【やっとレビューさ】『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』

散々、公開前にかこつけてネタにされてもらった(笑)『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』ええ、公開から一週間を経た現在においてブログにしています。一週間ぐらい経ってからくらいのほうが作品の感想を見たほうがいいのではないか、と自分に都合よく解釈しております。
しかし、それでも下記の注意書きをよくお読みのうえ、降りていくか決断してください。

以下、最後の最後における場面までのネタバレが含まれます。独自解釈も酷いでしょう。どうか平にご容赦のほどをよろしくお願いします。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【公開前に】気安くその名を呼ぶな!

できるだけ前知識なしで観たいと思っている。どうしても人間は弱い。特にこれを書いている人間は事前の情報に影響を受けやすい面がある。しかもブログなんぞも始めた。自分が素直に感じたままを表現しなければ、と心がけるようにしている。

しかし、予行編くらいはいいよね。あと劇場公開直前の番宣などは、この時期しかない。録画で後になってからという策もあるが、せっかくの劇場公開で盛り上がる雰囲気は今しかない。前売り券を握り締めるだけではせつなすぎる。

、いうわけで、観ていた。観て、ソッコーで消した。なので、何を言っていたか、今ひとつはっきりはしていない。

ただ目玉として「ウルトラウーマンが出てくるよう」みたいなことを言っていたような気がする。コメントはタレントで占められていただろうか(すいません、詳しくないんです)そのうち一人の女性タレンドが珍しい「ウルトラウーマングリージョ」という女性のウルトラマンですよ〜、と笑いながら告げられました。

へらへら軽く言うな!その名はなぁー、1300年も恩讐と共に封印していたツルちゃんが最後の最後で友へ明かした名前なんだ!それをそんな軽く俺に教えるなー、というわけです。

やはり事前に情報は仕入れるものではありません。

【上映直前】言い聞かすこと

作品について、いろいろ調べるのはやはり後にするべきだ!これがケッコー大変だったりするわけですが。

ところでいきなりですが、作品そのものの出来について期待を過剰に抱かないようにしています。
散々ここまで騒いで起きながら、言い出します。映画館で腰掛け『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』がいよいよ始まろうという時に自分へ言い聞かせます。

理由は上映時間です。72分『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』に割り当てられた時間です。
夏の劇場版平成ライダー(あちらは併映の関係)も見ていた身としては、コンパクトにまとめることが何より優先されると、どうしても見所が先に立ちます。お子様を飽きさせない編集がなされます。
自分はもう大人です。立派かどうかはさておきます。
おもしろかったとは別で物語性を求めてしまいます。まだ自分にとっては、足りん!という、つまりうるさいことを言うわけです。

平成ライダーはよくディレクターズ・カット版を出します。そこでやっとシーンの意味が解る場合があります。もしかして察しのいい観客なら気付いたことでも、自分はダメなようです。
けれども、あとたった10分・15分を足せば作品の膨らみがぐっと変わることがあります。

つまりニュージェネレーションのウルトラマン劇場作品もそうして欲しいのです。

『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』はそのままでも欲しいけど、ディレクターズなんて出たらたまらんだろう〜、と観終わった時に真っ先に思ったわけです。

【客演では収まらない】ジードことリクの存在

颯爽とやってくる、助けにくる、時には主人公と悩みを分け合う。ゲストでやってくる先輩の立ち位置です、と長年の鑑賞者(ヲタとも言う)である自分は、つい決めつけてしまっていたかもしれません。

約束となっている前回シリーズのウルトラマンを呼ぶだけで済まさなかった『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』におけるウルトラマンジードこと朝倉リクでした。この物語において、他のウルトラマンではなくリクでなければならなかった。これだけでもこの作品は価値があります。

登場の仕方がなんといってもいい。
アサヒが「もてる」と聞いてすっかり取り乱す湊家の父であるウシオ。かわいくて、他人を勇気づける明るさがあって、しかも人のために役立ちたいという健気な女の子がもてないわけがありません。ここはコメディタッチで息子たちを巻き込んで、付けていたところ、カレシなのか!えっ、キスしてる!ゆるさ〜んと向かっていった誤解相手がリクである。
なかなかあるようでなかった、ゲスト・ウルトラマンの初登場シーンである。けれどここで、前回シリーズのウルトラマンのほうが人間設定としては若かったのだな、と改めて認識いたしました。

