【息子です】コングの復讐

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に向けて、がんがん盛り上げていきたい。しかも翌年には『Godzilla vs. Kong』とくる。さて邦題は『ゴジラVSキングコング』になるんじゃねーかいと思っているが、どうだろ?でもこれだと『ゴジラVSキングギドラ』に似ても似つかない?きれいに『ゴジラVSコング』?でも前作が『キングコング: 髑髏島の巨神』だったからなぁ、と変な楽しみが増えてます。

というわけで、ゴジラと三代怪獣の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を越えて『Godzilla vs. Kong』へ向けての今回であります。

以下、ネタバレ及び独自解釈による偏見(笑)が含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【誰が付けた】この邦題

とんでもない邦題がつけられることは「常の世」です。
いえ、むしろ付けるべきです。そうした点においては、この頃はとてもおとなしすぎるように思われます。英語のままなど、いけません。
高速道路の悪魔(直訳)とか、バス男(後に『ナポレオン・ダイナマイト』と改題)とか、26世紀少年(『Idiocracy』という造語で思い切ったか)とか、やはり印象が第一であることを教えてくれます。
あと何と言っても忘れられないのは『ランボー』ええもう元ネタは誰でも知るスタローンの主演作です。原題は『Steele Justice』ベトナム帰還兵以外ではありますが、なんというか他はパクリになっていない内容は、まさしくとんちんかんちんいっきゅ◯◯◯(自粛)です。

興行のためにはおおげさにぶち上げる!もう大人ですから事情は察しますとも。

かし、ウソはいかん。
現代は『 SON OF KONG』辞書を引くまでもない。コングの息子、素直に『キングコングの息子』で何も問題がないような気がしますが、『コングの復讐』ときた。

しかもここに出てくるコングの息子は復讐とは程遠い存在なのであります。

【正統なる続編】だからといって手放しで

1933年公開されたモンスター映画の金字塔『キングコング』円谷英二にも強く影響を与えたことから、日本特撮を知るうえでも無視できない作品です。

しかし大ヒットを受けて急遽『ゴジラ』から『ゴジラの逆襲』まで約半年で製作されたように、向こうも3月の公開から同年の12月という強行スケジュールで続編を製作です。どこでも目が眩むは一緒です。

前作キングコングから1ヶ月後というところからストーリーは始まります。キングコングを連れ込んだ興行師が主人公です。暴れたキングコングの賠償は当然ながらこの方へ求められております。前作にも出ていた船長も出てきます。なぜだかキングコングを運んだせいで船を差し押さえかけられておるそうです。さすがアメリカです。
こうした前作から繋がりを強く打ち出した出演者の二人は、とりあえず船で逃亡です。そしてある街で美女と知り合いになります。当然ながら?付いてくる流れになります。それからまた前作に出ていた怪しげな船員が、キングコングのいた髑髏島には財宝があるという情報をもたらします。

お金のためなら命などといった状況の連中です。話しに乗らないわけがない。
ところがどっこい、船員の話しはウソ。ところがこの船員は船を乗っ取る腹づもりであった。けれども島に到着するやいなや、他の船員に追い出される始末。かくして興行師、船長、美女、怪しげな船員は置いてけぼりにされ、髑髏島へ上陸する。

、いろいろあったようにストーリー紹介しましたが、ここまで至るだいたい40分弱ぐらいが辛い(悲しいではなく退屈のほうね)。
もうね、ただただ撮影してます感が強くて退屈でした。かなり急いでいたのでしょうね。予算もきちんと組めていたか、いや前作の半分だ。

キングコングの上映時間は100分に対し、コングの息子は69分というところにも製作することが第一だったことがにじみ出ています

【ミニラの祖かもしんない】コングの息子は愛嬌あり

やっと来たぞ特撮シーンということで、沼にはまっているコングの息子です。
それにしてもコングの息子。白っぽい体毛で覆われた姿が幼さを醸しだします。いやそれより沼で溺れているという登場の仕方に幼い印象を抱いてしまったかもしれません。
主人公の興行師が側の木を倒して助けてあげます。それだけでコングの息子がなついてしまいます。父親がいなくなってしまった直後でありますから、巨大獣なりに寂しい想いがあったのでしょう。ただ不幸だったのが、なついた相手が父親を連れ去った張本人です。
この見誤りが後に涙を誘います。

