【『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』公開に向けて其の5完結】ウルトラマンR/B

2019年3月22日

ついにこのシリーズも完結です。もう言葉はいりません。でもいらなかったブログになりません。思いの丈をぶちまける勢いでいきます。

以下、ネタバレ及び独自解釈による偏見(笑)が含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【攻めた設定】ウルトラ兄弟

話しの設定からして、二人のウルトラマン。ウルトラ兄弟で行くという。
これまでのウルトラ兄弟が揃うパターンといえば、ピンチの弟を救いに行くのがお約束であった。
う、複数で寄って集って敵を攻撃したりはしない。あくまでも助けるために出てくるのである。
顕著な例としてウルトラマン・タロウのテンペラー星人が敵役が出てくる回がある。人間体で兄弟5人揃っているところへ、テンペラー星人がやってくる。やっつけてやるから、ウルトラ兄弟出てこいと言う(自信過剰は身を滅ぼす教訓の回となった)。末っ子のタロウは全員でいこうというが、兄は一人で戦ってこいと諭されてしまう。
当時はタロウへの愛のムチと捉えていたが、いきなり兄弟全員で敵を潰す真似はしてならないシチュエーションだった(現にテンペラー星人は自信ある口上とは裏腹に兄弟6人にあっさり負けている)。あくまで大ピンチに陥り、身の危険が及ぶまでは敵一人へ向かっていかないのである。

ウルトラから離れるが、戦隊にもその配慮がうかがえる。人々を襲う怪人は多くの戦闘員を引き連れてくるか、ヒーローの不意を突く卑怯な真似でくるか、とんでもなく強大か。

人として守って欲しい事を忘れない。ヒーロー番組とは、かく繊細な配慮を盛り込んでくる。

さて、『ウルトラマンR/B』(ウルトラマンルーブ)は、どうくるか?楽しみであった。

【序盤】ほのぼのコメディーで、きたか

個人的には客演は大好きである。他のウルトラマンがやってくる、怪獣も複数登場する。この流れで『ウルトラマンR/B』はわんさかくるか、と希望に近い予測も抱いていた。

う簡単にはいかないものだ。怪獣は複数出るどころか、毎回において一体である。過去の懐かしいどころか、ルーブの中で見たことがあるやつがまた出てきてくるくらいである。

かくて特撮とは金が嵩むもの。つくづく思い知らされた。

そういうわけだから、怪獣より弱いウルトラマンが二人で協力、成長の物語となった。これを否定しているわけではない。今回のことは「己れへの戒め」である。キャラクターを望むあまりに過剰なる期待はしていけない。真の感動はストーリーにこそある。
それを改めて認識させてくれた『ウルトラマンR/B』であった。でも所詮程度の自分である。また怪獣いっぱい見たいと同じ失敗を繰り返すであろう。断言できる。

4話『光のウイニングボール』5話『さよならイカロス』において、ウルトラマンになる兄と弟の性格に迫る好編だ。前者はシン・ゴジラにも出演したウルトラお馴染みの平泉成が、後者では新人ながら静謐な印象残る好演をした須藤叶希が兄弟の存在を浮き立たせてくれた。
序盤においてこの2つの話しが深みを目に見えて与えてくれたように思える。

ウルトラマンの兄弟である、カツミとイサミ。その父親は明るい変なTシャツ作ってばかりの服飾雑貨のオーナーである。そして、いつもニコニコ、家族の愛くるしいマスコットである妹のアサヒ。
家族で安心して見られるホーム・コメディーが今回のウルトラマンである。

これがとんでもない決めつけであったことは後で痛いほど知る。

【序盤〜中盤】親近感のあいぜんくん

コメディー色を強く印象づけてきた大きな要因は、愛染マコトというキャラクターである。演じた深水元基はお笑い出身かと思っていたが、モデル出身だった。なるほど、ウルトラマンオーブダークに変身する姿がカッコいいわけである。

社長で「愛と善意の伝道師」であるあいぜんくん。悪い奴ではない。正確には憑依生命体 チェレーザであるが、罪としては憑依した相手を乗っ取るという迷惑ぐらいだけではないか(まぁ、乗っ取られた当人はたまらんが)。光の力を我が物と言えば聞こえは悪いが、単なるウルトラマンオーブに憧れて、そうなりたいと願っているだけだ。つまりウルトラマンに憧れた少年ならば誰でも持つ感情を捨てきれず大人になったようなものである。だから当然ながら行動は、イタい。
コメディーを演じるために与えられたような役どころである。これを意図してか、意図せずしての設定か。取り敢えず言えることは、自分の胸に突き刺さる設定である(笑)。

