【陽気婢】眠れる惑星

これがアニメ化されたら、深夜枠なら放送ができるかどうか?どうみてもR-15の内容である。けれど18禁までの指定は受けなさそうではある。

だからかなぁ〜、ホントにエッチだな、と思います。バンっと見せられるより、隠されたほうが興奮する年齢にもなりました(笑)。

ただ、この作者はやはりストーリーにはこだわる方です。成人指定の範疇にある作品においても、その傾向は窺えます。実はエロシーンよりも、ストーリーの流れを優先させる作者に思えます。
だからこそ「やらしさ」が際立ちます。

というわけで、今回のブログにおいては青年淑女はお目を汚さぬようにしてください。ゆるいとはいえ性的描写があるコミックです。けれども、硬質なSF的雰囲気も持っている作品です。

以下、ネタバレ及び独自解釈による偏見(笑)が含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【眠れる惑星】作品概要

作品名は『眠れる惑星』(ねむれるほし)。ずっと「ねむれるわくせい」と頑ななに読んでいた、アホなここで書いている人です。表紙に力いっぱいルビが挟まれているにも関わらず、今回の読み直しで気づきました。

月刊サンデーGENE-X」誌上にて2004年11月から2007年10月まで連載していました。コミックスにして、全4巻です。

月刊サンデーGENE-X」といえば、『BLACK LAGOON』や『神様ドォルズ』ような作品を掲載する雑誌です。
眠れる惑星』もまた際どい作品であります。性を絡めた、ガチなSFミステリー感は通常なら敬遠されそうな世界を展開しています。あとがきにあるように「中学時代の妄想」に作者なりのゾンビもののバリエーションを含ませているようです。

終末ものを手にする趣向があるならば、おすすめのコミックです。

【眠れる惑星】その中身について

ざっくりストーリー

主人公は高校生男子。ある朝、自分以外が誰も起きてこない。ライフラインは機能しているけれど、やはり動いている人はいない。その場で全員が眠りについている。

三日もふらふらしているうちに、健康な高校生男子です。ついファミレスの女性をやってしまいます。そこで自分とセックスした女性が目を覚ますことが発覚します。
続いて科学者の女性、それから好きだった女の子として目覚めさせます。

ある大量の女性たちが目を醒ましています。科学者の女性が高校生男子の採取しておいた精子を利用して覚醒させたそうです。

高校生男子は気になっていた女子と良い仲になります。しかしながら男性は1人ということで独占は難しい状況に陥ります。
そうした中で夢遊病だったと思われる者が徘徊しています。意識ないまま動きだす者が現れます。

目覚めた女性のなかで再び眠りにつく者が現れだしました。科学者によって精子を打ち込まれた者のなかからです。どうやら高校生男子と直接にやらないとダメなようです。

そんななかで科学者は夢遊病者とのセックスによる打開を計ります。いえ、ただの好奇心からの行動でした。その結果、夢遊病者を操る者は次第に夢の中へ捉われていくことが判明します。

男子高校生はその夢遊病者としてしまいます。眠りへ落ちていくようになります。

世界は徐々に目を醒ましていきます。何事もなかったかのように動き出してきたかのように見えます。

男子高校生と気になっていた女子とはもう相思相愛です。けれども2人が過ごす世界が眠っている夢の中か、起きている現実世界か、どちらの出来事かはわからなくなっていきます。

感想めいたもの

摩訶不思議という言葉が当てはまる結末です。
クローネンバーグの映画みたく、どこまでが現実で妄想か分からない。すっきり答えは与えてくれないので、想像するしかありません。妄想の塊で通した作品でした。

ただ男子高校生が好き放題、特に好きな女の子に応じてもらう、さまざまなシチュエーションこそが本懐です(笑)変に難しく考えず、そうした場面を楽しむだけでいいかもしれません。

個人的にはストーリーの動きよりも、誰もいないなかであれこれ模索しているエピソードが好きでした。だからもう少し主人公にさ迷う展開が多かったら、というのが自分の妄想です。

【良かった】最終巻末尾の短編『ロスト・セクシャリティ』

『眠れる惑星』は全4巻です。
最終巻においては、男子高校生が初めてやっちゃった「ウェイトレスの番外編」があります。そろそろ元カレから立ち直れそうといった、ちょっとしたコメディです。

そして描き下ろしの短編『ロスト・セクシャリティ』かつてうまく初体験が出来なかったカップルが再び出会う。でもそれは女性のほうから訪ねてきています。研究成果を教授に横取りされたのは、過去のトラウマのせいだと思い立ったわけです。克服のためやってきたわけですが、そこで研究成果である新薬を試してしまいます。最初は作製した女性が、それを追うように訪ね先の男性が。見事に成功したかと思いきや、実は副作用があって・・・。
悲しいお話しでしたが、感動させてくれました。

ストレートにくる実に良い短編です。実は『ロスト・セクシャリティ』この短編を薦めたくて『眠れる惑星』を取り上げたのかもしれません(笑)