コングの息子、なかなかかわいいやつです。所作も愛嬌あれば、表情がもう人間そのものといった時もあります。興行師と美女のラブなやりとりにこっそり覗く姿を見せます。父親なんて種族の違う女の尻を追いかけていたのとはずいぶん異なるものです。
いいやつにはまちがいなさそうです。

ふと、こちらはストレートな『ゴジラの息子』と銘打った映画に出てくるミニラを思い出しました。こいつもまた愛嬌のあるヤツ。どうも息子と名乗る輩は人間を敵視できないようです。それゆえに人間もとい観客から憎まれるのですから無情です。因みにこの無情な人間に自分も入っております(笑)今はさほどでもないですが。

【ああ、コングの息子】ひどいのは人間だ

主人公じゃない一行がトリケラトプスっぽいのに襲われます。
やはり人形によるストップ・モーションは恐竜が映えます。どんどん、こい!

と、思いきや主人公の興行師と美女を襲うは大熊です。ええ、出てきたのはクマです。前作の恐竜ワールドとは趣を異としています。

次にアパトサウルスっぽいのが出てきます。洞窟へ入ってくる姿はとても草食系とは思えないので現在においてまだ分類は困難でしょう。

幼そうなコングの息子ですが大熊もアパトサウルスっぽいのも撃退します。

そして髑髏島がいきなりですが、天変地異(大地震)によって沈むことなりました。

怪しげな船員は一人小舟で逃亡を計ります。そこへ水面を割って現れる、恐竜というより海竜、もはやファンタジー系に属する生物に食い殺されてしまいます。
さぁ、ラスボスが登場か、コングの息子との決戦に!と現在ならお約束の流れといってもいい展開ですが、なりません。とても残念ながら、逃亡するヤツの始末のみで登場した模様です。
う〜ん、確かにストップ・モーションで水を絡めた格闘シーンの撮影はほぼ不可能に近い。でも不自然でもいいから無理グリ合成か、もしくはもう海竜を地上へ上げてしまえ!ぐらいなんですよー、自分としては。

ところで特撮シーンが見られれば、と思っておりますが、最後が悲しい。

突き指の手当てもしてくれた興行師。やさしかった興行師のため、コングの息子は力を尽くします。沈みゆく髑髏島の裂け目に足を取られながら、興行師だけは助けようと手に掲げたまま海の中へ消えていきます。

いいやつですコングの息子。しかしながら興行師に感謝どころか述懐もありません。あっさり忘れ果てて、最後は美女とくっついて幸せで終わります。

なんとも釈然としません。コングの息子がかわいそうすぎます。これではペットが目の前で怪我していたから見てやっただけ、他人の目に自分がどう映るかだけを考えた行為ではありませんか。そうです、美女がそばにいたからこそ、コングの息子を助けただけなのです。
こう考えると、一人逃げ出した怪しげな船員の行為も責められません。むしろキングコング親子はこの興行師に殺されたようなものではないか。

コングの息子、なんかとてもかわいそうでした。

【好きな監督】オブライエン

ところで『キングコング』の、日本名で言えば特技監督であるウィリス・オブライエン。アメリカ風の名称でいえば、特殊効果クリエイターってどっちでもいいんですが(笑)。
個人的にオブライエンが関わっているというと、円盤を購入したくなります。昔は観れればいい、と思っていましたが現在はBDつまりブルーレイ(笑)で欲しいです。
オブライエンの弟子としても高名なレイ・ハリーハウゼンの作品はBDで出されております。白黒作品なんてカラーライズ化されています。
一方、ウィリス・オブライエンの方はBDどころか劣悪な画質ままのDVDで出回っている始末です。どうやら本国では出たんじゃないか、みたいな感じですが日本は無理そうか。

このコングの息子もとい『コングの復讐』途中まではオブライエンがやっていたけど、途中からお弟子さんが中心になっていたそう。なんか製作上層部と揉めたとか、奥さんが自殺?しかけたとかゴジップめいたお話しが渦巻いております。
けれどもやはり特撮シーンはいい。前作キングコングに比べて、こじんまり感はあるけれどもやはり手堅く、また細かいところまで行き届いた動きをしております。
一コマ一コマずつ撮られた作品もまたCGにはない味わいあり!そうして、特撮に魅入られた世界へ踏み込んでいただけたら、なお嬉しい限りです。

ところで最も有名なお弟子のレイ・ハリーハウゼンはまだ13歳!当然ながら、スタッフに加わっていませんが名匠の下につけば優秀な人材は育つ。この作品はその好例かもしれません。