしまった仮面ライダーWである。

【それなりに欲しい】上映時間

上映時間を短くすることで、上映回数を回し観客動員を図る。映画館側のこうした意向が昨今強いせいか、短い上映時間が増えた。特撮・アニメへ対しては特に要求されているような気がする。

長くて90分が目安だろうと思われるが、同時上映でもこの時間内に収めなければならない感じである。ダラダラするくらいだったら、多少は物足りなくてもタイトにまとめあげたほうがいい。理屈としてはまったくその通りだが、実際の作品となると「今ひとつ」もしくは「惜しい」ばかりが並ぶようになった気がする。

『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』61分などではなく、あれこそ90分まるまる与えられていたら仮面ライダーに止まらない傑作になり得たと思えば残念に近い「惜しさ」だ。

「MOVIE大戦」も二人の仮面ライダーそれぞれの話しと共闘する、三つのエピソードからなるのが基本だった。だから設定が壮大でも、ストーリーとしては小粒な感じで並んでいく。
「平成ジェネレーションズ」はストーリーを分けないことで話しを大きく膨らませられたところが成功の所以だと思っている。3作目に当たる『平成ジェネレーションズ FOREVER』などは仮面ライダー登場のオンパレードにおける感動は最初から話しが通っていたからこそだと思う。

次回から「平成」の冠が外された映画となる。どんな形や内容になるか。やりきった「平成ジェネレーション」の次回作なれば、振り切るほどの大胆な作劇を望みたい。