【『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』公開に向けて其の3】ニュージェネになるまでの苦闘史

2019年3月6日

一歩一歩近づいてくる公開日。実は公開初日の3月8日は金曜日。土曜だと思いこんでいたけれど、一日早かった。だから観に行けるわけでもないので別に問題はなしである。問題なしが悲しい現実であるわけです(泣)。

以下、ネタバレ及び独自解釈による偏見(笑)が含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【完全に事業精算制になった】2010年以後の円谷プロ

外部資本が過半を締めた時点(2007年10月)で利潤の追求を求められたとは思います。しかし以前と残る円谷の末裔が名誉とはいえ会長職として居座れば、まだ完全な精算とまではいかなかったのではと推測します。あくまでも当て推量です。円谷の名誉会長職の2009年における退任は既定路線であったかもしれません。

しかし翌年の2010年に、筆頭株主TYOがフィールズに売却したことで連結子会社になります。円谷が資金繰りに困って泣きついたTYOと違って、フィールズは縁も縁もないパチンコ開発販売会社です。よりいっそうの利潤追求を求められることになりました。

【やっぱり】苦闘している

2010年はまだ以前の企画に添って制作されていたでしょう。連結子会社になってから通った企画で動き出したのは2011年からと思われます。

  • ウルトラマン列伝』2011年7月6日ー2013年6月26日 全104話
  • ウルトラゾーン』2011年10月16日ー2012年3月25日 全23話
  • ウルトラマンサーガ』2012年3月24日劇場公開
  • ネオ・ウルトラQ』2013年1月12日ー2013年3月30日 全12話

漏れがあったら、すまん!と謝っておく(たぶんないとは思う)。
まず『ウルトラマン列伝』だが、いろいろ企画を差し込んではいるものの基本は再放送である。しかしこれは重要である。テレビ東京という地方局よりだいぶマシな(ものは言いようである)放映系列で定期的に流されることは目に触れる機会を与える。昔の作品でも好きになってくれる子供もいるんだな、といった例にも出くわした。自分も毎週のウルトラマンから途切れずに済んだ。
れに番組内の3分枠とはいえ『ウルトラゼロファイト』が放送されました。第二部などはハードな話しでした。やはり新しいウルトラマンの物語を製作してもらいたい、そう思ったものです。

ウルトラゾーン』はtvkといった関東の独立系が中心となって製作されたものです。バラエティといった括りになります。おもしろかったこともあります。ただし自分が笑いに厳しいせいか、寒く感じたことも多々あったことは正直に述べておきます。しかしここで製作したスタッフがニュージェネレーションへ繋がっていくのですから、どんな手でも止めてはいけないのだと改めて教わりました。

ウルトラマン・サーガ』当時、知名度があるキャストを呼び、興収も悪くなかったようです。が、観に行った方々はどうでしたか?と聞きたい感じです。自分は良かったんですよ、でもちょっと間延び感はあったのかな、と。周りの子供たちが途中で退屈している。幕が上がっても、悪くはない、でも盛り上がらないといった空気でしょうか。
上映時間が90分ありましたが、この後からの劇場作品『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』以降において、上映時間が1時間ちょっとになってしまったのは、上映回数を回したい思惑とこれが影響しているのかなと邪推しております。

ネオ・ウルトラQ』はウルトラQの“セカンドシーズン”と謳われ期待しておりました。しかし人物大の怪獣というより怪物に事件性重視と、どちらかというと2004年に放映された『ウルトラQ dark fantasy』に近かったような気がします。おもしろさがどうこうというより、肩透かしを喰らった感じです。ウルトラQの“セカンドシーズン”と聞いていなければ、もっと素直に愉しめたのかもしれません。

【ついにきたギンガ!】だけど苦労しているよなぁ

ウルトラマン列伝』が終わるという。再放送を基本とした番組構成から2年も経つ。このまま新しいウルトラマンはなくフェード・アウトかと思っていた。

ウルトラマンギンガ』おおっ、作るんだ!やはりウルトラマンは不滅だ。そんな能天気な気分を吹き飛ばす、過酷な設定状況だった。
スパークドールズという明らかなフィギア売りに、狭い狭い山奥にて少人数で繰り広げられる舞台。ウルトラマンと持ってきても、まるで製作状況は好転していない。全11話であり、劇場公開の2作品もスペシャルであって映画と呼べるほどでもない。
後で知ったことだが、ウルトラシリーズで初めて製作委員会方式で製作された作品に当たるそうだ。制作費を集めるためといえば聞こえはいいが、リスク回避の方式でもある。製作実績が見えない出資であるから渋いだろう。
これまでいろいろ制約はあっただろうが『ウルトラマンギンガ』ほど製作環境が厳しかったことはなかったのではないか。本気で自分は痛ましく思いながら観ていた作品である。
でも、これはこれでおもしろかった。どんな状況でも知恵を絞って作るスタッフは偉いものである。
そしてこれが商業的失敗していたら、後へ続かなかったのは明白である。

【製作の流れは出来た】R/Bに至るまでの俯瞰

ウルトラマンギンガS』の放送に、あれっ?と思った。嬉しい驚きが待ち構えていた。
本格的にミニチュア・ワークが復活している。防衛隊(UPG)までいる。何より画面から必要最低限な製作費の下で作られたのが伝わってくる(もちろん大変には違いないだろうが)。ここからが、ウルトラマンが復活だ!

  • ウルトラマンギンガS』2014年7月15日-9月2日、11月4日-12月23日 全16話(新ウルトラマン列伝内
  • ウルトラマンX』2015年7月14日-12月22日 全22話(新ウルトラマン列伝内
  • ウルトラマンオーブ』2016年7月9日-12月24日 全25話
  • ウルトラマンジード』2017年7月8日-12月23日 全25話
  • ウルトラマンR/B』2018年7月-12月22日 全25話

すっかり年度後半の風物詩としてウルトラマンを愉しみにするようになった。だがここで改めて整理してみれば、ギンガSの話数が少ないのは記憶のうちだが、Xが3話も少ない(ほぼ1ヶ月分の予算である)。この2作品の頃は後続があるかどうか、まだシビアな状況が続いていたことがうかがえる。けれどもこの2作品は画期的な試みもあり、終盤は熱い展開が待っていた。
この成功でようやく製作委員会もシリーズとして本腰を入れ始めた。『ウルトラマンオーブ』と番組名を飾らせ、ニュージェネレーションと打って出てきた。
そう考えると『ウルトラマンR/B』はニュージェネレーションと後付けの冠では第6弾に当たるが、番組名として銘打たれ始められた作品としては第3弾に当たると捉えていいかもしれない。
「第3弾」とくれば、これまでの路線から少し新規軸を打ち出したい頃合いである。そしてここにおける成功か否かが、後のシリーズ化へ及ぼす影響は仮面ライダーシリーズを参考にすれば重要である。

ウルトラマンR/B』放映作品としては果たしてくれたと思う。それについては、勝手にシリーズ化した(笑)最後の記事にしたい。ともかく現在は『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』が当たることを願ってやまない。