【ネタバレ感想】騎士竜戦隊リュウソウジャー11話『炎のクイズ王』

ともかく前作が『警察戦隊パトレンジャー』もとい『ルパパト(笑)』である。当初から戦隊同士VSの形を取った野心作であった。作品としては大好評、ただメインスポンサーに対する売り上げだけが気にかかる結果となった。
だから次は王道でくるという。

戦隊シリーズでは、よくあるパターンだ。
近年だと『特命戦隊ゴーバスターズ』の次が『獣電戦隊キョウリュウジャー』、少し前になれば『未来戦隊タイムレンジャー』の次が『百獣戦隊ガオレンジャー』。従来の路線と違った作風に評価は高いものの売り上げは失敗なため、王道へ戻し回復させる。

『騎士竜戦隊リュウソウジャー』もまた、その例に倣うのだろうと思っていた。エンディングの『ケボーンダンス!』を見れば、キュウレンジャーに寄せてくるのかなと斜め上から眺める感じだった。

現在に至れば、驚かされるばかりである。マニア目線だからこそ気づく油断がならない作品である。

以下、ネタバレあります、独自解釈による偏見もあります(笑)どうか、ご了承のほどを。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【ストーリー】炎のクイズ王

脚本は、山岡潤平。メインライターが帰ってきました(笑)そういうわけなので気が許せません。何を仕出かす回になるか、楽しみです。
監督は、加藤弘之。前回の新人監督から一転して、ゴーセイジャーからのローテーションで演出し続けるベテランです。

前回の最後で、敵のワイズルーとクレオンの前にやってくる不気味な影の正体は?のっけから出現します。

【冒頭】メルトが心配

「そもさん、汝に問う!」力強い声が響いてきます。恐竜ディメトロドンに炎のモチーフで強化された『ディメボルケーノ』という騎士竜です。
やってきていたクレオンとドルン兵へ「パンはパンでも、食べられるパンはなーんだ?」とクイズを出します。
クレオンは「フライパン」と答えましたが、食べられるパンなのでハズレです。

「愚か者おおお〜」「なんだ、その答えはわわわ〜」と叱責しながら、灼熱の炎を吐く今度の騎士竜です。攻撃力は高いですが、タチが悪そうです。

ところ変わって人々を襲う、シンマイナソー。「はい、ホンバ〜ン」が口癖です。シンは蜃気楼を作り出す伝説の生物「蜃」から持ってきているそうです。なので吹き出す霧に、駆けつけたコウ・メルト・アスナを惑わします。正確には、コウアスナが惑わされます。メルトがドルン兵に見えて攻撃します。
メルトの声に、あっさり我に還るコウアスナメルトの確認する言葉が「わざとじゃないんだな」なんだか闇を感じます。200年共にした仲間に問うセリフではないような気がします。これまで何かあったのか。後に、その一端が垣間見える場面がありました。

【前半】メルトは苦労してます

バンバトワのリュウソウ兄弟がディメボルケーノの居所を突き止めます。そこへワイズルークレオンといったドルイドン一行がお出ましなので、木陰から様子を窺うことになります。

ディメボルケーノが今回問うのは「ヒザを10回言ってみろ」。
ワイズルーをど突きながら言われた通りにしたクレオンが口にすれば、「それで、どうだ」とくる。木陰で見ているバンバトワに、視聴者である自分も含め(笑)さっぱり答えは分かりません。

しかしこれに対応するためワイズルーシンマイナソーを連れてきた・・・はずなのですがいません。ドルイドン一行はまた前回の繰り返しになります。

事態を見届けたバンバトワは、いつも通りになりつつある龍井家へ。コウたち3人と龍井親子を交えて、報告と作戦会議です。
新たな騎士竜の特徴について問われれば、あのバンバが答え難そうに一言「クイズ」本来ならディメボルケーノが吐く炎の凄まじさを伝えるべきですが、よほどクイズにインパクトを受けたみたいです。

ディメボルケーノが繰り出すクイズについて古文書に記されてしたことをメルトが憶えていました。しかしながら「あたしクイズはニガテ」というアスナが、解答を記された肝心な部分を破いてしまったことを告白します。
ちゃんと自分のミスを報告できるアスナは偉いです。ただ、その失敗のカバーはメルトなら出来ると自信満々に押し付けるところが恐ろしい。コウがそれに乗っかることは理解できても、トワまで篤い信頼を寄せてくる。

