【『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』公開に向けてまで其の1】まずどん底について『ウルトラマンが泣いている』

2019年3月11日

いかん、今回はタイトル、ながっ!ならば中身は薄くって、濃かったことがあったっけ?という話しになりそうなので、さっそくいきましょう。

以下、ネタバレ及び独自解釈による偏見(笑)が含まれますことをご了承ください。製作者などの敬称も略とさせていただきます。

【自分の経験から】中国進出はむずかしい*現在はどうか知らん

いきなり私事で恐縮だが、ある地方の名家とされる方から経営会社の相談に受けたことがある。その地方では城の石垣修繕を任されるくらい信頼の篤さがあった。あったというのは、相談の時点でもうすでに受注できないほど傾いていたわけである。
そこで再生のための事業計画の練り直しと資産の清算によって、目処が立った時である。
地元では「お殿様」と呼ばれていた社長がいきなり中国で現地調達から生産によって立て直しを計ると言い出したのである。もちろん、止めた。大手企業ですら契約がいとも簡単に反故にされる状況である。確かに儲かる可能性はある。だが所詮は地方程度の知名度である。当時は中途半端な会社ほど痛い目に遭っている。体力がある会社なら冒険してもいい。教えてもらえなかった仲介業者も気になる。
「お殿様」と呼ばれた社長へ話しを持ちかけてきた人物は信頼できるのか。
たぶん資産の清算が惜しくなったのだろう。制止する当社を相談料獲得したいがための意見とまで言われてしまった。
その後「お殿様」だが中国進出は見事に失敗し、どうにもならない状態で面の皮も厚く再び相談しにやってきた。もちろん弊社は丁寧にお断りしましたとさ。

上の経験をしていたので、末期の円谷プロダクション経営に携わっていた円谷英夫著書『ウルトラマンが泣いている』を読んだ際は、「ああ、よくある話しだったんだ、あれ」と思ったものです。

円谷プロダクション退社後に、円谷英夫は中国で特撮作品を製作したそうです。家を担保に入れてまで頑張ったようですが、撮影作品自体を持ち出すことさえ叶わず頓挫です。安いからといって飛びつくと痛い目に遭うことを忠告する人間が周りにいなかったのか、それとも忠告を振り切ったのか。

ゼロ年代において、中国への事業展開はリスクの高いことだったのです。
現在がどうかについては、すっかりこうした方面の仕事から離れてしまったので判断しかねます。

【所詮は親族】こりゃ、ダメだ

円谷英夫は経理的な改革へ乗り出したようである。平成以降のウルトラマンたち(ティガから始まりメビウスに到るまでと思われる)のテレビ一話分に対する制作費が高すぎる。もっと抑えるべきだった。水戸黄門のように作っていけばいいのだ、といった考えを持っていたようです。

2018年の講演においても、ニュージェネレーションのウルトラマンに対して批判的です。
玩具を売るだけに成り下がった、もはやウルトラマンと呼べない代物という感じで述べております。
の感覚、懐かしいなと思いました。
平成仮面ライダーが開始された当初、特に3作目である『仮面ライダー龍騎』の時にはよく聞いたセリフです。
この意見、間違っているとは思いません。視聴者のうちから出てきてもおかしくない意見だと思います。

だが曲がりなりにも経営者から出る言葉ではありません。
ウルトラマンを続けるには、どうすればいいか。次世代へ、どうしたら繋げていけるか。時には一部のファンを裏切ってでも儲けを考えなければいけない。泥を被るくらいの気概がなければ、傾いた経営の回復など出来るわけがないのです。

結局は一族である呪縛というより甘さから抜け出れなかった。いろいろ原因があったとしても、詰まるところその点に行き着くような気がします。

【さらばウルトラマン】ではなくて、円谷一族となりました

経理仕事もした自分としては、円谷プロダクションの2007年2月決算が売上げ56億円にも関わらず、純利益が4400万なんて、すげーなと率直に思います。はい、これじゃあ黒字計上だったとしても銀行が融資を止めるわけである。累積赤字が30億ありながら、この売上げでこの収益。将来など見通せるわけがない。

結局、当面の資金繰りで借りた会社への返済をできずに株を譲渡すれば、あとはよくある転落コースになるわな、てな感じですね。
2010年、円谷プロダクションは親族一切かかわらない会社になりました。

ここから賛否両論はあって、当然!
けれど賛否両論を生むためには必要な製作へ向けて動きだすわけであります。会社存続のため仕方なく行う自転車操業ではなく、利益を生むためのウルトラマンです。
だからある側面において賛否両論は仕方ないのかもしれませんね。