ウルトラマンの自覚さえあやふやなカツミとイサミ兄弟を、ウルトラマンはこうだと喰ってかかり(口うるさいファン、つまり自分を見るよう)、ついに攻撃に出ることとなり(自分、反省しています)、最後は敗北である(自分もこれから謙虚に……ならないだろうなw)

さようなら、あいぜんくん。所詮、オタな成人男性は、若き女性(ここではツルちゃん)に一蹴される運命なのだよ。

【中盤〜終盤】ツルちゃんから、本気だ

ツルちゃんと呼ばれる美剣サキを演じた木下彩音を初めて見た時はハーフかと思った。なんか目の色が日本人っぽくない。どうやらツルちゃんの設定が青い瞳らしく、カラコンを入れていたか。ルーブが連続ドラマ初出演とな。よく演ってくれました。あなたこそがキーポイントでした。

同時に、明るい家族を演出するための添え物だと思っていた妹のアサヒの存在が一気に浮上してきます。
や、浮上どころの話しではありません。アサヒは実のところ存在していなかった!これはカツミ・イサミ、そして父さんといった湊家のこれまでを根底から揺るがす話しになります。
母が失踪した15年前。残された幼い男兄弟は、かわいい妹の存在があって救われた事実がなくなります。父さんのウシオが妙なテンションな理由もここに求められるのかもしれません。

それを踏まえて6話『宿敵!あねご必殺拳』を見返すと感慨深いものがあります。

アサヒも笑顔だけでなくなります。ツルちゃんも味方でもないようですが、完全な敵とも断じれません。けれどもウルトラマンになるカツミ・イサミの兄弟には憎しみに似た眼差しを向けることがあります。

【ハッピー】ダブルヒロイン

コメディ・タッチは、ミス・リードを促すための演出ではないか。もうだまされません(笑)。ウルトラマンオーブのパロディも、客演につながるわけではない。

明らかにされるツルちゃんの過去とこれまでの経緯。
ウルトラマンとは惑星O-50が起源とされる力で、かつてツルちゃんの兄たちが授かったものだった。1300年前に最悪最強怪獣ルーゴサイトから地球を守るため、ツルちゃんの目前で散っていってしまった。それから兄たちの復讐を果たすため、ルーゴサイトを倒すためだけに、ずっと一人で機会を待っていたのである。1300年!復讐のためなら、守ろうとした地球もろとも消し去って構わないとなっていたのである。

ついに機会は訪れる。だがツルちゃんの誤算は、口癖の「古き友」ではなくアサヒという「今いる心からの友」を得てしまったこと。ルーゴサイトとの決戦で地球ごと共に消滅するはずが、カツミ・イサミが変身するウルトラマンたちが、ツルちゃんを守るべき身を呈して前に立ったこと。「おまえは生きろ」と言い残す兄たちの最後の姿が被さってしまう。
1300年!抱き続けた怨讐も忘れて、アサヒの兄たちを庇い致命傷を負う。

アサヒの腕の中で最後の時を迎えるに至り「グリージョ」とツルちゃんは自分の名前を告げる。1300年の間、決して誰にも教えなかったと思われる本当の名前を口にして、アサヒたちに会えて「私はハッピー」そして昇天していく。

そのアサヒも、家族かどうか以前に人間とは存在そのものが異なることを知りながら、ルーゴサイトを倒すため力を使い果たせば消滅していくことを予感しながら(していたと思う)湊家へ告げるのである。「うちの子で良かった、ハッピー」

おもしろかった、感動した。それは、しょっちゅうある。けれども特撮番組で泣かされたのは久しぶり、しかも2周続けてなんて初めてではないだろうか。
自分にとって忘れられない作品となった(そうそう特撮番組は忘れないけど)。

【そういうわけだから】劇場版の大ヒットを望む

最後はすっかりウルトラマンになる二人の兄弟そっちのけになってしまった(笑)。
シリーズが続ければ時には失敗もあるだろう。けれども感動には、まず作品が生まれなければいけない。当たり前のことだが、それが一番に難しい。

売上高からみれば、ウルトラマンは右肩上がりではある。ただ見込みの数値だが、70億ほどで、戦隊ものくらい100億は届きたいところだ(因みに仮面ライダーは4倍以上である)。まだまだ続けていくには予断が許さない。

しかしながら『ウルトラマンR/B』というまだまだ力を見せつけてくる現在の円谷スタッフには製作し続けて欲しい。

それに何よりも「遠い昔、星から来た兄妹が残した誰かを想う気持ちを引き継いだ湊兄妹の物語」がより多くの人の中に息づいてくれれば、何かあるかもしれないじゃん、と欲望とも言える期待が湧き上がるわけである。

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