【テレビスペシャル『ルパン三世』】グッバイ・パートナー

これは『ルパン三世』原作者モンキー・パンチ(本名:加藤和彦)がお亡くなりになられた。その報を受けてアップしたような今回です。

LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』は5月31日(金)より新宿バルト9ほかにて限定劇場公開が決定しており、近年また活発化しています。ルパン三世というキャラクターが世に出ていなかったら、アニメにおける「子供向け」キャラクター造形からの脱却は遅れたような気がします。

今回はモンキー・パンチ生前において最後に製作された作品をブログにします。

以下、ネタバレ及び独自解釈による偏見(笑)が含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【怪盗だから顔もいろいろ】今回は赤ジャケ

ルパン三世 グッバイ・パートナー』は、テレビスペシャルシリーズとして第26作目に当たります。2019年1月25日に日本テレビ系の金曜ロードSHOWにて放送されました。

深夜枠でテレビシリーズ『PART IV(PART4)』に『PART V(PART5)』とやっていたので間隔が空いている気はしていないのですが、テレビスペシャルとしては3年ぶり、完全新作というと6年ぶりという実は久々です。そして平成最後のルパン三世作品となります。
もっとも制作側は、原作誕生から51年目に突入したことで、次の50年に向けての「ルパン三世」テレビスペシャル第一弾だそうです。最後というより、最初の位置付けになる作品なのです。

このテレビスペシャルの前に放映していた『PART V(PART5)』において、ルパンが羽織るジャケットの色で各シリーズの特色を示しました。秀逸なアイディアでした。これによってルパンという稀代の怪盗が一つの顔ではすまない存在であることを明確になりました。

ルパン三世 グッバイ・パートナー』は、赤ジャケです。ルパンを定着させた、最長の回数を重ねた『PART Ⅱ(PART2)』です。けれども今回は赤ジャケのままでは終わりません。

【グッバイ・パートナー】超ざっくりなあらすじ

なんと、オートマチック!

テレビスペシャルの作品における各出来はともかく、オープニング・タイトルを出すまでの展開はたいてい上出来です。ルパン三世という作品の特筆か、冒頭は決まっている。
今回もまたカッコいい。
大金庫を開けるルパンに、追う銭形。ルパンのテーマに乗せた逃走劇が始まる。
ルパンは追っ手を銃で応戦する。青ジャケではためらいなく撃ち殺すが、赤ジャケは相手の銃を弾く。五ヱ門も斬鉄剣と振るって、次元は狙撃で手助け……、ここでいつもの黒ジャケではなくダークグリーンで身を固めています。次元がちょっと違う感じなのが解ります。

銭形はなぜかルパンの共謀罪として逮捕されてしまう。それはルパンに「タイムクリスタル」を盗ませるための策謀に利用されてしまったわけである。

何か裏を感じ取りながらもルパンは「タイムクリスタル」をまんまと盗み出す。それを奪うためルパンを裏切る次元
次元大介と言えば、リボルバー式「S&W M19コンバット・マグナム」ところが今回はオートマチック「シグザウエル P229」個人的にはすごいことをやってくれたと思います。次元にオートマチックを持たせるなんて!しかしそれは今回の裏ボスに仕方無く持たされた感じです。とても裏ボスのロイ・フォレストが憎くなりました(笑)。

事情はあります

ショパンコンクールのファイナリストのアリサという少女が誘拐されます。この少女の母親と次元はいろいろあったようです。次元って何気に女性関係は多い、しかもどれも振り捨ててきている。ある意味、鉄板の状況ですが、それが次元によく似合う。

さて、世界はすっかりコンピューター・ネットワークの時代。今回の「タイムカプセル」は世界中のネットワークをハッキングするコンピューターシステムに必要だった。
敵ボスであるロイ・フォレストはいい線までいきます。けれども拠点として基地にルパンたちがやってくれば野望は打ち砕かれます。しかしながらコンピューター自体が暴走します。世界征服へ発展します。

しかしながら、そこはルパンとそのファミリー。そして誘拐されてきたアリサはピアニストであれば、音が鍵です。そして見事に阻止します。

アリサはコンクールへ、ルパンたちは渋くこれまでのことは水に流して別れます。
次元が一人になったところで、ロイ・フォレストが現れます。オートマチックを持たせた憎きやつです。復讐に燃えてやってきましたが、当然ながら相手にもなりません。

【タイトルを】深読み

今回は赤ジャケルパンのお約束、言い換えれば「縛り」のなか話しの転換がうまいおもしろい作品でした。娯楽作品としてよく出来ています。

脚本は秦 建日子(はた たけひこ)と聞けば、読者として納得です。アンフェアの原作小説家(脚本ではない)です。仕掛けは上手な方です。脚本をやってくれるなんて、つくづくルパンは偉大だなと思います。

今回のルパンは赤ジャケでしたが、途中から次元ばりに黒ジャケを羽織ります。代わりに次元にはファースト・シリーズを思わせる緑系のジャケットを着せていました。
ずいぶん次元がクローズ・アップされた今回でした。ルパンにおいてタイトルが『グッバイ・パートナー』とくれば、まず次元を思い浮かべます。

序盤においてルパンへタバコを買ってきた次元はライターまで用意してきました。ルパンのジャケットの胸ポケットへ放り込みます。これがルパンの命を救い、事件を紐解くきっかけを与えます。
何より銃の撃ち合いならば、ルパンより早い次元の凄腕がクローズアップされました。「困ったことがあれば、必ず俺が駆けつける。とはいえ、俺ができることなんて銃をぶっ放すことぐらいだがな」次元そのものを表すセリフがラスト近くの場面で聞かれます。

ファーストシリーズから次元をずっと演じる小林 清志(こばやし きよし)は『グッバイ・パートナー』では、齢にして86歳です。これが花道かもしれません。ルパンに親しんできた観客にとって忘れがたき作品になるかもしれません。