【toi8】惑星さんぽ

toi8のが良かったぁ〜、と言えば、まず説明を始めなければいけない。有名な小説の名前を挙げて、そこで「絵を描いている人」だ。これでだいたいは通じる、有名なイラストレイターである。

けれども個人的には、今回取り上げる『惑星さんぽ』の人なのである。

以下、ネタバレが含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【toi8さんって】どんなひと?

まさか読み方は「といはち」じゃねーよな、と思っていた頃が懐かしい。

toi8は「トイハチ」以前には『問8』としていたそうだから、自分の負けです(笑)10月8日の誕生日が由来だそうです。

代々木アニメーション学院出身ですか。なんだかんだ言っても、あそこには金の卵が眠っていますね。toi8が通学していたくらいに、よく前を通っていた時期があったので妙に感慨深いです。

卒業後、アニメ会社に2年ほど勤務してから、フリー。2002年『空想東京百景』でイラスト家としてデビューします。これからもう快進撃ですね。途切れることなく描きまくっております。

知らない人(ヲタ系に限る)には、「まおゆう(『まおゆう魔王勇者』)だよ」で大抵は通じます。「怨讐星域(梶尾真治の小説)の人だよ」では、今のところ通じたことはありません。

【大判コミック】惑星さんぽ

toi8の初コミックです。2011年2月11日に発売されたそうですが、この頃になって知りました。もっと早く知っておきたいところでした。

やさしい塔

惑星改造という、まさしくSFな設定なもと、居住ステーションが墜落。ただ一人だけ生き残った女性「私」が改造途中のこの惑星で自給自足の生活を始める。

なんかとてもかわいらしい動物と「私」が接触します。どうやら飼いならす予定だったヒドラ達の種だったようです。
それから予想外の進化を遂げ、人間っぽい外観になっていきます。そしてなぜか高い塔を建築しだします。

「私」を創造主として崇め、「天の国に帰りたい」の言葉を受けたことからでした。そんな理由だからこそ「私」は心底から嬉しいようです。

本編直後の挿入ページに描き込まれたイラスト。次世代への繁種に「私」はどう対応していくのでしょう。

おてつだい

古民家へ越してきた女性。そうしたら居る幼女は座敷わらしか。いえいえ使えない神様でした。

本編直後の挿入ページに描き込まれたイラスト。お子さんが出来たようです。行動や世話のかかるところは、たぶん以前いた神様と変わりません。

巨人の塔

巨人に復讐を誓う少女。倒すには巨大な塔に登って攻撃しなければ勝機はない。けれども塔に住む蛮族に苦労させられる。それでも、困難を排して塔に上がり、討つべく目の当たりにすれば……やはり巨人のその姿を見ただけで圧倒されてしまう。

本編直後の挿入ページに描き込まれたイラスト。このオチ、とても気に入っています。

マジョ

孫が「ばーちゃーん」のところへ遊びにきます。この婆ちゃんは魔女ですから、以下の通りです。

とっくにアガっている祖母とはいえ、お年頃の孫からすれば裸でこられたらたまりません。それでも婆ちゃんらしいところはあります。

本編直後の挿入ページに描き込まれたイラスト。そうか、がめ煮(筑前煮らしい)、子供にはきついか。早く大人になって、この美味しさを理解して欲しいものです。

げいのかみさま

才能がないと10年のキャリアにして落ち込む女性漫画家です。胸が痛くなるような境遇です。そんな彼女が神頼みと訪れたら、現れる弁天様。美しい女性です。願いに乗ってくれるようであれば、この女性漫画家が自著を差し出せば……あっちの方でした(笑)それ以来、訪れた男同士を強制的にカップルへさせるそうです。

本編直後の挿入ページに描き込まれたイラスト。『惑星間小夜曲』というシリーズが、BL以前に男子とタコ型宇宙人……女性漫画家の芽が出ないのは、才能以前に題材がマニアックすぎるからではないでしょうか。

マボロシの中野区

朝、起きてみたら自分以外の全てが消えていた。そんな女性主人公の元へツイッターのフォローが入る。誰だと辿った先が異様な体裁になった中野ブロードウェイ。待っていたのは、女性主人公の好みに合わせたというメガネをかけた少年です。神様みたいなものらしいです。
メガネかけた少年が「嫁になれ」とくれば、女性主人公は「なにが嫁だ、しね!」

本編直後の挿入ページに描き込まれたイラスト。神様苦戦のご様子が笑わせます。

鬼ごっこ

異星人統治でうまくいっていた日本。けれども独立を宣言するどこぞのバカのせいで、古代文献を参考に「鬼ごっこ」(個人的に『うる星やつら』だと思いたいw)で決定することに。各陣営から選ばれたそれぞれ一人の人物。この結末は、異星人が地球人に惚れるオチです。ただ少し趣きを異にするのは両方とも女性なのです。

本編直後の挿入ページに描き込まれたイラスト。もう言葉はいらないはずです。

おとしもの/たからもの

この2編は二色刷りです。『おとしもの』が赤、『たからもの』が青といったところです。

『おとしもの』は、森のクマさんです。

『たからもの』は、1ページが1コマで進む、記憶自体の価値についての話しです。

本編直後の挿入ページに描き込まれたイラスト。キュゥべえの仲間ではありません(似てないかw)

【じんわりSF】この一冊だけ

イラストレーターが描く、しかもフルカラーなせいか、遥か先まで見通せるようなカットが多数です。今時のネタながら、懐かしいSFの雰囲気をたたえていて個人的にはかなりお気に入りです。

けれどもtoi8における同系統の著作が、この一冊きりというのが残念です。時間がかかってもいいので、またこうした短編でも長編でもどちらでもいいから、漫画を望んでいます。この後に出版された2冊のコミックではなく『惑星さんぽ』みたいのを待ってます。

惑星さんぽ』の表紙は『やさしい塔』の「私」なのですが、この続きでも望むところですよ。