【驚いたぞ】戦艦バウンティ号の叛乱
昔のアカデミー賞を見てます。2018年年末年始にかけて特集をやっていたもので、あっさり感化です。いやいや観る機会なんて意識しなければ持てないものです。はりきって観ていきますとも!
以下、ネタバレが含まれますことをご了承ください。
【事前情報】すげぇ、邦題
戦前です、1935年全米公開です。モノクロというのが嬉しい。昔は少しでも綺麗ではっきりとした画面や音質であって欲しいと思っていました。
現在は、なんなんでしょう。たまにモノクロで製作された作品を無性に観たくなりたくなります。音もサラウンドどころかステレオでもない、モノラルがいい。
歳を重ねるとはこういうことなのだ!と思いましたが、周囲の友人はそんなことはないそうです。
どこまで数が上がるんだテレビのKとサラウンドによって設置できるスピーカーの数は増えれば増えるほどいい、と仰る方もいるほどである。
自分としてはなぁ、まぁ画質が上がる分にはいいけど、音!モノラル・サウンドの塊みたいな響きが好きだ。
話しは元に戻しまして、この映画の時期です。
日本の公開は、1938年5月だそうです。日中戦争に突入しています。第二次世界大戦を翌年に控えています。アメリカと関係悪化まで翌々年までです。
よく持ってきたな、これ。
原題は『Mutiny on the Bounty』素直に訳せば「バウンティ号の叛乱」後に正式な邦題とて『戦艦バウンティ号の叛乱』。いわゆる普通、でも細かいことを言えば、バウンティ号って戦艦じゃないけどね。ただの貨物船を軍が徴用しただけなんだけどね。映画を見れば、ぜんぜん軍艦じゃない。
でも軍の船には違いないから軍艦というのも、あながちハズれでもないか。
しかし時局柄というやつですか、叛乱がダメなんだって。だから『南海大征服』これは作品よりも為政者の思惑まんまやん。笑えるというより、なんか恥ずかしさを感じますね。
【鑑賞中】なんだか話しがありきたり
- 組織のトップである艦長が横暴すぎる
- あまりに酷い待遇に、働く人たちに不満がくすぶる
- ナンバー2の色男(クラーク・ゲーブルが演じております)がとてもいいヤツ
- 途中に寄ったタヒチはいいところ。恋もします
- どんどん横暴さを増してしく艦長
- ええい、我慢ならん、叛乱だ。指揮はみんなに好意的で人気もあるクラーク・ゲーブルだ
- 叛乱成功!捕らえた艦長とその側近はボートで流してしまえ。しかし運良くボートは助かります
- 許すものかと別の船でやってくる艦長
- 地図にない島へ行こう、とクラーク・ゲーブルに誘われ逃亡。
- 追う艦長だが捕らえきれず、叛乱に加わらず大人しくお縄についた乗組員を連れ帰る。
- クラーク・ゲーブルたち、ある無人島を住処と定める
- 連れ帰された乗組員も無罪。新たにまた船のお仕事につく
えー、なんかストーリーが陳腐というか、いかにも夢物語的な決着だったなぁ。
古い作品だから仕方がない。
と、思ったら!
【えっ】実話ベースなの、これ
なに、これ、本当にあった事件なんだ!
バウンティ号は1787年にイギリスのポーツマス港を出航。叛乱は1789年の4月に、1790年の1月に反乱者を乗せて辿り着いたピトケアン島で解体される。
ずいぶん詳細に記録が残っているのね。映画用に演出上の脚色はされているけど、ストーリーはほぼ史実通りなんだね。
事実は小説より奇なりというけれど、本当にこんなこと、あるんだね〜。
南海の大征服というより、南海の大浪漫ではないかい。
【最後に】宣伝の意味を教えられた(ような気がする)
ベースが実話だったと知れば見る目が変わりました。
これは本当にあった話し、とくどいくらいな映画の宣伝に辟易することがあります。
が、これで少し見る目が変わりました。実は本当の話しと知らされてから鑑賞する腰の入り方も違いました。
『戦艦バウンティ号の叛乱』は過去にあった事件という情報を事前に押さえてから鑑賞したほうが良い作品だと思われます。そこから見えてくる描写があるように感じます。
でも、基本はまっさらな状態で観たい。作品の背景を知るタイミングや量は本当に難しいですね。