【王道に包んだ大変革】『騎士竜戦隊リュウソウジャー〜「逆襲!!タンクジョウ」まで』

前作のスーパー戦隊『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』は放映前から期待していた。テレビシリーズにおいて初の「VS」を謳っている。意欲作であることはまちがいない。例え失敗に終わったとしても、何かしら爪痕は残してくれるだろう。
玩具の売り上げは今ひとつだった以外は、大成功といえる。メインスポンサーにとって物足りない結果だったとしても、個人的には大成功と言い切ってしまおう(笑)さぁ、売れなかったというパトカイザーの方こそ早めに押さえとかないと大変なことになるぞ!

終了後『4週連続スペシャル スーパー戦隊最強バトル!!』を挟んでの次作は「王道」をコンセプトでくると言う。そうくるだろう、と見続けた大人の視聴者なら納得する。『タイムレンジャー』の後の『ガオレンジャー』しかり、『ゴーバスターズ』の次の『キョウリュウジャー』しかり。意欲作の次作に「王道」を持ってくることで、玩具の売り上げが普段以上になるからである。

今回もそうしたパターンの踏襲になる。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』は単純に楽しむ戦隊ものになるだろう。エンディング・ソングを聴けば、訴える対象年齢を下げているように思える。

そんな単純ではなかった。思い知らされた「5・6話」である。

【ちょっとその前に】下から上へいくが、上から下には難しい

以前にも触れたことはあったが、2017年10月1日から『スーパー戦隊』と『仮面ライダー』の放映時間帯が入れ替わった。より時間帯を下げて、強烈な裏番組はあるものの視聴率も狙ってきたか。どんな意図があったかは不明です。意図などなく、ただ編成局の都合だけかもしれません。

『仮面ライダー』の後発番組として『スーパー戦隊』。対象年齢として、前者が上で、後者が下であることは間違いない。マニアなら、どちらが後先できても問題はない。両方を視聴することは鉄板である。
問題は今や国民的番組となっている日曜朝のヒーロータイムである。さほどこのジャンルに興味がなくても観てくる視聴者も多い。子供と一緒に、という入口パターンになる例でもある。

まず単純明快『スーパー戦隊』ときて、重厚に入り組んだ『仮面ライダー』とくれば素直に連続して観れるだろう。ところが対象年齢が上に当たるドラマ『仮面ライダー』から、対象年齢が下になるような『スーパー戦隊』ときた場合である。マニアはいい、ところがちょいとこしゃまくれた年齢やライダー目当ての大人などからすれば、幼稚になる(そんなことはないのだが)作品までは手を伸ばさない。
『仮面ライダー』だけでもう充分、となるパターンをよりいっそう増やす結果と成り得る。

放送時間の順番を変えたことは『スーパー戦隊』側には受難をもたらしたかもしれない。戦隊を観てからライダーはあっても、ライダーから戦隊はやはり視聴者を減らす傾向になりそうだ。

ならば、どうするか?『スーパー戦隊』も仮面ライダーの視聴者を離さないストーリー展開を考えなければならない。ルパパトはそうした点では成功を収めた。けれども戦隊ものとして売り上げたい玩具は苦戦した。

視聴者を驚かせるストーリー展開をしつつ、戦隊ものとして雰囲気を保つことで玩具も売り上げたい。この両命題を『騎士竜戦隊リュウソウジャー』は背負わされているみたいだ。

【5・6話】「地獄の番犬」・「逆襲!!タンクジョウ」

ストーリー

リュウソウグリーンのトワが女性と仲良く肩並べて座っています。女性は捨て犬の保護スタッフだそうです。捨て犬の問題に心を痛めています。そんな憤りの心から、ケルベロスマイナソーを生み出します。

このケルベロスマイナソーは変身途中のトワに噛みつきます。牙は猛毒なので生死をさ迷う羽目に陥ります。
トワの兄貴であり、ブラックであるバンバ。がんばってケルベロスマイナソーを一人で倒します。
地震の力を手に入れ強力になった敵幹部のタンクジョウ。マスターの仇であるためレッドであるコウは怒りに燃えて立ち向かいますが、タンクジョウは強い。そこへバンバに伴われた騎士竜の加勢によって、何とか倒す。