その後、怪獣が出現して、湊兄弟とリクの揃い踏み変身シーンかと思いきや、まだお互いの正体はナイショ(こういったこだわりは好きだ)けれども無事にベガを救い出し(原因は後述)怪獣を倒し、お互いの正体を確認し合う。息子たちがウルトラマンの事実を受け入れているウシオもリクがウルトラマンと知りました。
そういうわけで、お家に来なさい、夕飯と共にしようとなります。

ここからの湊家におけるシーンは良かったなぁ〜。

庭を眺める形で腰掛けて並ぶ、リクアサヒ
リクは自分の父が悪逆非道なベリアルであることの苦悩を口にする。例え立派に成長していったとしても、やはり消えない宿命。『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』ですっかり一人前になったようでも、はいそれでお終いにならない姿を見せられて胸へ沁みます。
それを受け止められることが出来るのは、もうアサヒしかいません。血が繋がっていないどころか、人間とは別の形から、生まれた存在であることを告げ、家族への感謝を口にします。そんな自分だからこそ、人のためになりたい。看護師を目指していることを話します。

リクアサヒ。複雑な出生に対する想いが語られたことで、今回がこれまでの劇場作品とは趣を異としているのを感じます。
そう顧みると、父ウシオが娘への溺愛ぶりがまた違って見えます。最終回から一年が経った間も、変わりなく愛情(やや過剰かもしれないが)をそそいできた姿勢が、アサヒを救っているのかもしれません。

リクを交えた湊家のすき焼きを囲むシーンもいい。
兄妹三人のそれぞれの特徴がきちんと出ていたし、家族に触れたリクの心情を濱田龍臣は見事に演じておりました。家族全員同じ顔で食卓を囲むなんて、子供の頃は当然なことが、実は人生過ごす中でさほどの長さを持っていない。実際、湊家は妹と母ちゃん入れての夕食は一年にしかすぎない。
ウルトラマンR/Bは当然の大事さを久々に真正面から描いてくれた作品だな、と思います。

【ベリアルより】狡猾なウルトラマン

リクことウルトラマンジードが背負い続けなければならない自分の父は悪いウルトラマンベリアル。姿は真っ黒で、息子にも引き継がせた人相の悪さです。自分を追放したウルトラの国への復讐や、宇宙の征服を狙うなど、とても迷惑なウルトラマンです。
でもウルトラマンベリアルって、悪いことへ真っ直ぐなんですよね。ウルトラマンはやっつけて、俺にとっていい場所を作ろう!とてもわかりやすい。だから、悪い連中とはいえ部下ができます。ゼロファイトでもわかるように、悪い宇宙人に慕われたりします。裏宇宙(裏社会?)に限れば、いい親分なのかもしれません。だからカタギに迷惑をかけるのかもしれませんが。

今回の敵はウルトラマントレギアです。ウルトラマンの闇落ちの二人目かと断定づけたいところですが、目的や正体は一切触れられていません。本人もウルトラマンと名乗ってはいません。

尺の関係で悪側へ踏み込む余裕がないんだろう、というワタクシの邪推は横へ置いておきます(笑)。

ウルトラマンR/B』は、ルーゴサイトのような厄災系の敵はいたものの、アイゼンくんやツルちゃんといった、とても敵とは思えない者たちが相手でありました。そう考えるとウルトラマントレギアウルトラマンR/Bにとって初めての敵役かもしれません。

そのウルトラマントレギアは言動からして嫌味ったらしい。弱点を攻めるといった卑怯ながら理に適う方法ではなく、平気で弱みに付け込む卑劣な手段に訴えてきます。
親友の件で心痛のカツミへ、どう考えても帰れなくても行くしかない状況を提示します。カツミが倒せるはずのない親友を内包したスネークダークネス。地球上でウルトラマンブルジードが倒したところで、カツミへ見せる映像を切ります。本当はスネークダークネスは倒されていないにも関わらず、カツミに絶望を与えるためだけの行動です。
やることなすことが、愉快犯のような悪辣さ。もう弱くて利用できるものは徹底的に、というロクでもない悪いヤツです。
そういえば、ジードとベガをこの世界へ連れてきたのもトレギアでした。親友のベガをジードに倒させることを目的としていました。カツミの件といい、ジードの件といい、親友が何かのキーワードとなっているのかもしれません。