博識という、ただそれだけで重圧をかけられるメルトコウアスナが能天気すぎる分だけ苦労を強いられてきたようです。なるほど、闇というよりストレスがかかりすぎて対人関係における正常な判断が失われるパターンですね。

そんなメルトに今後も期待大です。

【中盤】ヘンな格好のショータイム

ディメボルケーノのもとへ訪れるリュウソウジャー一行。
アスナに押し出され、礼儀正しく向かい合うメルトへ出されたのは「上は洪水、下も洪水。なぁーんだ」。
わかりません、ええ、わかりませんです。
ほうほうの体で引き退るしかないリュウソウジャー一行です。

その中で、コウは何か気になる様子である。独りディメボルケーノの許へ戻ってみるが、いない。追ってみれば、どうやら目に包帯を巻いた少年と仲良く会話している様子。出すクイズに、正解を答えるやりとりに、ようやくこれまで出されたクイズの解答への光明が見出せます。

病院から山へ戻ったディメボルケーノコウは頭を下げます。生み出しておきながら勝手に封印したリュウソウ族の所業について謝罪するのです。理由は怖がってということらしいですが、たぶん訳のわからんクイズを出すくらいだから面倒もあったのではないかと邪推しています。
ともあれディメボルケーノは悪いヤツどころか、寂しん坊であります。暴れん坊だけど実は、といったタイプです。なので、目に包帯を巻いた少年に見られて怖がられることを酷く恐れています。

それを知った「ヘンな格好のショータイム、ショータイムばっかり言ってるの」と看護師に評されるワイズルーが少年をさらっていきます。

【後半】足し算と掛け算

ワイズルーは人質にした少年を盾にディメボルケーノへ配下に収まれと要求してきます。
従ってはダメだと、コウが間に入ります。人質の少年は救ってみせる、仲間がいるからできる。「五人が集まったら、足し算じゃない、掛け算になるんだ」と見栄を切ります。
アスナは満面に浮かべる同意の笑み。トワは微妙。バンバはため息吐きそうに顔を背ける。そしてメルトは、バカと一言呟いた後に教えます。足し算は5になるけれど、1はいくら掛けても1である。妙に納得させられたシーンでした(笑)

そんなコウですが、ついにディメボルケーノが出すクイズに解答を出します。信頼を得れば新たなソウルを授けられます。
その一方でバンバトワが少年が人質とされている場所を突き止めます。

少年を救いに向かうリュウソウジャー。シンマイナソーの幻惑術に苦戦を強いられますが、新たに得たメラメラソウルによってコウがまとう炎の鎧によって事態を打開します。炎に巻かれて風前の灯だった少年の身を救い出します。

龍井家に戻ったコウを除く4人。龍井親子と、なぜか出てきた失われたいた部分の古文書によれば、恐ろしき姿に惑わされず心のままに答えればいい、とのこと。上も洪水、下も洪水、ならば答えは洪水。なるほどといった顔でうなずくメルトに、後ろでバンバが独り呟く「難しい」。
もうキャラの配置が絶妙です、リュウソウジャー。ここに婚活の戦士が加わるのですから、すごいことになりそうです。

コウと目が治った少年はディメボルケーノへ会いに行きます。目にした少年の感想は、カッコいい!そうですよね、見た目そんなに怖くないですよね、普通に「カッコいい」騎士竜です。

ここまで攻めてくるとは

繰り返し述べておりますが、王道の雰囲気を漂わせながら斬新性を以って臨んでいる作品であると思っています。少なくとも、戦隊としてのテンプレに捉われない作りを積極的に取り入れているように見受けられます。

今回は「巨大ロボ」を出しませんでした。リュウソウジャーは巨大ロボ戦のみで敵を倒すので、今回はドルン兵といった戦闘員は倒すものの、マイナソーは撃破しません。敵を倒すことよりも、人質となった少年を救い出すことがメインの活躍となっています。

会話は絶妙、戦隊メンバー一人一人を上手く際立たせています。
敵を倒す爽快感だけに留まらないよう、むしろ視聴者が試されているような『騎士竜戦隊リュウソウジャー』毎週、楽しみで仕方がありません。