これにて、メデタシとはならない。

なぜかトワは毒にやられたままである。ならば解毒剤を作るために毒を所有したものの体組織の一部でいいからあればいい。どうやら倒した敵は一体ではなく、双子ではないか。しかもこの毒は感染するみたいで、周囲の者も次々に倒れていく。

元気なブルーことメルトコウケルベロスマイナソーを追う。ふたりで後一歩のところまで行くが、そこでふたりに感染した毒が発症する。変身を解けてしまうほどである。
ここでコウは生身のままケルベロスマイナソーの牙を取る。まさしく捨て身である。
解毒剤を長老に作ってもらえば、ここで騎士竜戦隊リュウソウジャーが、ついに5人揃う!
ケルベロスマイナソー、そしてマスターたちの仇であるタンクジョウを撃破してみせるのである。

補足という見どころ

長老はケバブ

コウたちがケルベロスマイナソーの解毒剤を作ってもらうため、かつてリュウソウ族の末裔が集う村へ行った様子です。頼みの長老ですが「破壊されて、行く所がない」ために、ワゴン車でケバブ販売をやっています。威厳も全て捨てて、ある意味おしゃれとも言える格好をしています。毒が回って辛そうなコウたちに長話ししかけるほどです。ただのいい爺ちゃんです。

しかしながら腕は相変わらずで、あっさり解毒剤を作ってくれます。最後のほうでは、長老が運転してきたワゴン車からコウたちを見守っています。

長老を演じるは団 時朗。『帰ってきたウルトラマン』ウルトラマンジャックであり、往年からの特撮ファンには嬉しい配役です。そしてこれからも出演ありそうな気配を漂わせて去っていきました。

緊迫感に満ちた今回のエピソードで、ほっと一息を吐くような笑いをもたらしてくれた長老のシーンでした。

命を奪う方法

かなり危険なところまで追い詰められるコウたちであります。

このリュウソウジャーにおいては、問題解決として「敵を倒さなくても、生み出す元となった者の命を奪う」方法があります。今回もまたバンバがこの方法を取ろうとします。残っていたトワアスナによって止められますが「まだ解決へ向けて動いている仲間がいるから、信じて待ってみよう」といった可能性が認められたからです。
もし、可能性など全く見出せいない事態になったら?一人にこだわって多くの命が失われることが明らかな時は?

こうした危険を常にはらんでいるリュウソウジャーはストーリーが生ぬるくなりようがないのかもしれません。

五人の戦い方と敵の姿

ついに五人揃って変身したリュウソウジャー。今回の作品はシリーズ初めて、等身大による敵撃破があって巨大戦へ至る繋がりがありません。騎士竜に乗り込み変形して戦う巨大戦のみにおいて、相手を倒します。
今回において、リュウソウジャーの五人は乗り込んだ形で必殺とばかりに剣を振るうようです。戦い方は今までにないパターンを構築していくようです。

敵の幹部は倒されました。そして新たな敵の幹部がやってくるようです。地球にいたとされる敵種族です。全容に至っては、まだまだ不明なところが多い。とんでもない秘密が隠されているかもしれません。個人的な予想は……恥ずかしいので披露はしません(笑)。

まだ含みを持たせます

五人の力を合わせて、敵を撃破したリュウソウジャー
リュウソウグリーンことトワはすっかりコウたちへ親近感を抱いています。
が、兄のリュウソウブラックことバンバはまだコウの差し出す手を握りません。そうすんなり事を運ばせない今回の戦隊作品です。

予想と違って目が離せないリュウソウジャー

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』通称ルパパトの後続作品である。当初の気持ちとしては『警察戦隊パトレンジャー』をやればいいのに(笑)と思うくらい偏愛していた。ここまでくると、たいてい次作品に対して辛くなるものである。

期待しすぎないで『騎士竜戦隊リュウソウジャー』を観る心積もりであった。しかもコンセプトは「王道」であり、恐竜のモチーフにまたかの感は無きにしも非ずであった。

ところが戦隊モノの雰囲気をキープしつつ、内実は余談許さないことおびただしい。これは観たことがない『スーパー戦隊』へ向かっているのかもしれない。
油断していただけに、目が離せなくなっている。わくわくしているとも言える。

そしてここで書いている時点で、まだ消化したのは6話なのである。たまらない限りである。