【ネタバレ感想】映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』

自分が取り上げるには「これはムリだろう」というジャンルがある。それは「純愛もの」である。ラブコメや非日常な設定であれば、まだしもではある。男性主人公で共感できれば、なんとかなるかもしれない。

うむむむ、日常を舞台にした女性の想いで語られる映画か・・・自分ごときが取り上げるなんて、おこがましいにも程がある。
しかし、である。やはり得意?とされる分野ばかりでは、ただでさえ偏っている性格が取り返しのつかない域に達してしまうかもしれない(もう達しているかもw)
時には、難しいと思えるレビューにも挑戦するべきなのかもしれない。せっかく観たのだからという貧乏性もある。

今回は大いに不安を抱えたブログ内容になります。

以下、ネタバレです、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【パーフェクトワールド 君といる奇跡】鑑賞者の状況

ここで書いている人が、どういった状況でこの映画に挑んだか(笑)を述べさせてください。

パーフェクトワールド』コミック棚に載っかっているところを目にしてます。少女漫画を決して読まないわけではありません。けれど積極的に手を伸ばす分野でもありません。

ドラマ化されていることは、映画を観てから知りました。だから未見です。

パーフェクトワールド 君といる奇跡』は、真っさらな状態で鑑賞しました。もちろん映画館ではなく、レンタルです。レンタルもセルフだから気兼ねなく借りられたくらい、気が引ける体質です(笑)。少女コミックの購入には緊張してしまう男なのです。

なぜ借りたかといえば、料金が安くするため、まとめレンタルしますが、どうも同じ傾向の作品ばかり。借りたいものは揃えたものの、枚数が達しないと安くならない。だから適当に何か見繕おう。それこそが実店舗へ足を運んでレンタルする良さではないか。

自分独りで映画館へ行かない作品にしよう。

主演が、杉咲 花(すぎさき はな)だったことも決め手となりました。ヲタ的には母であるチエ カジウラが歌う『マクロス7』の楽曲はよく聴いています。個人的に、あまり綺麗すぎたり華がありすぎる女優は警戒します。キャラが強すぎて作品を選ぶ女優よりは、劇中に溶け込む演技ができるほうが好みです。
好みといえば、容姿より「声」へウェイトを置きます。ちょっと掠れがかった、けれども芯が通った杉咲花の声は良いです。あの声で「センパイ」と呼ばせたところが・・・ロクでもない趣向が露出してきたので、やめます(笑)

それに杉咲花は最初の当たり役が暴力で荒れる少女だったせいか、怖い役もやるではありませんか。恋愛もののヒロインを演じる映画はあるようで、他にないような気もします(ホントになかった)

と、いろいろ理由をつけて、ようやく観た『パーフェクトワールド 君といる奇跡』という作品です。手にするまでの葛藤が多かった分、甘くなっていることをご了承ください。

パーフェクトワールド 君といる奇跡】感想

劇場公開日は、2018年10月5日。原作コミックが連載中であれば、どう切り上げるかが難しいところです。
映画は、完全な完結を目指した製作となっています。

杉咲花演じるヒロイン「つぐみ」が校庭で桜を見上げるシーンから始まります。日本で映画を撮るなら「満開の桜」は抗えない魅力があります。そして観客側も何度観せられても飽きない季節のワンシーンです。そして、それが最後へ繋がります。
桜の傍に佇むシーンは映画は映画で一本の作品として終了を暗示する場面になります。

ダブル主人公ということで、相手男性は岩田 剛典演じる「(いつき)

原作では、この二人は同級生なのですね。映画鑑賞後に知りました。俳優の実年齢の差(9歳くらい)を考慮したというところは、ナイスだと思います。名前を呼びあうより、杉咲花には「センパイ」と呼ばせたほうが良いと思います。たぶんこの意見は一般的ではないと思われます(笑)

男性主人公であるは事故が元で車椅子生活を強いられています。ままならぬ身で、いろいろ諦めてきた辛さが滲み出ています。老齢に入ってから障害者になった身内の大変さを目の当たりにしているので、の設定を聞いただけで辛くなります。若いうちだからこそ、どれだけ悔しい想いをしていたか。他者がどれだけ理解できるか自信はありませんが、想像する努力は惜しみたくはありません。

と、そんな簡単に語れない立場であるカレとカノジョの物語りです。
障害者という立場に重きを置いた視線で捉えようとすれば、この映画はあまり好ましいものではないかもしれません。重点は恋愛とすれば、映像は全編に渡って落ち着いた美しさを持つ良い映画です。
自分の本音を言えば、つぐみで交わされる恋のやりとりがこそばゆかったです。ああ、やっぱり自分には恋愛映画はムリなのだ(笑)。付き合いだすまでは、ともかく悶えるのみです。逆を申せば、そう想わせるだけの作りをしているということですね。

付き合い出してから困難にぶち当たるところで、ようやく落ち着いて観られました。ど直球な恋愛への弱さを暴露している鑑賞者です。

の日常生活を介護するヘルパーが女性だといった事実を知って、つぐみの表情が変わります。恋するあまりの「業」が出ています。今後のヘルパーはつぐみが代わることになります。
仕事しながらのつぐみですから、当然ながら過酷な状況に陥ります。過労のあまり線路に落ちてしまうくらいです。

加えて、交際に反対のつぐみの父が、に頼み込みます。手を握って頭を下げて、別れてくれと言うのです。が頭を上げるように頼めば、さらに頭を下げるつぐみの父です。なんて、惨い人だろうと思いました。弱っていることはも同じながら、大義をかざしてつけ込んでいく行為です。そしてこれは現実においてもままあることです。つぐみの父が特別というわけではありません。
倒れて初めて、相手の気持ちが分かる。つぐみの父もこの後、脳梗塞で倒れてからことを思い遣れるようになる。人間はただ年齢を重ねるだけでは成長しないものです。

結局はが別れを切り出します。観覧車といったベタながら、むしろベタだからこそ切なくなります。つぐみの目で訴えるような表情がたまりません。

別れてから数ヶ月が経った頃、つぐみが仕事をしているシーンに入ります。ここでの服装がいかにも仕事一筋といった感じのものでした。こういう細かい配慮が為されているところは感心します。

最後は、樹が命に関わる大きな手術を行うことになって、本来の気持ちを取り戻します。

エンディングはとことんハッピーエンドです。照れてしまうと言いながら、やはり恋愛映画の締めはこうでなくてはいけないと思いました(笑)