まったく正体不明で、最高のヒール役であるウルトラマンなのであろうトレギア。とどめはジードに刺されましたが、あっさりこれで引き下がってもらっては、こちらは気になって仕方がありません。きっと再登場をしてくれるでしょう。映画の最後に健在ぶりを示しましたしね。
すっかり楽しみな存在となってます、ウルトラマントレギア。超全集によると、ルーゴサイトが破壊行動へ走るよう仮面を付けた青いウルトラマンの遺伝子操作が原因とのこと。
そうなると、ツルちゃん(グリージョ)兄妹を死へ追いやったのは、こいつだと言える。
ウルトラマントレギア、おまえのがんばり次第でツルちゃんの復活、つまりウルトラマンR/Bの続きが観られるかもしれない。またの活躍を待っているぞ!

【かつにぃ】カツミが身近

冒頭のほうで、クアトロに訪れているお姉さん。このお姉さん、見たことあるなぁと思っていたら『さよならイカロス』の回の娘じゃん!アメリカの留学先にイサミを誘いにきている。なんだよ〜、もともといい雰囲気だったのが、これでいい仲になる可能性が大じゃん。
やったな、イサミ!

一方でカツミである。イサミに、一人でもウルトラマンとして守っていくからと夢へ後押しします。
イサミはそんなカツミにも、もう夢を追っていいんじゃないかと言います。

ここのシーンが自分にはとても遣る瀬なかった。

家を助けるためカツミは野球を捨ててます。湊家は母もいなければ妹もいない、男所帯でした。父ウシオの苦労を見かねたのでしょう。細かいことに行き届けない状況を、取り敢えず支えてやりたい。弟には好きなことを追いかけてさせてやりたい。

長男の苦しみ、よく解ります(身バレしますねw)「誰かのための」といった理由は、その誰かが失われた時に行き場がなくなる。本当は祝福してやらなければいけないのに、身の置き所を失くした自分に気を捉われてしまう。
せめてウルトラマンとしての存在価値も、怪獣が出現しなければ意味のないジレンマです。

しかし怪獣は出現しました。
けれどもカツミが変身するロッソは冴えません。むしろイサミのブルとリクのジードが良い連携を見せます。自分の価値をますます見失っていきます。
かつてバッテリーを組んだ友人はゲームクリエイターの夢に挫折して引き篭もっております。スネークダークネスとなる戸井くんです。カツミにボールへ「夢」と書いて渡してくれた親友でした。

その「夢」を書いたボールをカツミが戸井の部屋の前に置く。辛いシーンです。

イサミの状況は誰もが夢見るパターンかもしれない。才能がそのまま開花しようとしていて、周囲も認めてくれている。
けれども大抵の者はカツミに近いでしょう。将来に渡って発揮し生活できるほどの才能なんてわからない。周囲に気を配るも起こる出来事は失望ばかり。
兄弟の対比はそのまま身近に迫ってくる話し作りになっています。

「君はウルトラマンなのか湊カツミなのか」遥か彼方の惑星において、メカ・ゴモラに為す術なく逃げ惑うピグモンたちを見せておきながら、トラギアが決断を迫ります。時空の彼方です。帰還できる保障はありません。
カツミは躊躇なく助けに飛ぶんですよね。メカ・ゴモラを倒し、ガラモンもいるだろうなピグモンたちを助けるわけです。
そこへ戸井ことスネークダークネス。カツミがウルトラマンだったことを知り、オマエは全てを持っていると言い放ちます。
この戸井くん、会社を辞めて引きこもっても面倒を見れくれる家族がいます。命がけで心配してくれる母親がいます。それはカツミには(母のミオが戻ってくるまで)与えられなかったことです。

他人が良く見えてしまうことはよくあること。けれども他人を羨んでいてはいけない。自分の了見でしかものを見られなくなってしまう。

いろいろ考えさせてくれます、今回の劇場版は。

【本音は】ウルトラウーマングリージョだよな

非常に身近なところから深いテーマに迫っていく作品である。心して見ようを決めたいところだが、本当の本当はそこではない。
自分の楽しみを素直に打ち明ければ、である。

アサヒ!ツルちゃんから託されたルーブジャイロを使うんだね、変身するんだね。
おおっ、でもいきなりウルトラマンではなくグルジオレギーナか。こういった過程は大事ですよ、いついつウルトラマンになるのか!この楽しみかたは事前情報を得ていたからこそです。真っさらな状態で作品に接することこそ大事と言う、普段の自分を否定することにならないか、などというお話しは置いてください(笑)。

ター、ツルちゃん!ピンチになったらである、ここぞでウルトラウーマングリージョが登場である。しかもグルジオレギーナを突き破ってというのが、なかなか意表を突いていていい。アサヒらしくグリージョがあさっての方向を向いて見栄を切るのもお約束みたいで良い。
ちょっとしたこだわりが嬉しいじゃないかぁ〜。

グリージョはポーションの如く兄やリクにエネルギーを、元気を与えます。これもまたアサヒらしいキャラクターを活かしています。

そして、湊三兄弟が揃い踏みでルーブジャイロをかざして、ウルトラマングルーブへ変身していくのには燃えます!なぜかリクのジードへ変身する際のすっかり聞き慣れているはずの「融合 (You go) アイゴー (I go)! ヒアウィーゴー (Here we go)!」が、この劇場版で殊更にカッコよく感じてしまいました。

ここクライマックスに至る盛り上がりはたまりません!
ウルトラマングルーブとウルトラマンジード、最高のタッグでした。

あれっ、ところでツルちゃんは?アサヒへウルトラマンになるのを導くために出てきただけ?
えええっー!これじゃ、イサミのカノジョになるかもしれないユウハより出演時間が短くね。
うむむ、映画はストーリーが大事だと言いながら、やっぱりキャラクター推しの体たらくかよ!こういうヤツ(自分のこと)が、製作スタッフに余計な気を使わせてしまうのである。いかん、である。
でも、しょうがないのである。入場でもらえる自由帳が、まさか「アサヒ/グリージョ」がくるなんて思わなんだ。それで、つい火が点いてしまったわけであります。仕方がありません。

【もうそろそろ】つまり良かったということです

最後はカツミはデザイナーの勉強で父ウシオの紹介で留学(どこの国だっけ、忘れた)することになります。さすがウシオ、だてに衣服のデザインをしているわけではなかったのですね(笑)

ラストで、カツミとイサミがいつものごとく手を合わせ、それぞれの道へ旅立っていきます。
良いシーンです。最後の物語りといいますが、テレビ収録を終えて、そのまま映画の撮影に入ったからラストだといっているだけなのだと勝手な観測をしています。
また、どこかでと願わずにはいられません

ころで、お店「クワトロM」はカツミがいなくても、もう大丈夫なのでしょうか?
いや、大丈夫ですよ。だって母ちゃん、綾香市の経済を引っ張るアイゼンテック社の社長です。お店なんてやらなくても大丈夫なくらい、そうそうカツミへの留学費用ぐらい簡単に出せるくらいの収入はあるでしょう。
ただ、このアイゼンテック社はとんでもないオーヴァーテクノロジーを有しています。ツルちゃん風に申せば「激ヤバだ」な会社なので、いつ問題が発生するか、わかりません。やはり息子たちは独り立ちできるだけ手に職を身につけておくべきなのかもしれません。
れっ、でもウルトラマンとしては?怪獣がきたら、どうするん……アサヒがやるしかないのか! ウルトラウーマングリージョというスピンオフが生まれるのか!いやぁ、ないよな、たぶん、それ。

長々と書かせていただきました。やはりリアルタイムで盛り上がると自分が恐ろしい(笑)。

テレビシリーズの時からお気に入りなのだから、当然といえば当然と言われてしまうかもしれません。それでもあえて、やはり今回の『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』は良い作品だったと言い切りたいと思います。

また劇場に足を運びたいと久々に思わせてくれた映画でした。
その際には、もちろん劇場でいただける自由帳は「ツルちゃん」であることを強く願ってます(笑)。